【ゲームレビュー46】HellSinker.

レビュー一覧

ジャンル 縦スクロールSTG
メーカー/ブランド RUMINANT'S WHIMPER
発売年 2007
ハード Win(パッケージ,Booth,Steam)
お気に入り度(0~10) 10+
プレイ状況 minogame&deadliar Lv.3クリア+EXクリア/パッケージ版

 

全てのゲームを見渡しても、本作程に生命を感じさせない作品に出合ったことはありません。徹底的に暗く、無機質で、理から外れた異界にいるようなビジュアルに楽曲…… ステージ間に挿入される難解なテキスト、やたら複雑な操作に熾烈な敵の攻撃、世界観によって浸食された読解困難なマニュアル……
 

この作品を最初に私がプレイしたのは2014年、当時の私はCAVEの弾幕STGの過激な真ボスに魅せられのがきっかけで、STGがマイブームになっていました。当時は商業STGを満足にプレイできる環境も持っていなかったので、フリーゲームSTGを片っ端からDLして色々触っていました。

その時に出会ったフリーゲームSTGに「らじおぞんで」という作品がありました。これは「HellSinker.」の前作に当たる作品です。「らじおぞんで」は尖りっぷりが凄まじい作品で、結構プレイしたのにどう遊べばいいかが全く分からない難解な作品でした。正直今遊んでも楽しめるレベルまで到達できる自信は全くありません。

そんな訳で「らじおぞんで」を放り投げた私は続編の「HellSinker.」に目をつけ、体験版を遊んでみることにしました。結論を言ってしまうと、この作品もかなり難解なせいで放り投げました。特に2面のボスの倒し方が全く分からなかったんですね。

1年ほど経ち、「HellSinker.」の楽曲の良さに魅せられた私は再挑戦。web上の攻略情報をフルに活用して何とか基本操作を把握しました。2面ボスを乗り超え、4面ボスに到達。この4面ボスが本当に面白く、凄まじい弾幕を無敵を駆使してギリギリで乗り越えていく緊張感と一気に攻撃を叩き込む爽快感の虜になりました。4面ボスを何とか倒し、体験版の範囲をクリアした私は製品版を求め旅立つのでした……
 
本作は、インディーゲームという言葉が一般的になる以前の2007年の作品で、日本の同人ゲーム文化の中で誕生した作品です。

今でこそSteam版が存在しますが、当時は本作のSteam版は存在していません。そもそも、2015年頃のSteamはインディーゲームプラットフォーム化する前で、日本のゲーム会社が少しずつ進出し始めていたくらいの時期です。

ではどのように入手するのか? 当時、同人ゲームは基本的にコミケで入手するか、一部ショップで委託販売されているのを購入するかの2択でした。

幸運にも、様々な同人STGをインターネット上で委託販売しているショップ(ななぽストア)が存在したので、こちらで購入しました。当時の私にとってゲームと言うのは家電量販店かブックオフで購入し、ゲーム機で遊ぶものだったので、マイナーでアングラな同人ゲームをわざわざ遠くから仕入れているというだけでワクワクが止まらなかったのを覚えています。そして、到着したものを見て衝撃を受けました。
 

はい、紙ジャケットです。紙ジャケットなのはいいんですが、ゲームの紹介が一切書かれていないのが衝撃だったんですね。パッケージの裏と言うのはゲームのスクショや売り文句が書かれている物という固定観念があったので……

このパッケージは一応動作要件が書いてあるから何らかのソフトウェアなんだな、と言うことは分かりますが、それ以外の情報が皆無です。ここまで情報が無いのは、同人ゲームだとしても珍しいと思います。このパッケージで店頭委託販売も行われていたみたいで、秋葉原三月兎でも見たことがあったのですが、本作をジャケ買いした人は果たして存在したのでしょうか……

ちなみに、ディスクは薄くタイトルが書いてあるものの基本的に真っ黒で単体では何のROMなのか殆ど分からなくなっています。

こんな一見すると売る気がない仕様になっているのにもしっかり意味があると私は考えています。それに関しては後述したいと思います。
 
とりあえず話を戻しますと、念願の製品版を入手した私は体験版範囲外の5面以降への挑戦を始めました。そこからはもう凄かったです。狂ったようにプレイし続け、クリアまで一直線でした。難所を何度も練習し、難しいラストもひたすら挑戦して乗り越えました。間違いなく今までのゲーム体験の中でも至高のものでした。クリアしてしまった後の喪失感は凄まじく、記憶を消して再プレイしたいと本気で思っていました。そこからは1年位ずっと本作の事を考えていました。
 
