【ゲームレビュー66】スーパーマリオブラザーズ ワンダー

レビュー一覧

ジャンル 2Dプラットフォーマー
メーカー/ブランド 任天堂
発売年 2023
ハード Switch
お気に入り度(0~10) 8
プレイ状況 100%クリア(バッジ6個) / Switch版

 

 
Ninetendo Directで最初の紹介映像を見た時から気になっていた作品です。
明確で強烈なコンセプトが提示されているとやっぱり遊んでみたい!という気持ちになりますね。
インディーゲームでは頻繁に行われている手法ですが、ここまでのビッグタイトルでやってくるのは珍しいかも…?
久しぶりにパッケージタイトルを発売日購入した気がします。

 

スーパーマリオブラザーズ ワンダー とは?

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2023年10月20日にSwitch向けに発売された説明不要なマリオシリーズの最新作です。
FC「スーパーマリオブラザーズ」から続く2Dマリオ作品としては、”U”シリーズ以来およそ10年ぶりの完全新作です。
パッケージ版の他、DL版も配信されています。
 

概要・ゲームシステム

大体は上に掲載した「スーパーマリオブラザーズ ワンダー Direct」を見れば分かります。私はこれを見て購入を決めたので、とりあえず気になっていれば見ましょう。
 
ベースとしては、「3」「ワールド」辺りで確立され「Newマリ」へと続く、いつもの2Dマリオシリーズの系譜の作品です。「Wii」のように多人数プレイも可能です。
ワールドマップ中に配置されたアスレチックコースを巡り、各ワールドのラストではボス戦。複数種類のパワーアップ、隠しゴールによる分岐要素、特殊なコインの収集要素…… 過去作のお約束は本作でもしっかりと踏襲されています。

 
そんなシリーズの伝統をある程度守りつつ、「ワンダー」という新システムを投入してマンネリを打破。強烈な個性のある作品に仕上がっているのが本作「スーパーマリオブラザーズ ワンダー」です。

 
本作には各コース中に「ワンダーフラワー」というアイテムが1つずつ配置されています。これを見つけ出し、取得すると「ワンダー」がスタートします。

 

「ワンダー」の内容は多種多様。上の動画で紹介されているように、土管が動き出したり、敵がたくさん現れたり、中にはマリオ自身が変身してしまうものまで。コースごとに全く違う面白い仕掛けの数々が待ち受けています。

ワンダーフラワーを取ると…

ワンダーがスタート!不思議な出来事が起こります

「ワンダーシード」を獲得するとワンダーは終了。「ワンダーシード」は本作のメインの収集要素となっており、ステージをクリアした際や、隠しゴールを見つけた際にも貰えます。
 
ワンダー以外にも本作独自の面白い要素として、各地に登場する喋る花「おしゃべりフラワー」があります。この花はステージ中にたくさん咲いていて、有益な情報を教えてくれたり、ワンダーに対するリアクションをしたりなど、ゲームを盛り上げる役目を担っています。

おしゃべりフラワーが作品を盛り上げる

 

本作にはサブの収集要素として、「10フラワーコイン」集めがあります。これは、各ステージに3枚ずつ配置されている特殊なコインで、「ワールド」のドラゴンコインや「New」のスターコイン集めに相当するやり込み要素となっています。
「10フラワーコイン」はその名の通り、フラワーコイン10枚分の価値があるアイテムで、これを集めることで大量にフラワーコインが集められます。「フラワーコイン」自体については後述。

紫色のアイテムが本作の収集要素「10フラワーコイン」

 

シリーズ恒例、多様なパワーアップは本作でも健在。定番のファイアの他、近接攻撃ができるようになる「ゾウ」、床や天井に潜れるようになる「ドリル」、壁を貫通して攻撃できる「バブル」など、本作独自のパワーアップが用意されています。

本作の珍しいポイントとして、パワーアップ以外にもキャラクターの性能が変わる要素が用意されています。

まず、1つ目はキャラクター選択です。基本的には各キャラ同性能ですが、ヨッシートッテンは大きく異なる性能になっています。特に、トッテンはトゲや敵に当たってもミスにならないので、イージーモード的な役割を果たしています。

2つ目は、独自要素の「バッジ」です。これはゲームを進めると入手できるアイテムで、1つまでアクティブにでき、バッジごとに異なるスキルが発動します。ジャンプ力が上がるバッジや、付近に隠し要素がある事を教えてくれるバッジ、中にはマリオが透明になる用途不明なものまで。色々付け替えて攻略に役立てたり、縛りプレイをするのもいいですね。
 
