【ゲームレビュー16】Left 4 Dead 2

レビュー一覧

ジャンル CoopFPS(CERO:Z)
メーカー/ブランド Valve
発売年 2009
ハード Steam,Xbox360
お気に入り度(0~10) 9
プレイ状況 フレンドとCoopアドオンマップメインで250時間以上プレイ/Steam版

 

現状Steamのゲームで一番プレイ時間が長いゲームです。

折角なのでレビューを書いておこうかなと

 

Left 4 Dead 2 とは?

store.steampowered.com

youtu.be

Valveが2009年に発売したCoop FPSです。L4D2と略されることが多いです。

いわゆるゾンビ系のFPSで、4人で協力して感染者を蹴散らしつつ、キャンペーンを完走するモードがメインとなっています。その他、生存者サイドと感染者サイドに分かれて戦う対戦モードを始め、多数のモードが収録されています。

シリーズ初代「Left 4 Dead」のキャンペーンが基本的に全て収録されており、初代のゲーム性でプレイしたいという人以外は基本的に2だけを買っておけばokです。初代はL4D2のちょうど一年ほど前の2008年に発売されており、あまりに早い続編(というより上位互換版)発表に当時は荒れたたらしいです。

ハードはSteam版とXbox360版が発売されていますが、様々な理由からSteam版一択です。Steam版はセール時に200円程度で購入できます。

PCの要求スペックが高くなく、今ではPCを持ってさえいれば性能は気にせずプレイできるといっても過言ではありません。セール中にフレンドにギフトしまくって一緒に遊ぶのがおすすめです。

 

ゲームシステム・概要

このゲームはいわゆるゾンビFPSですが、生存者側が強く、大量に襲い掛かってくる敵をバリバリ撃っていくスタイルの作品です。

本作において生存者は、メインウェポン(銃)とサブウェポン(近接武器)をそれぞれ一つずつ持てます。

基本はメインウェポンを使って進行しますが、敵に囲まれた際は近接武器が頼りになります。メインウェポンの弾丸は全武器共通、リロードの際にマガジンに残った弾は無駄にならないなど、リアルさよりも扱いやすさ重視の武器システムとなっています。
武器以外のアイテムとして、HPを回復する回復キット、投げると感染者を燃やすことができる火炎瓶、使用すると一定時間移動速度の速くなるアドレナリンをはじめ、何種類かアイテムがあり、うまく活用することでゲームを大幅に有利に進めることができます。

武器や弾丸、その他のアイテムはステージの途中で拾うことができます。そのため、本作ではアイテムを捜索しつつ進んでいくのが基本となります。

 

感染者サイドには、大量に出て来る弱い通常感染者のほかに、強力な特殊能力を持った特殊感染者がいます。特殊感染者の能力に対抗するにはプレイヤー間の協力が必須となっており、しっかりと連携を取ることが重要なゲーム性となっています。

特殊感染者の例を紹介したいと思います。

 

  • Boomer
    胆汁を吐きかけてくる丸い見た目の特殊感染者です。倒された際も大爆発を起こし、近くにいる生存者に胆汁がかかります。
    胆汁を浴びると、周りの通常感染者が一気に集まってきて攻撃をしてきます。また、浴びてしまった人の視界は非常に悪くなり、一気にピンチとなります。
    対抗するためには、胆汁を浴びていない人が通常感染者を倒してサポートする必要があります。
     
  • Charger
    遠くから一気に駆け寄って来て生存者を吹っ飛ばし、パーティから外れたところで拘束して攻撃をしてくる特殊感染者です。
    拘束してくる系の特殊感染者はChargerの他に、Smoker・Hunter・Jockeyがおり、これらの特殊感染者に一人で行動している際に捕まってしまうと、何も対抗できずに倒されてしまいます。これらの特殊感染者の存在により、個人で勝手に行動することが大きなリスクとなり、協力することが重要になります。
     