さて、2017年、本作を制作したサークルのオンリーイベントが川崎で開催されました。そもそも同人サークルのオンリーイベントが開催されること自体が凄いです。本作や「らじおぞんで」がカルト的人気を誇っている証拠だと思います。

まだ本作の感動が忘れられていなかった私は、これは行かなくては!!と思い、初めてイベントというものに行ってみることにしました。ちなみにその日は高校の文化祭だったのですが、理由を付けて午前中休みました。その時買ったアレンジCDなどは、今でも大事に保管してあります。

 
その後にあった話だと、シューターの知人に本作を押し付けてみたり、Steam版が出たらギフトしてみたり……とにかく本作が好きすぎて布教活動を行い続けていました。

それから、本作のプレイ後はインディーゲームをたくさん遊ぶようになったんですね。インディーゲームには第2のHellSinker.が眠っているかも!!と期待していたからです。「UNDERTALE」と割と早い時期に出会えたのも本作のおかげですね。
 
そろそろ語りは終わりにしてちゃんと紹介していきたいと思います。

HellSinker. とは?

store.steampowered.com

youtu.be
同人サークル RUMINANT'S WHIMPER が2007年に頒布した縦スクロールシューティングゲームです。基本的にとんのる丸氏1人で開発が行われているようです。

従来のパッケージ版の他、現在(2023/03/16)では BoothとSteamでDL版が入手できます。DL版にはパッケージ版には存在しなかったチュートリアルの追加が行われているようです。他にも細かい調整などが行われているみたいなので、購入するのはSteam版がおすすめです。

ストーリー

栄華の内にあった文明を支え、その深部に根を張っていた基幹システムは崩壊し、世界は分断された。

GRAVEYARD
長きに渡り数々の遺物を検分し、その処遇、行く末に大きく関与してきた集団。
所属する者それぞれに、かつて何らかの遺物に関した因縁がある。
EXECUTOR
因縁の只中にあり、それを断ち切る執念の中にのみ生きる検分者。
「行くべきものが行くべき場所へと行く」 為に存在する遺言執行者。

絶える事のない、引き裂かれた過去の残響。
執念は灯火となり、薄闇を裂いて終着点を求める。

そしてまた一つ、彼らの因縁と結ばれた遺物が、地上に姿を現したーー

 

――Steam版ストアページより引用

 

概要・ゲームシステム

本作を簡潔に表すなら「異質で難解」です。とにかく理解が難しく、公式マニュアルも読解が困難なので外部の解説等を見なければ理解は難しいでしょう。ただ、難しいゲームシステムを理解することもこのゲームの楽しみの一つなのかも……?と考えることも出来るので、まずは何も知らない状態で挑んでみてもいいかもしれません。

まず、ゲームジャンルとしては縦スクロールシューティングなのですが、一般的な縦シューの常識が通用しない複雑なシステムになっています。まず、本作ではプレイヤーキャラクターが実質7体いるのですが、その装備や性能、操作方法があまりに異なりすぎていて、選んだキャラクターによって実質別のゲームと化します。
7体いるキャラクターのうち、一番クリアが簡単といわれているのが蓑亀です。蓑亀を使った際の操作方法や攻略に関しては、下のサイトを見るのが良いと思います。私も攻略の際に以下のサイトにはお世話になりました。

hsmanual.web.fc2.com

ここでは本作の異質で変態的なシステムについて、掻い摘んで挙げていこうと思います。自分でゲームシステムを理解する喜びを奪ってしまうかもしれないので、閲覧注意です。
 

  • 大量の残機
    本作は普通のSTGでは考えられないくらい残機が増えます。一方で、敵の攻撃が熾烈なのでかなりミスすることになります。残機の最大所持数が5~7と限られていることもあり、難所でがっつりと減った残機を次の難所までに回復させるような進行が主となります。
     
  • SOL と LUNA と SUBWEAPON ゲージ
    本作の一番目立つゲージです。SOLはボム発動、LUNAはメインショットに消費されます。ただし、キャラによって性能があまりに異なるため、キャラによってはLUNAを気にすることはほぼ無いです。SOLの回復速度は速いので、本作はSTGの中ではトップクラスにボム打ち放題の類です。
    SUBWEAPONゲージは、その名の通りサブウェポンに消費されます。たいていのキャラで重要になるイメージ。
     
  • STELLAゲージ
    所謂ランクです。初見でこのゲージがランクだと気が付けた人はいるのでしょうか…
    ちなみにランクを上下させる赤と緑のアイテムがあるのですが、何と赤がランク下降で、緑が上昇です。ふつう逆では??
    なお、ミス時にプレイヤーが丸いアイテムをばらまくのですが、これはパワーアップではなく、ランク上昇アイテムです。
     
