【ゲームレビュー80】POOLS

レビュー一覧

ジャンル ウォーキングシミュレーター
メーカー/ブランド Tensori
発売年 2024
ハード Steam(Win)
お気に入り度(0~10) 7+
プレイ状況 Ending到達 / Steam版

 
Backroomsという概念が登場してから数年。

一枚の写真にSCP的なホラー創作が加わった「Backrooms」はインターネットを代表する一大コンテンツに成長し、Steamでも多数のBackroomsを題材とした作品がリリースされるようになりました。

ja.wikipedia.org本作はそういった流れの中にある作品ですが、他の作品とは違った特徴で話題になりました。では、ネタバレを避けて紹介していきたいと思います。 
 

 

紹介・レビュー

インディーゲーム開発者(チーム?) Tensori が開発・販売しているウォーキングシミュレーターです。ウォーキングシミュレーターとは、3D空間を歩き回ること自体を楽しむことを核に置いたゲームジャンルの事です。

先述した通り、本作はBackroomsのミームを元にした作品です。本作で題材となっている屋内のプールも、Backroomsの有名なレベル(階層)のひとつです。

 

Backroomsを題材としたゲームは最近はかなりの数リリースされています。中でも有名なものだと、Inside the BackroomsEscape the Backrooms が挙げられるでしょう。

これらのBackroomsゲームは、アイテム探し要素や謎解き、エンティティ(敵)から逃げる要素などがありました。しかし、本作「POOLS」には一切そういった要素がありません。
 

「一切、謎解きや敵から逃げる要素が無い。」

一見すると欠点にも思えるこの点こそ、本作の最大の特徴であり、本作を他のBackroomsゲームから一線を画す作品たらしめている点です。

結論から言ってしまうと、本作「POOLS」はLiminal Spaceの魅力を最大限に引き出すため、このような仕様にしているのだと思います。

 

これを理解するには、Liminal Spaceに関する知識が必要です。Liminal SpaceはBackroomsと同時期に確立された概念です。

Liminal Spaceとは、不自然に人がいない、実用感が無い、単調に同じ風景が続くなどの特徴がある空間の事で、不気味さ、空虚感、超現実感などを感じさせる点が特徴です。今ではインターネット上で広く使われる用語になり、SNS上にはLiminal Spaceを感じさせる写真を投稿するアカウントが存在するなど、愛好者を多く抱えるコンテンツになっています。

一方でBackroomsはLiminal Spaceの持つ魅力をベースにはしていますが、SCP的なSFホラー創作が多数盛り込む点が大きく異なります。「Backrooms」という世界が存在し、その世界は多くの階層(レベル)に分かれているという設定の上で、各ユーザがオリジナルの階層を創作しています。

階層で起こるイベントや、徘徊するエンティティ(敵)、生き残るために注意すべき点などの設定を付けて一つの作品として仕上げ、作品は各言語圏で作成されているBackrooms wikiにアップロードされます。

そして、コミュニティ全体で「Backrooms」という一つの世界を作り上げています。
 

Backroomsはwiki上で行われているテキストベースの創作なので、エンティティの存在は想像力を働かせ、世界をより超現実的・魅力的にする効果をもたらしています。

Inside the BackroomsEscape the Backroomsで導入されている、敵から逃げる要素はBackroomsミームを比較的忠実に再現したものなので、違和感なく受け入れられていました。また、敵から逃げ隠れしつつ謎解きを進めていくゲームシステムも、ホラーゲームでは一般的なので、こちらも違和感なく受け入れられていました。

私もこれらの作品を楽しく遊ばせていただきました。
 

両作ともゲームとしての完成度は高く、舞台となる3D空間の雰囲気はよくできています。しかし、振り返ってみるとLiminal Space的魅力はあまり感じなかったなぁというのが正直な感想です。

私は、謎解きや敵の存在が、舞台となっている空間を否応にも「ゲームの世界」にしてしまうのが最大の理由ではないかと考察しています。
 

まず、謎解きに関しては分かりやすいですね。謎解き要素を入れると、Liminal Spaceの魅力である、空間の持つ不自然さ、無意味さが失われてしまいます。

配置されている各オブジェクトが「謎解きゲームのためのもの」という意味付けを与えられてしまうと、それ以上の深みを失ってしまいます。その物体の置かれている背景・背後にある深淵に想像を働かせ、その途方も無さに恐怖する体験が得られなくなってしまうわけですね。
 

また、敵に関しても「襲ってくる」という点がLiminal Spaceの魅力を削いでしまっていると思います。Liminal Spaceの持つ魅力は、空間の持つ不気味さが引き起こす微かな不安感・将来起こるかもしれない危険に対する警戒心です。一方で、敵が襲ってくる恐怖は大きく、即時的なものです。そのため、敵が襲ってくる環境下においては、Liminal Spaceの与えてくる不安感は小さく、取るに足らないものになってしまいます。

敵対存在の要素は、テキストベースで行われるBackroomsの創作においては、実際に読者が襲われることが無いため、良いフレーバーとなっていましたが、ゲーム化にあたってはむしろ魅力を削いでいる側面も大きいと私は考えています。

 

「POOLS」の話に戻りましょう。

「POOLS」では、謎解きと敵を一切排除し、ただ歩くだけのシンプルなウォーキングシミュレーターになっています。この2点を開発側も強調しているので、上で述べたような従来のBackroomsゲームに対する問題意識があり、その上で開発されたのだと私は考察しています。

 

本作は、起動すると以下のようなステージ選択画面に移ります。VHSの映像を順番に見ていくという設定で、最初は #1 しか選択できませんが、クリアすると次のステージが選べるようになります。

VHSの6つの映像を見ていくという設定

 

ステージを選択すると、プールの世界に放り出されます。後は宛も無くプールの世界を彷徨うだけです。

#1 の最初のシーン。どうやら上から降りて来たらしい

 

水の表現は非常に綺麗です 歩く時の音もすごくリアル

 

光の表現もすごく綺麗で、タイルの光の反射も良く出来ています

 

#1 の巨大な穴

 