  • Spitter
    プレイヤーの足元めがけて危険な酸性液を吐きかける特殊感染者です。
    本作では、狭い場所に籠ると入り口から来る感染者だけを処理すればよいので安全なのですが、そこにSplitterがやってくると部屋全体が酸性液に覆われてしまい一気にピンチになる……という意図で追加されたと思われます。
    どのような場所で戦うべきかを考えさせるゲーム性に一役買っている感染者です。
     
  • Tank
    特殊感染者のボス的な存在です。専用BGMとともに登場し、圧倒的なHPとパワーで生存者を捻じ伏せてきます。本作は基本的には感染者に向かって行ってどんどん倒していくゲーム性ですが、Tankが居るときに限っては逃げることが重要となり、展開にメリハリをつける存在になっています。
     
  • Witch
    普段はおとなしく、すすり泣いてうろついているだけですが、近くに居続けたり、銃で撃ったり、ライトで照らしたりして刺激すると発狂し、生存者を一撃で倒してくる特殊感染者です。
    近くにWitchが居るときは、気を付けて行動する必要が生まれてくるので、こちらも展開にメリハリをつける存在となっています。
    また、ショットガンで接射することで倒せるので、通常感染者に対してはイマイチ強くないショットガン系の武器を使用する理由の一つになっています。

 

このゲームには、多数のゲームモードがありますが、基本となる3つのモード(Coop・サバイバル・対戦)について解説しようと思います。

 

  • Coop
    最も基本となるゲームモードです。4人の生存者で協力し、キャンペーンの完走を目指します。キャンペーンは初代から引き継がれたものも含めて14個収録されています。
    各キャンペーンは、2~5程度のステージで構成されています。
    基本的に各ステージは、最後にあるセーフルーム(安全地帯)に到着することでクリアとなります。
    ステージの途中には、感染者が押し寄せてくるのに耐えるラッシュイベントや、無限湧きする大量の感染者の中を駆け抜けるガントレットイベント、落ちているガソリンを集めてくるスカベンジイベントなどイベントが多数用意されています。
    各キャンペーンのラストには、特に盛り上がるイベント(フィナーレ)が用意されており、難易度の高さも相まって最高に盛り上がります。フィナーレのラストには、大量に出現するTankから逃げつつその場所を脱出するアツい展開が待っています。
     
  • サバイバル
    狭いマップで、どれだけ感染者のラッシュに耐えられるかを競うモードです。時間経過ごとに難易度はどんどん上がり、最終的にはとてつもない難易度になります。
    各ステージで最大で耐えた時間が記録されるほか、一定時間耐えきるとメダル(シルバー/ゴールド)が付くので、ゲーマーのやり込み心を刺激します。
    短い時間でL4D2の一番美味しいところを堪能できるゲームモードです。
     
  • 対戦
    Coopやサバイバルを、生存者側と感染者側に分かれて対戦としてプレイするゲームモードです。生存者側は通常のゲームモードと同じですが、感染者側は特殊感染者をプレイすることになります。
    特殊感染者は、生存者に見つからないように忍び寄り、能力を効果的に使う必要があるので、生存者側とは全く違うステルスアクション的な立ち回りを要求されます。
    ゾンビFPSを敵側サイドからプレイするという中々新鮮な体験が味わえるゲームモードです。生存者側も、人間の操作する頭のいい感染者と戦うことができるので、これまたCoopとは違った体験ができます。

 

良い点

  • アドレナリンが溢れ出すハイテンションで熱いゲーム性
     
    本作を偉大な作品にしている最大のポイントはこれだと思います。
    突然起こるラッシュイベント、大量に向かってくる感染者をどんどんなぎ倒し、特殊感染者によってピンチになった仲間の元へ急いで駆け付け、時には現れたTankから一心不乱に逃げる……
    特に、無限に続くラッシュの中を駆け抜けるガントレットイベントは最高にアツくて大好きです。
    特別難しい難易度にしなくても常に「ギリギリ感」を味わえる絶妙な難易度バランスも相まって、最高のパニック系FPSに仕上がっています。実はギリギリ感を演出するために、プレイヤーの状態によって難易度が変化するシステムが搭載されています。
     
