ジャンル | 宇宙探索アドベンチャー |
メーカー/ブランド | Mobius Digital |
発売年 | 2019 |
ハード | Steam/XB1/PS4/Switch |
お気に入り度(0~10+) | 10+ |
プレイ状況 | Trueエンド回収/Steam版 |
先日プレイした OuterWilds があまりに素晴らしかったので簡単な感想を。
Outer Wilds
— SPD (@SPD_9X2) 2021年8月3日
22分のループの中で圧倒的なスケールの宇宙を冒険し、先住種族が星系に残した遺跡群を探索するADV
思わせぶりな情報を与え、最後は思い付きに委ねる謎解きが素晴らしく、自分の足で冒険し、自分の手で新境地を切り開く達成感、息をのむような衝撃的演出を何度も味わえる最高の作品でした pic.twitter.com/SBhyP4YsSt
10点満点ならば、多少の欠点はあっても、その圧倒的な長所から10点をあげたいような作品でした。
重要なネタバレは避けてます。(序盤に知るレベルの情報は載せています。)
Outer Wildsとは?
PC/XBox1/PS4/Switch(発売予定) で遊べる宇宙探索アドベンチャーゲームす。まずは上のPS4版トレーラーを見てください。
プレイヤーは、太陽系とは全く違う星系にある木の炉辺(Timber Hearth)という惑星に住む種族、ハーシアン(Hearthian)の新米宇宙飛行士です。今日はついに宇宙に旅立つ日。明け方目を覚ましたプレイヤーは搭乗許可のキーコードを教えてもらい、整備の済んだ宇宙船に乗り込んで飛び立ちます。
しかし、22分後星系は突然の終焉を迎え、気が付くと旅立ちの朝に戻されてしまいます。22分間のループに囚われたプレイヤーは、星系の数々の惑星とそこに遺された遺跡群を探索し、ループの謎、そして宇宙に隠された真実に迫っていきます……
どんなゲーム?
基本的には、宇宙に飛び立つ→目的地の惑星に向かう→惑星を探索 を繰り返し、情報を集めていくゲームです。冒険で得た知識は宇宙船内のコンソールに記録され、どんどん知識を増やしていくことが、実質的にゲームを進めることと同等の意味を持ちます。
宇宙には到達困難な場所がたくさんありますが、到達にフラグ立てによる解禁やアイテム集めが必要な場所は無く、1周目のループからでも知識や運があればあらゆる場所にたどり着けるようになっています。
ゲームの特徴として、ループの22分間の内に宇宙が変化する点があります。ループが始まったらすぐに向かわないとたどり着けない場所、逆に待たないと入れない場所、ある一瞬にだけ入れる場所など時間経過を謎解きに取り込んでいます。
ネタバレ厳禁系の作品です。検索の際は充分注意しましょう。この文章も読まずにプレイした方がいいくらいの作品ではあります。
良い点
- 壮大な宇宙を自分の足で冒険をし、自分の手で新天地を切り開く感動をたっぷりと味わえます。
- 緑で覆われた大地から熱水が吹き出す"木の炉辺"、連星の間を大量の砂が行き来する"砂時計の双子星"、中心部に鎮座するブラックホールに大地が吸い込まれていく"脆い空洞"、深く暗い海の上に多数の竜巻が乱れ舞う"巨人の大海"、星系の最も外側をゆっくりと廻る歪な暗い惑星"闇のイバラ"など冒険の舞台となる惑星はどれも特徴的で、小さな衛星や宇宙施設などもあり、ロケーションは非常に個性豊かなものになっています。
- 宇宙は全てがシームレスにつながっていて、小さな焚火から巨大な太陽まですべてが同じスケールで描かれます。特に木の炉辺(最初の星)から飛び立つとき、地面がだんだん遠くなって視界は青空から黒い宇宙になり、ふっと重力から解放された時の感動には凄まじいものがありました。
- 宇宙の壮大さをしっかり描きつつも、箱庭のように空間に無駄なく情報が詰め込まれており、無意味に広い空間を歩き回るようなことはありません。壮大さを損なわず、移動が億劫にならない絶妙なサイズ感にまとまっている印象です。