ヒルの人形 動いたりはしませんが、不気味です

 

ウォータースライダーは滑ることができます

 

全編通してプールでありながら、多様な風景が広がっています

 

元祖Backroomsっぽい場所も

 

開発者はプールがあれば何でもいいと思っているかも

 
各ステージには終点が設定されており、そこに到達するとステージクリアとなります。 

全編を通し、ビジュアルとサウンドの作る世界表現に全力が尽くされており、不気味で神秘的なLiminal Spaceの魅力を存分に味わうことができます。

一方で、全編を通してただ歩くだけのゲームなので大きなイベントもありません。そのため、通しでプレイするとやや単調に感じるかも。1日1ステージのように細かく分けてプレイするのがおすすめです。

収集要素なども特にありませんが、ステージの各所には恐ろしい音が聞こえてくる場所などが用意されており、それらは実績にもなっています。

 

POOLS を遊ぶには?

store.steampowered.com 

tensori.itch.io

現在(2024/05/19)、Steam/itch.ioでwindows版のみが販売されています。

価格は1250円です。

Demo版も配信されているので、気になった方はお試しで遊んでみるのもいいかもしれません。

 

まとめ

Liminal Spaceの深淵を覗く不安で超現実的な魅力を満喫できる作品です。

サウンド・ビジュアルの双方で世界観の作り込みが徹底され、究極の雰囲気ゲーと呼べる完成度に達していると思います。

ゲームプレイ自体は単調であり、ゲームとして面白いかと言われると否ではありますが、Liminal Spaceの魅力を引き出すための必用な犠牲と考えれば仕方ないとも考えられると思います。

既存のBackroomsゲームの雰囲気に多少の不満を感じていた方、Liminal Spaceが好きな方は是非プレイしてみてはいかがでしょうか。
 

ゲーム音楽ピックアップ

BGMが流れないタイプの作品です

 

 
 

【ゲームレビュー79】Momodora: 月下のレクイエム

レビュー一覧

ジャンル メトロイドヴァニア+ソウルライク
メーカー/ブランド 開発: Bombservice / 販売: Playism, Dangen Entertainment
発売年 2016
ハード Steam(Win,Linux,mac), Switch, PS4, XboxOne
お気に入り度(0~10) 7+
プレイ状況 Trueエンド到達(Normal) / Steam版

 
私は2017年時点で購入していた作品です。
当時はソウルライクな戦闘に慣れておらず、メトロイドヴァニアというジャンルの事も理解していなかったため、どう遊べばいいのか分からず放り投げてしまいました。

折角のゴールデンウィークなので、軽く遊べるゲームを探そうと思い、本作が目についたので改めてちゃんと遊んでみた次第です。

ちなみに、シリーズ作品は3だけ遊んだことがありました。(昔すぎてあまり覚えていないですが……)

 

 

紹介・レビュー

rdein氏率いるブラジルのインディーゲームディベロッパーBombServiceによって開発されているアクションゲームシリーズMomodoraシリーズの4作目です。

プレイ時間は5時間程。

 

Momodoraはシリーズを通して、美麗なタッチのドット絵グラフィックが特徴となっています。
4作目となる本作は、神秘的で退廃的な雰囲気はそのままに、キャラクターの等身が上がり、全体的にグラフィックが緻密になりました。

神秘的な雰囲気が最高です

本作のゲームシステムは、一般的なメトロイドヴァニアをベースにしています。
全体が繋がっているマップを探索し、新能力を解禁したり、アイテムを集めて行ける範囲を広げていきます。
 

物語は、女王が治めていた街「カルスト」から溢れる闇の力から自分の村を守るため、村の司祭カホが街へ向かうところから始まります。

街の近くまでやってきたところから始まります

街にはたくさんのキャラクターがいて、彼らとのやりとりも攻略の鍵となります。

会話は世界観が溢れ出すハイコンテクストなもの。そのため、ストーリーの微細は最後までよく分かりませんでした。ただ、神秘的な世界観を味わうにはちょうどいい塩梅の「分からなさ」になっていると思います。

カホはルンの村の司祭らしいが、村がどんな状況なのかは謎のまま
詳しく語らないことで世界観の深みを演出しています

街にいるのは友好的な人々ばかりではありません。カホを敵とみなして攻撃してくる人々や、人ではないモノまで。多数のボス戦が待ち受けています。

ボス戦の頻度はメトロイドヴァニア系の中でもかなり高め

戦闘面に言及しましょう。

本作の戦闘は、超高威力の攻撃をしっかりと見切って避け、その隙に攻撃を叩き込む作風になっています。いわゆるソウルライクというやつですね。

ソウルライクは高難易度と思われがちです。本作も確かに高難易度ですが、強烈に難しいシーンはないです。そのため、序盤が普通に遊べたならば最後まで難なくクリアできるバランスに仕上がっていると思います。難易度が選べるので、自分に合った難易度を探してみましょう。個人的には、難しすぎず簡単すぎないバランスでとても楽しかったです。

 

敵への攻撃は、殴り主体の近接アクションと弓を撃つ遠距離アクションの2種類。

近接は3連のコンボ攻撃になっており、3撃目が威力が高いです。如何にして3撃目を叩き込むかが攻略の鍵です。途中でキャンセルもできます。

弓は連射が効きます。高威力の溜め撃ちも出来ます。溜めながら攻撃を避け、隙が来たら溜め撃ちを当て、連射で追撃するのが強いです。

攻撃時のヒット音とヒットストップ演出が良く出来ていて、戦闘の爽快感は非常に高いものとなっています。

本作程にヒット時の爽快感のある弓はゲーム界を見渡してもほぼ無いでしょう

移動アクションは、ジャンプの他にローリングがあります。無敵時間が付いているので、回避アクションとして使えます。正面からの攻撃を受け付けない敵には、ローリングで背後に回りましょう。

 