  • TELLAゲージと決別の霊廟
    ミス等の要因で減っていき、0になると次のステージとの間にボーナスステージ「決別の霊廟」が挿入されます。決別の霊廟はうまくやれば残機をほぼMAXまで回復させることができるので、難関の6面の後に出現させるのがセオリーです。
    そのため、序盤にミスしすぎると早めに出てしまい、後々きつくなるので序盤の安定感も重要になってきます。
     
  • サプレッションレディアス
    各キャラ発動するための条件は異なりますが、「サプレッションレディアス」というフィールドを張り、プレイヤー周辺の敵弾を遅くするシステムが搭載されています。フィールドを当て続けると、弾は消滅します。
    これを活用して弾幕の形を崩し、隙間を作って抜けるシーンが多いです。また、丸くて小さい弾はすぐ消えるのに対し、細長い弾は殆ど遅くならなず消えないという差があるので、弾幕がどの弾で構成されているのかを考えて行動する必要もあります。
     
  • 3種類のスコア
    本作には3種類のスコアが用意されており、どれを稼ぐかによって考えることも大きく変わってくるようです。
    1つめは SPIRIT で、これは割と一般的なスコアです。何をすれば稼げるのか、ゲームの隅々まで理解し尽くす必要があります。
    2つめは KILL で、敵を倒した数です。早回しを頑張ったり、連鎖的に壊れてしまう敵をあえて別々に壊したり……割と取っつきやすいスコアです。
    3つめは TOKENで、アイテムの総獲得数です。たくさん得られる箇所を狙って稼いでいく必要がありそうです。
     
  • BEHIND と LEAD
    本作は3面までは全く異なるステージが2つ用意されていて、好きな方を挑んでプレイしていくシステムになっています。(ただし、4面クリアまではBEHINDのみ)
    序盤面は何度もプレイすることになり飽きがちなのをうまくカバーしています。
     
  • 敵のパーツと形態変化
    本作の敵は複数のパーツで構成されているものが多いです。部分的に破壊すると、攻撃パターンが変わる敵もいます。
    ボスは10を超える大量のパーツから構成されている場合が多く、メインパーツ以外を壊すと形態変化をするものも結構います。形態変化後に新たにパーツが増え、破壊するとさらに形態変化するボスも。大抵は形態変化するごとに攻撃が熾烈になっていきますが、その分スコアが稼げます。一部ボスに関しては1UPをくれるなどの特典も。
    メインパーツを壊せばボス戦が終わるので、クリアを目標にしている時は如何に形態変化をさせずにメインパーツに攻撃を当てるかという戦略性が問われます。
     

本作はゲームシステムも十分に変なのですが、システム以外の面も尖っている箇所が多いです。その辺を箇条書きにしていきたいと思います。

 

  • メニュー画面
    本作の初心者が必ず詰まる点なのですが、本作のメニュー画面はキャラクター選択画面を兼ねています。縦に選択項目が並んでいて、上下キーで選べるところまでは普通です。この画面で左右キーを押すと、メニュー画面下部に書かれているキャラクターの名前が切り替わります。これに気が付かないと、初心者には難しい DeadLiar で永遠と遊ばされることになります。
    また、現在までの最高到達点によってメニュー画面のデザインと楽曲が変化します。何度も繰り返しゲームオーバーになりつつ進んでいくSTGにおいては、「進んでいる感」を与えてくれる励みになるご褒美ですね。
     
  • ステージ間・ステージ内のテキスト
    後半のステージ間には、ストーリーの進行状況を主人公目線で語るシーンが挿入されます。世界観に漬かりまくった独自用語と独自概念が多すぎる硬いテキストなので、詳細な部分に関しては理解困難ですが、大まかな意味はつかめるようになっています。テキスト中に出てきた名前がゲーム中で戦うボスだったり、ゲーム中の演出で登場する構造物だったりするので、ゲームの世界観を補強し、説得力あるものにする効果を十分に果たしています。
    一部のキャラを選択したとき、ステージ中に会話テキストが挿入されることがあります。読んでいる暇はありませんが、リプレイ鑑賞時などにゆっくりと読んでみるのも良いと思います。
     
  • マニュアル
    マニュアルのPDFが付属しているのですが、マニュアルも世界観に漬かりまくっていて理解は困難です。以下はマニュアルから引用した、EXECUTOR(プレイヤー側勢力)とPLAYER(敵側勢力)の説明の部分です。