  • 協力が必要不可欠なゲームシステム
     
    本作はプレイヤー間の協力が様々な面で重要なゲームシステムとなっています。特殊感染者に捕まった時に助けるだけでなく、崖から滑ってしまい縁に掴まっている仲間を引き上げたり、自分の回復アイテムを使ってあげたり、倒れてしまった仲間をAEDで蘇生したり等…
    ただ一緒に遊んでいるだけではなく、しっかりチームとして団結して進んでいく感を味わうことができます。
     
  • 豊富なMOD
     
    ゲーム側でMODをサポートしており、Steamワークショップから多数のMODを好きに入れて遊ぶことができます。コミュニティは今も活発で、今でも多数の新作MODが日々投稿されています。
    特に素晴らしいのはキャンペーン追加系のMODで、本編のキャンペーンの質に匹敵するような(場合によっては軽く超えているような)マップがたくさん公開されています。本編に見られないようなインパクトあるイベントやロケーションを仕込んでいるものも多く、アドオンキャンペーンに手を出せば、同じマップを何回もプレイしないとしても、軽く200時間は遊べます。
    おすすめのアドオンキャンペーンはおーばーきるさんのホームページ、もしくは以下のSteamガイドを参考にするのがよいです。

    steamcommunity.com 

  • Coopゲーとしての敷居の低さ
     
    価格がセール中は非常に安く、PCスペックも要求されない、そして高度なFPSスキルも要求されないのでとっつきが非常に良いです。
     

悪い点

  • 本編だけだとボリュームが少ない
     
    本編の全Coopモードを一度クリアするだけならあまり時間はかかりません。
    そのため、MODに抵抗がある場合ややボリューム不足に感じるかもしれません。
     
  • 詰まってしまうと1プレイが長くなりがち
     
    Coopモードでは、全滅時に直前のセーフルーム(つまりステージの最初)に戻されます。1ステージがやや長いため、難しくて詰まってしまうと1回のプレイが4時間程に達することもあります。
    難易度は常に変えられるので、難しいと思ったらその場で下げることはできます。
     
  • ゲーム性自体はシンプルなので、やや単調
     
    シンプルなゲーム性でとっつきがよく手軽に楽しめる半面、やること自体のバリエーションは多くないのでやや単調です。(その分マップのロケーションは豊富です)
    そのため、集中して短期間で全キャンペーンやる!みたいなプレイはお勧めできません。
     
  • 少人数だと味気ない
     
    4人フルで揃ったときの協力感に慣れてしまうと、1,2人でプレイしている時が味気なく感じてしまいます。まあ、これは仕方ないですね。
     
  • やり込み・収集要素には乏しい
     
    サバイバルモードのメダルなど一部のプレイ記録は残りますが、特にゲームをプレイすることで解禁される要素はないです。ゲームそれ自体を楽しさがモチベーションにならない場合は厳しいでしょう。
     

総評

手軽に遊べて熱いハイテンションなCoopFPSです。一度迫りくる感染者の波を蹂躙する爽快感を味わってしまえば癖になること間違いなしだと思います。
入手・プレイ環境の整備が非常に楽で、有名タイトルで持っている人も多いため複数人で遊ぶ環境を整えやすいです。
本編だけだと少しボリューム不足ですが、多数存在する高品質なMODの数々がそれを補っています。
セール中なら買っておいて絶対損はしない作品だと思います。

 

ゲーム音楽ピックアップ

本作も音楽重視の作品ではないので特に印象深い曲はないです。
プレイ中にTank登場時の曲をボイスチャットで流すのは本気で勘違いするのでやめてほしいです。