他には、セットして使う「スキル」のシステムが用意されています。

ボタンを押して発動する使用スキルと、セットしているだけで効果があるパッシブスキルの2種類があります。ちょっとだけ具体例を紹介しておきます。

使用スキルで一番よく使ったのはHP回復スキルでした。使用回数制限はありますが、セーブポイントに着くと、残り使用回数が最大に戻ります。

パッシブスキルで便利だったのは、隠し要素が近くにある事を教えてくれるスキルです。何の成果も得られずにマップを彷徨うのはメトロイドヴァニアあるあるですが、これを軽減してくれるので非常に快適でした。

 

スキルは基本的に購入で増やしていきます。これは店によって販売内容が違います。
また、ボスをノーダメージ撃破をしても入手できます。こちらは各ボスに固有のスキルが入手できます。コンプリートを狙ってみるのも面白いですね。

店探しも探索のひとつの楽しみです

最後に気になった点をいくつか。

まず1点目として、本作はメトロイドヴァニアとしては探索要素がやや弱めです。
ほとんどの隠し要素は、壁の中にアイテムが隠されているような小規模なもので、大規模なマップがまるまる隠されていることはありません。また、隠し要素がありそう!と思わせる思わせぶりな配置ではなく、ノーヒントで理不尽に感じるような隠し場所もあります。隠し要素が近くにある事を教えてくれるスキルを使うことが前提なのかもしれませんが……
また、アクションが増えることによって新エリアに行ける要素も少なめで、行動範囲が広がる強化は2つしかありません。
 

2点目として、ラストの盛り上がりに欠けます。
ラストダンジョンは、雰囲気が今まで探索してきた街と大差なく、登場する敵も既存のものなので特別感がありません。また、ラスボスも心理的に盛り上がっていないところで登場するので、やや拍子抜けでした。Trueエンドを見るための条件も、思わせぶりな台詞が用意されている割に大した内容ではないのが残念です。

終盤については消化不良な気持ちになる人は多いと思うので、続編と併せてプレイするのがいいでしょう。

 

Momodora: 月下のレクイエム を遊ぶには?

store.steampowered.com

store-jp.nintendo.com 

本作は2016年発売と、インディーゲームの中では比較的早い時期の作品ですが、しっかりと多機種展開されています。

Steam版はWindowsだけでなく、LinuxmacOSも対応。
Switch, PS4, XboxOneなどの家庭用機種でも遊ぶことができます。
コントローラー操作が向いている作品なので、好きな機種で遊ぶのが良いでしょう。

定価は概ね1000円程。セール時には最大で80%OFFになることもあるようなので、待ってみるのも良いかもしれません。
 

シリーズの他作品も軽く紹介しておきます。
1,2はitch.ioで無料でプレイできます。(日本語無し)

rdein.itch.io

rdein.itch.io
3はSteam/ itch.ioで販売中。(日本語無し)

store.steampowered.com本作「月下のレクイエム」と、5作目の「月影のエンドロール」はSteamで販売中です。
こちらはどちらも日本語対応。

store.steampowered.comMomodoraシリーズではありませんが、同じBombserviceが開発したメトロイドヴァニアとして「ミノリア」があり、こちらもSteamで配信中です。

store.steampowered.com 

まとめ

神秘的な世界観と美麗なビジュアルに引き込まれるメトロイドヴァニア作品。

個人的には、ソウルライクで爽快な戦闘がとても楽しい作品でした。

半面、探索要素はもう少し充実して欲しかったかも。

 
セール時には非常に安く手に入り、プレイ時間も5時間程と短めなので、少しでも気になった方にはおすすめです。
 

ゲーム音楽ピックアップ

store.steampowered.com

サントラはSteamで購入可能です。

単曲で強烈に印象に残った曲はありませんでしたが、本作の神秘的な空気感が凝縮されたサウンドトラックとなっています。

通しで聞くBGMとしては良いサウンドトラックだと思います。

 

 
 

【ゲームレビュー78】STRIKERS 1945 II

レビュー一覧

ジャンル 縦スクロールSTG
メーカー/ブランド 彩京
発売年 1997 (AC版)
ハード AC, SS, PS, PS2, Switch, PS4, XboxOne, Steam(Win)
お気に入り度(0~10) 8
プレイ状況 1周1CC(疾風) / Steam版

 
1周しかクリアしていないので、その上での感想という事を念頭に置いたうえで読んでいただけると嬉しいです。

 

  

レビュー

彩京の中でも特に人気作で、同社の看板ともいえる縦スクロールSTG

彩京は、アーケードのSTGを多数開発していたメーカーで、本作以外にも多数の有名な作品があります。それでも、彩京といえばこの作品!! と断言しても否定する人はいないでしょう。

STGの歴史の中でも存在感を放っているカリスマ性のあるタイトルで、シューター(STG愛好家)の多くが本作をプレイしたことがあると思います。2000年前後のゲームセンターには、どこに行っても本作(を始めとする彩京STG)が置いてあったという逸話もあります。

 

さて、そんな本作の特徴を一言で言い表すと、「普通のシューティング」です。

「独特なSTGです。」と説明したら怒られるレベルで普通です。

タイトル画面も普通

まず、ゲームのシステムは一般的なアーケードの縦スクロールSTGのものを受け継いでいます。全8面で構成され、順にステージをプレイしていきます。各ステージの最後に待ち構えているボスを倒すとステージクリアです。普通ですね。

 

敵のデザインも普通です

操作は ショット + ボムのシンプルな構成。打ち込んだり敵を倒すことでゲージが溜まり、一定以上溜まっている時にショットボタンを長押しで強力な溜め撃ちを行えます。
うーん普通ですね。

強力な溜め打ちを使いこなすことが鍵です

まぁそんなわけで一見するとあまりに普通な作品です。

しかし、「普通」というのは決して悪いことではありません。

むしろ、本作がヒットしたのは「普通」だから。言い換えるのならば、STGというジャンルの普遍的な楽しさを非常に高いレベルで仕上げているからです。

本作は一見すると普通でありながら、丁寧に丁寧に創られ、完璧に仕上げられた作品なのです。例えるのなら、職人の作ったシンプルで飾りのない機能美に溢れた食器です。
面白さにはしっかり理由があるもので、しっかり注目してみると細部に様々な工夫が凝らされています。それらの目につきにくい工夫を紹介していきましょう。
 