    STGの基本的なシステムである「残機制」にも世界観的説明がついているのは中々珍しいのではないでしょうか。他にも「弾」とは何か?など色々とシステムに世界観的説明が付いています。そのため、マニュアルは世界観を掴むまでは難解です。
     

良かった点

  • 硬派で暗く複雑難解な世界観と、卓越した世界観表現
     
    本作の一番すごい点その1です。今までの説明で、本作が世界観を非常に大事にしていることは伝わったかと思います。複雑で難解な世界観と設定をひたすら細かいところまで作り上げ、徹底的にダークで無機質な雰囲気でコーティングされたゲーム中でその世界観をチラ見せすることで、ミステリアスで知的好奇心を刺激する魅力的な世界を構築しています。
    STG部分と絡めて世界観を演出する仕掛けの数々も素晴らしく、文章中で登場した謎固有名詞がボスとして登場したり、一見関連の無さそうなゲーム中の2つのシーンが後に関係していることが分かったり……
    難解で意味不明な世界が、攻略を進めるにあたって少しずつ見渡せるようになっていく喜びは、他のSTGでは味わうことができない独特のものになっています。
     
  • メリハリの効いたハイテンションなゲームプレイ
     
    本作の一番すごい点その2です。本作のダークな世界観とは裏腹に、アドレナリン出まくりのハイテンションなゲーム性となっています。
    熾烈な難易度を大量に増える残機と沢山撃てるボム、強力なサブウェポンで乗り越えていく基本システムがよく出来ていて、ミスがそこまで痛手にならないためストレスが少なく、どこでどの兵装を使うのか、敵のどの部位を積極的に狙うのか等、攻略を考えることが非常に有効に働きます。
    また、低難易度のシーンでは頑張って残機を集め、高難易度のシーンを最小の被害で乗り越えるように頑張って耐えるメリハリの効いたゲームプレイとなっています。単純にゲーム性部分だけ見た場合でも、今まで遊んだ全てのSTGの中でトップクラスに面白い作品でした。
     
  • 優れた視覚・聴覚的演出
     
    本作の一番凄い点その3です。本作はゲーム中の演出にもかなり力が入っています。特に音楽はゲームの展開とピッタリと合うように設計されていて、道中だけではなくボス戦などでも敵の登場・攻撃パターンに合わせて曲が流れます。また、処理落ちが掛かってゲームの進行が遅れた場合、音楽側をゲームに合わせるように調整する仕様が組み込まれています。このことからも、音とゲーム進行の融合に関しては拘りを持って開発されたことが分かります。
    視覚的演出に関しても凝っていて、後半にはアツく格好良い演出をどんどん投入してきます。特に、ラストの演出はSTG界を見渡してもトップクラスの格好良さに仕上がっていると思います。
    総合的に見て、黄金期のTAITOに匹敵するほどの演出重視な作品に仕上がっていると思います。( それでいてゲーム性も優れているのが本作の凄い点ですね )
     
  • 攻略の過程を考慮した設計
     
    個人的には中々衝撃的だった点です。
    ここからは完全に個人の感想ですが、アーケード発祥のSTGは、長年プレイヤーの「攻略過程」にあまり注目してこなかった印象があります。初心者プレイヤーと上級者と言った区分は(難易度選択などで)考慮されていることが多いですが、初級者が上級者になるための過程の部分に着目したシステムを導入している作品は少ないと思います。
    まず、本作には難易度選択が存在しません。更に、コンティニューも1回までと厳しく制限されています。それではSTG初心者を完全に切り捨てているのでは?と思われるかもしれませんが、そうではありません。本作においては、特異なシステムにより他のゲームでの経験が通用しない + 攻略を考えることが非常に有効なゲームシステムの組み合わせによって、プレイヤーがそれまでのSTG経験や腕前に因らず大体同じような攻略過程を辿ることになります。そのため、本作はSTG初心者から上級者まで、幅広い実力層の人が上質な「攻略体験」を得られるようになっています。
    そして、その「攻略体験」を上質なものにするための色々な工夫が本作には仕込まれています。分かりやすい具体例は、最高到達点が伸びるたびにいろいろな要素が順次解禁されていく点でしょう。まず、4面をクリアした時点で1~3面の裏面が選択可能になり、新機体が使用可能になります。また、最終面初到達時にも解禁要素があります。解禁要素以外にも、進行に合わせてタイトル画面のデザインと音楽がだんだん緊迫感あるものに変化していく要素があります。
    こういった要素と、少しずつ霧が晴れるように世界観への理解が進んでいくこと、後半面の演出がどんどん派手になっていくこと等、様々な点が絶妙に絡み合い、クリアするまでの攻略過程が興奮と感動に満ち溢れ、先の見たさについ遊び続けてしまう、圧倒的に面白い作品に仕上がっています。
     