- 時間によってさまざまな場所が変化するので、一度訪れた場所にも行くと新たな発見があったりします。空間的にも時間的にもしっかりゲーム要素が詰め込まれた、かなり手の込んだマップ構成になっています。
- 到達困難な場所への行き方、そして情報の出し方が絶妙で、偶然にはたどり着けないが、しっかり情報を集めることで自然に解法が見えてくるバランスになっています。全部教えてくれるほど親切なわけでもないため、自分の手で新天地にたどり着いた感動を噛み締めることができます。特に終盤のある場所にたどり着いた時は、今後これを超える衝撃と冒険感を味わうことがあるだろうか…と思うほどでした。
- 到達困難な場所には到達のためにやや難しいアクションをこなす必要がある場所もあり、緊張感のあるゲームプレイを楽しめます。(これは悪い点にもなりえますが)
- 多くの到達困難な場所には壮大な専用BGMが用意されており、衝撃的な新情報と共に頑張って到達したプレイヤーを出迎えてくれます。
- ストーリーや設定も非常に細かいところまで作りこまれています。ストーリーの全体像が掴めたと思っても、まだ大きな情報が隠されていたりなど、深みのある構成には感心するばかりです。
悪い点
- 1回のループ内で到達チャンスが時々しかない or 行くために即死トラップを避けなくてはいけない場所が多々あり、何度も失敗するとダレてしまう可能性があります。初見殺し感が強く、3Dアクション慣れした人ならば問題ない程度の難易度ですが、苦手だと厳しそうです。
- 時間経過で行ける場所では、何もしないで待つことが要求されるシーンがあります。特にその後に即死トラップがある場合は成功するまで何度も待つことになり苦しいです。一応、待ちを楽にする手段自体は用意されています。
- 謎解きにはある程度の察し力が要求されます。人によっては全ての情報を集めても行き方がわからないこともあると思います。ネタバレを避けてヒントをくれるwebページなどもありますが、既プレイ者が身近にいるのならば直接ヒントを貰うとよいでしょう。
- 怖い場所はかなり怖いです。正直二度と行きたくない…と思うような場所もありました。ホラーゲーム的な怖いポイントもありますが、"恐怖症"的な怖いポイントも多々あります。
- 最初は何をしていいのか分かりづらいです。面白くなってきたのはプレイし始めてからしばらくして、このゲームにおける探索のスタイルを掴んでからでした。
総評
やや人を選ぶところもありますが、そろそろエンディングか?と勘違いさせるほどの衝撃的展開を自分の手で切り開いていく圧倒的冒険感は既存のゲームをはるかに凌駕していると思います。
謎解きを主軸にしたゲームは一直線になりがちですが、このゲームの提示した「最初から全ての場所に行ける」「知識を得ることが実質的にゲームを進めることになる」というスタイルは今後の作品に大きな影響を与えるだろうなぁと思っています。
宇宙にロマンを抱いたことがある人、大冒険を夢見ている人、そして今までのゲームにマンネリを感じている人にはぜひプレイしてもらいたい作品です。恐ろしく美しい宇宙はあなたを圧倒的スケールで、厳しく迎え入れてくれることでしょう。
ゲーム音楽ピックアップ
- Final Voyage
End Timeもよいですが、こっちの方が迫力があって好きです。 - Travelers
Outer Wildsを象徴するような曲ですね。 - 14.3 Billion Years
とても良いです、このゲームをプレイして心から良かったと思えました。 - Timber Hearth
木の炉辺の曲です。穏やかで温かい旋律が、緑と水の惑星感を出していてよいです。故郷って感じもしますね。 - Into the Wilds
reveal trailerに使われた曲で、メドレーになっています。某フレーズをまさかあんなところで聴くことになるとは…