1. 退屈な瞬間を作らない

まず1点目は、「退屈な瞬間を作らない」点です。
アーケードSTGは、毎回1ステージ目から順に遊ぶことになります。
序盤面は大抵の場合は簡単なので、繰り返し遊ぶうちに慣れていきます。
毎回同じ動きをしていればミスをすることもないので、しばらくとするともはや作業と化してしまうことも多いです。
 
一方で、本作「STRIKERS1945 II」では、最初の4つの面はランダムな順序でプレイするシステムを搭載しています。同じステージでも、1面で遊ぶより4面で遊ぶ方が難しくなります。そのため、ステージ順によってパターンや難易度が変わり、マンネリ感の軽減に繋がっています。

 
また、各ステージは2分ほどとすごく短くなっています。
同じような風景やステージ展開が続くと、プレイ中に退屈に感じることもありますよね。本作はテンポよく交互に展開していくので、そういったことはありません。
更に、ボス戦も複数の形態がコロコロと切り替わっていく構成になっており、テンポの良さにはこだわりを持って開発されていることが分かります。
 

2. 爽快感を最大限感じられる微細なチューニング

爆発・ショットなどの爽快感に繋がる演出は派手ならば派手な程良いと思われがちですが、実際にはそうとは限りません。あまりに派手過ぎると、画面の視認性に影響が出ますし、プレイヤーの心理と掛け離れすぎるとかえって冷めた気持ちになってしまうこともあります。

本作は敵の爆発、ショットの撃ちこみ音が小気味良く、適度に主張しています。
STGで熱くなる気持ちと同じくらいにチューニングされたこの「適度」の感覚が彩京は特に上手いイメージですね。

それ以外にも、操作感の点も優れていると思います。自機の移動速度や、溜め打ちの溜め時間、ショットの発射間隔など、あらゆる点がバランスよく調整されていて、触っているだけで楽しい操作感になっています。

 
3. 長く遊べるようにする

本作は、しっかり長く遊べるような設計になっています。

まず、機体は6機体から選択式です。ショット・ボム・溜め打ちやオプションの性能など、全ての面において、デザインや機能も大きく異なるので、様々な機体で遊ぶのも楽しいでしょう。

1周クリアなら 疾風(Hayate) がおすすめ

また、高難易度の2周目も搭載。STG全体を見渡してもかなりの高難易度なので、並大抵のプレイヤーには本作を遊び尽くしてしまうことは難しいでしょう。
 
STGのやり込みというとスコア稼ぎですが、本作にもスコア稼ぎが楽しく刺激的になるシステムを搭載。敵を倒した際に落とす金塊アイテムを取るとスコアボーナスが入ります。これだけだと普通ですが、本作では金塊がキラリと光った瞬間に取るとボーナス点が最大10倍に跳ね上がるようになっています。
初心者でもつい狙いに行ってしまいたくなるシンプルさと、突き詰めるとパターンを厳密に組む必要があるシビアさを両立しているのが見事です。

左下の金塊が光っています。この瞬間に取ると2000点

 

4. 実は普通ではないプレイフィール

今まで散々「普通」と書きまくってきましたが、それは表面的な部分の話。

実際、1周目の中盤くらいまでは普通のシューティングです。しかし、後半に進むにつれて彩京STGの独自性が発揮されていくのです。
 

彩京STGは、「彩京弾」と呼ばれる独特の弾幕で有名です。
彩京弾」は、超高速で見切るのがほぼ不可能な弾幕のことです。

本作も例に漏れず、後半面に進むにつれだんだんとこの傾向が顕著になります。
特に6面以降のボスでは恐ろしいほどの速さの弾がプレイヤーを襲います。

しかし、弾幕は規則的で明確な攻略法が存在するように設計されています。

発射を確認してから少し自機を動かすだけで避けられるもの、安置に入れば避けられるもの、大きく避けることで塊ごと回避できるものなど、意外と攻略法はシンプルなものばかり。

パターンを覚え、練習することで、高速弾を流れるように避けていく美しいプレイができるようになります。

高速かつ規則的な「彩京弾」

 

最後に、本作の難易度について説明しておきましょう。
1周目でも結構難しく、STG初心者が頑張ってクリアできる難易度かと問われると……多分無理です。ただ、移植版なら難易度も下げられるので、AC設定至上主義でないのならば問題にならないでしょう。

同じ彩京STGなら、「ガンバード」の方が難易度は低いのでこちらを検討してみてもいいかもしれませんね。

 

STRIKERS 1945 II を遊ぶには?

store.steampowered.com 

元々はアーケードゲームですが、複数のハードに移植されています。

PS/SSの移植は、完全移植版をプレイするには縦向き画面が必要なのが難点。横画面の場合、上下が見切れたバージョンしか遊べません。
PS2版は横画面対応かつ1とのカップリングですが、移植度があまり良くないそうです。ZerodivによるSwitch / PS4 / XOne / Steamへの移植は、機能こそ充実しているとは言い難いですが、普通に遊ぶ分には問題ない移植となっています。今から遊ぶならこの新規移植を選ぶのがよさそうです。Switch版は入力遅延が大きいとの意見もあるのでSteam版推奨です。
 

まとめ

シンプルながら、完成度の高い傑作STGです。

他の彩京STGも多少の差はあれど、似たような特徴を持っている作品が多いので、ビジュアル面も含めて気に入った作品をプレイしてみるのがいいでしょう。

 

ゲーム音楽ピックアップ

彩京STGは曲が微妙なイメージがありますが、列車ステージのボス戦の曲はかなり好きです

 

 
 

【ゲームレビュー77】SANABI

レビュー一覧

ジャンル 2Dワイヤーアクションプラットフォーマー
メーカー/ブランド 開発: WONDER POTION / パブリッシュ: NEOWIZ
発売年 2023
ハード Steam(Win), Switch
お気に入り度(0~10) 8
プレイ状況 エンディング到達 / Steam版