  • やり込みにも充分対応
     
    クリアまでが非常に面白い作品ですが、クリア後のやり込みにも十二分に耐えうる奥の深いゲーム性を備えています。
    単純にクリア埋めだけをするにしても、7体いる自機の性能が全く異なり、異なるパターンを要求されるので本作の上質な攻略体験を何回も楽しめます。
    スコアに目を向けると、3種類のスコアはどれを狙うかによって全く考えることが変わるためこちらも楽しめると思います。(私はスコア詰めはしていませんが…)
     
  • ハイクオリティなサウンドトラック
     
    本作のBGMは曲数が非常に多いにもかかわらず、そのどれもがハイクオリティなものになっています。ダウナー系の曲調でありながら、壮大で荘厳、でもしっかりと戦闘曲でアツいサウンドは本作以外で似たものがなく唯一無二です。( むしろ似た系統の曲を揃えた作品がありましたら教えて欲しいです )
    購入時はぜひサントラも一緒にどうぞ。
     

気になった点

  • とっつきが悪い
     
    これしかない気がします。難解なゲームシステムを理解するのも楽しみの1つとして開発されているのだと私は予想しています。
    ただし、演出が地味で、世界観に関する情報も少ない序盤を、理解できないゲームシステムで何度もプレイするのは少し苦痛なのも事実で、力尽きてプレイを辞めてしまう人が多くいるのも納得がいきます。
    本作をプレイする前はある程度の覚悟を持って始め、よくわからないと思ったらネット上の情報をフル活用してゲームシステムを覚えるのをお勧めします。
     

総評

理解さえできれば最高に面白いSTGです。世界観や音楽・演出など、ゲーム性以外の部分の完成度も非常に高く、個人的には今まで出会ったあらゆるゲームの中でもトップクラスに好きな作品です。記憶を消して再プレイしたい……

システムが難解なのは確かなのですが、一方でプレイ感覚が一般的なSTGとかけ離れているため、STG初心者でも理解さえできれば100%楽しめるようになっています。そのため、頑張って理解する覚悟さえあれば、誰にでもお勧めできます。

今ではSteamで容易に入手可能になったので、興味を持った方は是非プレイしてみてください。

 

ゲーム音楽ピックアップ

store.steampowered.com

  1.  Segment 1,2 Boss
    序盤のボス曲。サビが良。
     
  2. Segment 3 LEAD
    鉛色にくすんだ青空のようなイメージの曲。本作では一番爽やかな曲かも?
     
  3. Segment 4
    静かなイメージの曲なのに、どんどん盛り上がっていくのが凄い。ステージの展開とも完全にマッチングしていて好きです。
     
  4. RUSTED DRAGON (Segment 4 Boss)
    みんな大好き4ボスの曲。心臓の音(?)の刻むリズムが心地よい。ボスの攻撃と曲展開が完全に一致しているのは必見です。
     
  5. Shrine of Farewell
    ボーナスステージ「決別の霊廟」の曲。本作の中でも特に異質な雰囲気を放っている曲。大好きです。
     
  6. PERPETUAL CALENDAR SOL Side (Segment 5 Boss)
    本作で一番不気味なボスの曲。イントロが演出する狂気が最高です。
     
  7. Segment 6
    静かな前半と、一気に疾走する後半のメリハリが素晴らしい。6面後半突入演出で痺れない人はいないはず。あのインパクト絶大な6ボスに繋がるのも素敵。
     
  8. APOSTLE OF THE SEED (Segment 6)
    みんな大好き6面ボスの曲。らじおぞんでのボス曲のアレンジです。

  9. Segment 7
    ステージ曲とボス曲が繋がっています。ボス前のリズミカルに出てくる敵が好き。曲とステージの長さが完全に一致するようになっています。
     
  10. 孵化プロセス
    本作で一番緊張する某シーンの曲。後半にかけて緊張が高まるのと同時に曲も盛り上げてくるのが卑怯すぎます。
     
  11. An embryo in the abyss ~ LOST PROPERTY 771
    ラストの曲です。駆け抜ける疾走感に、凄まじい演出。
    「忘れ物をお探しですか?」
     
  12.  The Way of All Flesh
    Ex2の曲です。本編の曲のメドレーになっています。ボスが出て来るのと同時に曲調が変わるのが好き。