 
2023年末の注目作みたいですね
日本語訳が改善されたというニュースを機会にプレイしました

ストーリー関しては全ての情報がネタバレになるような作品なので、具体的な内容にはあまり触れないように注意します。
 

 

SANABI とは?

store.steampowered.com 

韓国の大学生5人のチームWONDER POTIONが開発したワイヤーアクションプラットフォーマーです。パブリッシュは大手ゲームメーカーのNEOWIZが行っています。

アーリーアクセスを終え、2023年11月にSteamとSwitchで発売されました。

当初は日本語訳の質の低さが指摘されていましたが、今では改善しており、丁寧な日本語訳で楽しむことができます。
 

概要・ゲームシステム・感想など

ワイヤーを壁や天井に引っ掛け、振り子のように移動したり、ワイヤーを巻き取るアクションで進んでいくアクションが特徴のアクションプラットフォーマーです。
 
2Dのワイヤーアクションプラットフォーマーは「海腹川背」が有名でしょうか。
ワイヤーアクションは1ジャンルまでとは行かなくとも、アイデアとして時々見られるものな気がします。( 個人的に思いつくのはニュースーパーフックガール、ラスティッド・モス など )
 
本作「SANABI」はそんなワイヤーアクションゲームの中でも、特に疾走感・爽快感を重視したアクションが特徴の作品となっています。序盤でも、高速でステージを駆け抜け、スタイリッシュに敵を倒してどんどん進んでいくことができます。

ワイヤーを駆使してステージを駆け抜ける疾走感が凄い!!

疾走感のあるアクションを実現するために、とにかく操作性の良さには力が入れられています。ワイヤーは射出速度・長さ共に申し分なく、更には狙いを正確に定めずとも、引っかかってほしい箇所に的確に飛んでいく仕組みが取り入れられているようです。
 
攻撃は、敵に近寄ったのちにボタンを押すと、敵に向かって飛んで行って撃破できる仕組み。撃破の際に反動で好きな方向にジャンプできるので、敵破壊とワイヤーアクションでの移動がシームレスに繋がります。
 
ワイヤーアクションゲームは非常に難しい作品が多いイメージですが、本作はかなり易しめに感じました。どんな方でもスタイリッシュにステージを駆け抜ける爽快感を味わえるように丁寧に調整されていると思います。

難易度はベテランで遊びましたが、特に難しい箇所は無かったです

 

ゲームは、アクションパートとストーリーパートが交互に進行していきます。明確な区分けがあるわけではなく、互いのパートが自然に繋がるような構成になっています。

アクションとシームレスに繋がるストーリーが没入感を高める

 

ストーリーパートにおいてはビジュアル面に非常に力が入れられています。気合の入った超美麗なドット絵グラフィックと派手な演出が最高です。

サイバーパンクな廃墟感のあるビジュアルが素敵

時には巨大ボスも登場。
ボス戦の演出には特に力が入れられていて、まるで映画のよう。本作の大きな見どころのひとつです。

ボス戦も劇的な展開に溢れた一筋縄ではいかない構成になっています

ストーリーは、突然全市民が消滅した都市を舞台に、謎の人物「SANABI」を追っていくもの。サイバーパンクな世界で繰り広げられる緊張感のあるストーリーになっています。サスペンス要素もふんだんに盛り込まれ、常に先が気になる構成になっています。
序盤から丁寧に張り巡らされた伏線には唸らされること間違いなしです。
 
全体的にアクション映画のような構成ではありますが、家族愛がメインテーマになっており、終盤には胸の熱くなる展開が待ち受けています。
 

 
なお、アクションゲームにありがちな隠し要素や収集要素などは一切存在しません。恐らく、隠し要素があるとステージを丁寧に探索しないといけないという義務感が発生してしまい、疾走感を損なってしまうからだと思います。ゲームの体験の軸をしっかりと見据えて開発されているのが伝わって来て、個人的にかなり感動したポイントです。 
 
プレイ時間は10時間程。

全体として無駄なく非常に綺麗にまとまった作品で、どんな方にでもお勧めできる作品だと思います。スタイリッシュなアクションゲームが好きな方は勿論、サイバーパンクな世界観やドット絵風グラフィックが好きな方にもおすすめです。
 

ゲーム音楽ピックアップ

youtube.com

store.steampowered.com

サウンドトラックは、Steamで配信されている他、Youtubeに公式でアップロードされているようです。
サイバーパンク感あふれる楽曲が揃っています。

 

 
 

【ゲームレビュー76】q.u.q.

レビュー一覧

ジャンル 短編ビジュアルノベル
メーカー/ブランド 開発: motijan / パブリッシャー: Nikita Kryukov
発売年 2023
ハード Steam(Win,Mac,SteamOS)
お気に入り度(0~10) 7
プレイ状況 全実績解除 / Steam版

 
短編ゲームを遊びたい気分になったので積んであった本作をプレイ
 

q.u.q. とは?

store.steampowered.com

www.youtube.com 

国外の個人開発者 motijan(いめ44)氏が制作、2023年にSteamでリリースした短編ビジュアルノベルです。
丁寧な日本語翻訳が収録されています。訳者のコメントが以下で公開されているので、読後に読んでみると面白いです。

 

note.com 

概要・ゲームシステム・感想など

尖ったビジュアルと世界観、そして主人公のがさつな女の子が特徴の短編ビジュアルノベル。Milk inside/outside~ の作者の方がパブリッシャーとして関わっていらっしゃるようで、本作の制作に直接関わっているかは分かりませんが、世界観描写やビジュアルに似たようなテイストを感じます。

オリエンタリズムを感じさせるタイトルロゴが素敵です

ゲームシステムとしては、歴年のビジュアルノベルの形式を取っています。多すぎるくらいのセーブ枠に、便利な既読のみのスキップ機能、バックログ機能など近年のVNにある機能が揃っています。
エンディングは11個。選択肢によって分岐が起こる王道スタイルです。それぞれがSteam実績になっているので、全回収まで遊ぶ人が多いのではないでしょうか。
 

 

物語は、砂漠をさまようちょっとがさつな少女ハッチと、出会う謎に満ち溢れたの諸々を描くもの。恐ろしい見た目の相手にも粗暴に振る舞うハッチの頼もしさと、時折見せる弱さが素敵。心に抱える闇と旅の目的が主題となって物語が進んでいきます。
 
本作はMilk inside/outside~ を彷彿とさせる奇妙な作風ではありますが、狂気ベースの語りではないため、素直に物語と向き合うことができます。
またテキストは第一印象からは想像できない程素直で読みやすく、情景を想像しやすいので却って世界の寂しさと奇妙さが強調されています。
 

 
物語は童話的で、ほんの少しSFを感じるテイスト。
劇的な展開は多くはありませんが、一部のエンディングにはびっくりするかも。
 
奇妙で寂しい世界を満喫する作品と思ってプレイするのがよさそうです。
 
ライブラリに入れておいて、気が向いた午後にプレイしてみてはいかがでしょうか
 

ゲーム音楽ピックアップ

youtu.be 

本作のサウンドトラックはSteamで配信中。
また、youtubeにも作者の方がアップロードしています。

 

 
 

【ゲームレビュー75】MOTHER3

レビュー一覧

ジャンル RPG
メーカー/ブランド 任天堂
発売年 2006
ハード GBA, Switch(GBA for Nintendo Switch Online)
お気に入り度(0~10) 8+
プレイ状況 Ending到達 / GBA for Nintendo Switch Online

 
Nintendo Switch Online+に追加されたのでノリで始めたのですが、一気に最後までプレイしてしまいました。2を先に最後までやっておいた方がよかったかもしれない……
紹介する以上どうしても軽微なネタバレは避けられない作品ですが、重大なネタバレは避けて紹介します。
  

 

MOTHER3 とは?

www.nintendo.co.jp

youtu.be 

任天堂が2006年に発売したゲームボーイアドバンス向けのRPGです。
長らく移植が無くGBA版を購入するしかありませんでしたが、2024/02/21のNintendo Directでサプライズ的にGBA for Nintendo Switch Online版配信が発表されました。
 
初代「MOTHER」はFC、「MOTHER2 ギーグの逆襲」はSFCのタイトルですが、両者共にNintend Switch Onlineでプレイできます。
シナリオに関しては 2 の直接的な続きでは無いものの、前作のシナリオとも深く関連があるようなので、事前にプレイしておいた方がいいかもしれません。
 

概要・ゲームシステム

 
「MOTHER」シリーズの特徴は、独特の世界観と味のあるテキスト、そして愛らしいビジュアルでしょう。あらゆる面でディレクターの糸井重里氏のセンスが炸裂し、過去のどんな作品にも似ないRPGシリーズとなっています。
近年では、「UNDERTALE」を代表とするMOTHERの遺伝子を引き継ぐ作品も登場しています。現在では、RPGの一つのスタイルを築いたシリーズといえるでしょう。
 

 

MOTHER3」は、そんなシリーズ3作目。
企画から実際に発売に至るまでに相当な困難があったことが有名です。当初はSFC向けに開発していたものが、64向けに変更され、発売直前まで漕ぎつけていたものが中止。その後しばらくしてGBA向けに開発が再開され、GBA末期に発売されたという経緯があるようです。
 

さて、MOTHER3の冒険の舞台は不思議な島「ノーウェア島」です。島にある小さな村「タツマイリ」に暮らす双子のクラウスとリュカは、母のカナワと共に、山の上にある叔父の家に遊びに行っていました。村で帰りを待つ父のフリントの元に、山火事が起きたという知らせが来るところから物語は始まります。
 

  
この始まりの不穏な事件は、更なる不穏な展開へと繋がります。その後も作中を通してダークな空気感が一貫しており、この点に関しては当時は賛否あったようです。
本作のシナリオの大きな特徴として、主人公が変わる点が挙げられるでしょう。1章では、山を捜索するフリントの物語が描かれますが、2章・3章・4章以降ではまた違うキャラクターが主人公となります。物語が様々な視点から描かれることで、多数の要素や伏線が複雑に絡み合った重厚感のあるシナリオになっています。

章によって主人公が変わるRPGは中々珍しいのでは?

 

なお、終盤の展開は癖が強く好みの分かれるものとなっており、発売当初は酷評されることもあったようです。
 
グラフィックには2と同様にドット絵の可愛らしいグラフィックが採用。マップは細かいところまで丁寧に描かれ、キャラクターの奇抜なデザインも健在。グラフィックと独特のセンスのテキストが織り成す糸井節は本作でも十分に発揮されています。

HP回復は「おんせん」で行うというのも独特

2にも登場する謎の種族「どせいさん」の台詞回しは個人的にも大好きです

RPGとしての自由度は高いわけではなく、基本一本道の構成です。しかし、その分各イベントやテキストに力が入っており、アドベンチャーゲームを遊んでいる感覚が強いです。このプレイ感覚もMOTHERシリーズの大きな特徴かもしれません。
 
戦闘は一般的なコマンドRPGに近いものの、いくつかMOTHERシリーズに特有のシステムが導入されています。
サウンドバトル」は、戦闘曲に合わせてボタンを押すと複数回通常攻撃を当てられるというシステム。敵ごとにリズムが違うので、曲をしっかり聴いてリズムを推測する必要があります。
「ドラムロールシステム」は、HPやMPの表示が一定速度で回転するドラムロールで行われるシステムです。致命的なダメージを受けたとしてもHPのドラムロールが回転していって0になるまでは戦闘不能にならないので、素早く操作すればHPを回復して耐えることができます。
また、各キャラには「とくぎ」が設定されており、特殊な行動が可能です。敵の行動を封じたり、弱点を調べたり、MPを消費して強力な攻撃を放ったり…… キャラごとに大きく傾向が異なるので、パーティ内での役割分担が重要となります。

特技は複数あり、敵によって有効・無効が異なります

 

戦闘は比較的難しく、ボス戦は回復アイテム集めやレベル上げなど入念な準備をした上でも苦戦するバランス。ドラムロールシステムのお陰で素早い判断が要求されることもあり、中々手に汗握る熱い戦闘を楽しめます。
通常戦もシンボルエンカウントのため、ある程度回避可能なのも嬉しいところ。敵キャラクターが多く、固有ドロップなども用意されているので、初めて見た敵にはむしろ積極的に勝負を挑みたくなります。
 

プレイ時間は25時間ほど。RPGとしてはやや短めなので手軽に遊べます。
 

良かった点

  • 強烈に発揮されている糸井節
     
    可愛らしく少し奇妙なキャラクタービジュアルに、細部まで意味が敷き詰められ淡泊さを感じさせない血の通ったマップのデザイン、そしてシュールな笑いとアイロニーのセンスに溢れたテキスト。
    糸井氏のセンスが本作でも強烈に発揮され、MOTHERシリーズ特有の世界観を存分に味わうことができます。
     
  • テンポ良く、常にプレイヤーを引き付けて離さない高密度なゲーム展開
     
    大小様々なイベントが小刻みに起こるので、一般的なRPGよりもプレイ感覚がかなりアドベンチャーゲームに近いです。RPGにありがちな、淡泊な構成のダンジョンを長時間彷徨ったりすることはありません。戦闘に関しては、ボス戦の数が多く、通常エンカウントの敵も種類が非常に多いので同じ敵と延々と戦うようなことはありません。全体として見て、プレイ時間に対して惜しみなくゲーム要素が投入され、充実感のある高密度なゲームプレイが味わえるようになっています。
     
    シナリオも大きな流れの中で小さな動きを多数作る構成になっているため、テンポよく、それでいて分かりやすく物語が進行します。続きが気になるようなフックを常に用意し、切らさない構成も見事。一度遊び始めたが最後、エンディングまで一気に駆け抜けてしまうこと請け負いです。
     
  • バランスの良い戦闘
     
    戦闘は、全体的にやや難しめです。特に、終盤は苦戦するボスが多かったです。
    しかし、難しいと言っても多少の準備と戦略で何とかなる場合が殆どで、手を尽くしても難しいかというとそこまでではありません。
    サウンドバトルとドラムロールシステムのお陰で、戦闘にリアルタイムのボタン操作が要求されることもあり、準備を念入りに行った上でもしっかり考えて戦闘する必要があるのも緊張感があり良かったです。
     
  • 力の入ったサウンド
     
    本作はサウンドにも非常に力が入っています。特に音楽を用いた演出は秀逸で、各シーンに説得力を与える役割を完璧に果たしています。
    また、短いテーマをアレンジして随所に登場させる映画的な楽曲制作が行われており、音楽が伏線になっていることも……(?)
     

気になった点

  • セーブが2個
     
    セーブスロットが2個しかありません。
    一度進むとボスを倒すまで戻れない箇所もあり、上書きセーブをしてしまい、尚且つ倒す準備ができていないと苦戦は必至です。
    取り返しのつかない要素がいくつかあるのもセーブスロットの少なさと相性が悪いです。
    Switch Online版なら、どこでもセーブが使えます。章の終わりにセーブをバックアップで取っておくと良いでしょう。
     
  • MP回復手段の乏しさ
     
    一部キャラが使用できる超能力PKを利用するために必要なMPですが、回復アイテムの数が少なく、大量に入手することも困難です。一方でボス戦ではPKが貴重なダメージリソースとなっているので、ボスが居るところまで頑張って雑魚敵を避けていくプレイになりがちです。
    ボス戦の前に回復できる箇所を置いてくれると良かったのですが……
     

総評

RPGはゲームプレイの淡泊さに耐えきれず途中で放り出してしまうことの多い私ですが、本作はとにかくゲーム要素が高密度で提供されるお陰で最後まで一気にプレイできました。UNDERTALEやOMORIなどが気に入った方は是非プレイしてみてはいかがでしょうか。2が未プレイの方はそちらから遊んだ方がいいとは思いますが…

賛否あるラストに関しては、多くを語らずにエンタメ性が低いため賛否あるのも納得でした。シビアで心苦しい展開が多いので、最後に大きな救いがある展開を期待してしまう気持ちも分かります。やはり個人的にも、すごく好きか?と問われると首肯し難い部分はありますが、MOTHER3のテーマはラストバトルで描ききっている気がするので、1つの終わり方としてはこれで充分だと思います。プレイ後に考察サイトなどを読み漁るのも楽しいですよ。
 

ゲーム音楽ピックアップ

  1.  MOTHER3 愛のテーマ
     
  2.  ひまわりとまぼろし
     このシーンが作中で一番好きです
  3.  スノーマン
     雪山の曲。通常フィールドの曲の中で一番記憶に残っています
     
  4.  ユートピアでしょ?!
  5.  16メモリーズ(はじまり)
     

 
 

【ゲームレビュー74】アクスレイ

レビュー一覧

ジャンル 縦&横スクロールSTG
メーカー/ブランド コナミ
発売年 1992
ハード SFC, WiiVC, WiiUVC
お気に入り度(0~10) 7+
プレイ状況 Normalノーコンティニュークリア / WiiVC版

 

 

アクスレイ とは?

www.nintendo.co.jp 

コナミが1992年に発売したスーパーファミコン向けの2Dスクロールシューティングゲームです。縦スクロールステージと、横スクロールステージが交互にやってくるのが特徴的。
WiiWiiUバーチャルコンソールに移植されていましたが、今では配信が終了しています。現在(2024/03/02)、オリジナルのSFC版以外に新規に入手してプレイする方法はありません。
 

概要・ゲームシステム

 
基本的には、一般的な2Dスクロールシューティングゲームです。
全6面構成で、1,3,5面は縦スクロール・2,4,6面は横スクロールなのが特徴です。
各ステージ道中+ボスという構成になっており、ボスを倒せばステージクリアです。
 

1面「雲の惑星」 巨大浮遊岩石群の間を抜ける縦スクロール面です

2面「コロニー」 青い惑星をバックに展開する横スクロール面です

3面「都市惑星」 都市上空の要塞を進んでいく縦スクロール面です

ステージの最後には巨大なボスが待ち受けている

家庭用オリジナルタイトルではありますが、硬派でクラシックなアーケードゲームライクな構成になっています。セーブは無く、途中のステージから遊ぶことも出来ません。
残機が無くなるとコンティニュー画面に移行し、クレジットを消費してコンティニューができます(3回まで)。クレジットが無くなるとゲームオーバーです。
再プレイ時には、1面から遊ぶ必要があります。
引き継がれるのは己の経験だけなので、ノーコンティニューでクリアを目指したり、ハイスコアを目指すのが基本の遊び方となるでしょう。
 
自機の兵装は、メインウェポンであるショットと、サブウェポンであるミサイルの2種。それぞれショットボタンと、ミサイルボタンを押すことで発射できます。どちらもオート連射です。
 
自機には、3つの強化武装(POD/SIDE/BAY)が搭載されており、ステージ中で好きなタイミングで切り替えることができます。(LRボタンを押すと切り替わる) 

  • POD: ショットがレーザーへと強化される武装
  • SIDE: ショットが特殊なバルカンへと強化される武装
  • BAY: ミサイルが強化される武装

また、POD/SIDE/BAY それぞれについて「どのように強化するか」の選択肢が用意されています。これは、各ステージ開始時に選択することができます。ステージが進むごとに、選択肢の数は増えていきます。

強化武装の選択肢が全て揃った状態

なお、強化武装装備中に被弾すると、その強化武装が壊れる代わりにミスを免れることができます。強化武装はシールドの役割も果たしているということですね。ちなみに、地形や敵に接触すると即ミスなので注意する必要があります。
 
強化武装がシールドになるおかげで、残機1つあたり最大3回まで被弾が許容されることになり、ミスへの許容度の高いゲームバランスになっています。スコアエクステンドで、残機がどんどん増えるのもあり、クリアまでに20回以上は被弾が許容されます。
 
ゲームのオプションとして、操作ボタンの変更や、連射速度調整、輝度調整などが付いています。

オプション画面

オプションには難易度変更があり、「Easy」「Normal」「Hard」「VeryHard」の4段階を選ぶことができます。Hard以上は最初は隠されており、1つ下の難易度でエンディングを見ることで解禁されます。
難易度を変えると、敵の撃つ弾が増えるだけではなく、敵のアクションが変化したり、配置数も増えます。
 

良かった点

  • 重厚で硬派なハードSF的雰囲気
     
    コナミSTGは、明るくポップな作品が多い印象があります。「ツインビー」シリーズや「パロディウス」シリーズが明るいのは当たり前なのですが、硬派路線の「グラディウス」シリーズも、STG全体で見るとポップで取っつきやすいイメージの方が多いのではないでしょうか。一方で、本作はシリアスなハードSF的な雰囲気作りに力が入れられており、コナミの他作品とは異なる空気感が演出されています。
     
    ビジュアル面では、縦スクロール面の歪んだ俯瞰視点はこの空気作りに大きく貢献していると思います。特に3面の都市上空ステージでは、独特の浮遊感を生み出しており、本当に街の上を飛んでいるかのような印象を残してくれます。
    更に、敵のデザインや攻撃パターンもどこか奇妙なものが多く、深遠な世界観が背景に広がっているではないか? と想像が捗るようになっています。
     
    ビジュアル以上に雰囲気作りに大きく貢献しているのが音響面です。
    各ステージの楽曲は静謐で重厚なイントロから、ステージの展開に合わせ劇的に展開し、ステージ終盤には壮大でヒロイックな曲調へと変化します。
    また、ショットの音やシステムサウンドも、重みのあるサウンドが採用されているのも良いですね。ゲームの効果音というよりは機械の発する音というイメージを与えてくれます。
     
  • 強化武器を切り替えて進むシステムの面白さ
     
    個人的には、3つの強化武装(POD/SIDE/BAY)を切り替えて進んでいくシステムが好きでした。シーンによって有効な武装が大きく異なるので、色々な武装を試してより良いパターンを組んでいく楽しみがあります。

    時には被弾して使いたい武装が使用不可になっていることもあり、その際にはアドリブで何とかする必要があります。
    パターンとアドリブのバランスは、STGの面白さの肝。
    本作では、この強化武器切り替えのシステムによって絶妙なバランスを実現しています。
     
  • 攻略が楽しい優れた難易度曲線
     
    Normalをプレイした限りにおいて、本作の難易度曲線はかなり優れていると感じました。
    始めた頃は1面をクリアするだけで精一杯でしたが、プレイしているうちにどんどん最高到達点が伸びて行って、すんなりとクリアできました。
    初見殺しで対処法さえ見つければ安定して抜けられるシーンが多く、安定が難しい箇所も豊富な残機である程度ごり押しが効くので、同じ箇所で苦しみ続けることもなく、終始ストレスフリーで遊べました。
     

気になった点

  • ネームエントリーが無い
     
    当時のアーケードゲームには当然のように搭載されているネームエントリー要素ですが、本作には何故かありません。
    家庭用作品だから不要というのも理解できるのですが、クリア後に即座にタイトルに戻ってしまうのはやや味気ない感じがしてしまいます。
     
  • 使いどころのない一部強化武装
     
    終盤ステージで解禁できる強化武装に関しては、性能がピーキーすぎて結局一度も使用しない物もありました。
    初期から使用できる強化武装が強すぎるのもありますが、メインで使用していた強化武装が壊れた際にピーキーな物を使用しなくてはいけないデメリットが大きいのも一因です。もし、そのピーキーさが大いに生きるステージ構成になっていたら、様々な武装がより生きたのではないかと思います。
     

総評

久しぶりに真面目にレトロSTGをプレイしましたが、とても楽しかったです。

SFC実機でしか遊べないのが難点ですが、独特のダークSFな雰囲気に興味がそそられる方にはおすすめです。
 

ゲーム音楽ピックアップ

www.youtube.comyoutube musicに公式でサントラが上がっています。
どの曲も素晴らしいのでぜひ一度聴いてみてください。

個人的おすすめは、 Colony, Mothor, Burning, Cosmos です。