本作にはシリーズ伝統の普通のアスレチックコースの他にも、特殊なコースが多数用意されています。

「バッジチャレンジ」ステージでは、特定のバッジをつけた状態でステージに挑むことになります。クリアするとそのバッジがもらえます。

「コロシアム」ステージでは、敵を倒して進むタイムアタックゲームをプレイします。掛った時間に応じて貰える10フラワーコインの枚数が変わります。

「みんなの広場」ステージは、隠されたメダルを5枚見つける探索ゲームをプレイします。オンラインで他の人とゆるく協力しつつ見つけていくのが定石です。

他にも特殊なコースはいくつも用意されていて、ヘビーな通常コースだけを遊んで食傷気味にならないように最大限の工夫がされています。

短く軽いステージが多数収録

ワールドマップ上には店が用意されていて、フラワーコインを使って買い物ができます。ここではバッジや残機が購入できるほか、「パネルくじ」を引くことができます。
「パネルくじ」はその名の通り「パネル」をランダムで入手できるくじで、入手したパネルはコースプレイ中に好きな位置に設置することができます。設置したパネルはオンラインプレイ時に他のユーザーが復帰地点として利用できます。これによってゆるい協力感が生まれ、大人数で遊んでいる感を多少味わえます。

店ではフラワーコインを使って買い物ができる

良かった点

  •  「ワンダー」がとにかく楽しい
     
    本作の売りである「ワンダー」が兎にも角にも楽しいです。「ワンダー」の内容は非常に多彩で奇抜、遊び心に溢れたものばかり。
    「ワンダー」の内容はそのステージのテーマとなっている敵やギミックを踏み台として作られている場合が多いので、このステージではいったい何が起こるのだろう?といろいろ想像しつつ、各ステージをワクワクしながらプレイすることができます。
     
  • 驚きに満ち溢れた多彩な演出の数々
     
    本作は「ワンダー」はもちろん、それ以外にも様々なところに意外性のある仕掛けや演出が仕込まれています。ギミックや敵も過去作では見たことのないようなものばかり。
    そして、ところどころで登場するマリオシリーズの伝統を逆手に取ったような演出は見事。過去作を多数プレイしているとより楽しめる構成になっています。
    「おしゃべりフラワー」のセリフやリアクションも、センス抜群で良いです。
     
  • 探索アクションゲームとして高品質なゲームデザイン
     
    本作は単純に探索アクションゲームとしてみた場合も高品質になっていると思います。10フラワーコインや隠しゴールの探しは、簡単にはわからないけれど、しっかりとステージを観察すると気が付けるバランスになっていて、理不尽さを感じさせません。もし見つからない場合も、中盤に手に入る「ダウジング」のバッジを利用することで隠し場所のヒントを得ることができます。
    メニューにあるステージ一覧で、そのステージにある10フラワーコインを取得したか、隠しコースを見つけたかなども確認できるようになっているので、コンプリートを目指す場合もストレスフリーです。
    コース内だけでなく、ワールドマップにも多少の隠し要素があるのも良かったです。
     
  • 多数の軽いミニコース
     
    本作には、普通のコース以外にもミニコースが多数用意されています。ミニコースは重厚な探索要素と「ワンダー」があるメインコースと比べると気軽にプレイできるバランスになっています。
    これらの存在により、メリハリが付いてダレずに・疲れずにプレイできるようになっています。
     
  • 孤独感を感じさせないオンラインマルチプレイ
     
    本作には「Wii」のようなオフラインでの多人数プレイの他に、ゆるいオンライン要素が付いています。
    これは、現在プレイしている他のユーザーが「ライブゴースト」としてプレイ中に出現するもので、エモートを送り合ったり、ミス時に助けたり、「パネル」を置きあって協力したり・・・ その場で出会った人々とゆるい連帯感を持ちながらゲームを進められるようになっています。
    オンラインにしないメリットは特に無いので、私は最初から最後までオンラインでプレイしていました。
     
     

気になった点

  • ゲームの展開やストーリーには特に驚きがない
     
    割と難癖のような不満点なのですが、本作には作品の根幹を大きく変えてしまうような超巨大な「ワンダー」がストーリーラインに仕込まれているのではないかという期待が私には有りました。 (クッパが超凄いワンダーの存在を仄めかすので尚のこと期待が膨らんでいました)
    しかし、最後まで遊んだ結果、そういったものは無く、いつものマリオシリーズだったのでちょっと残念でした。そのため、作品全体として愛着が湧いたり、記憶を消してやり直したい!と思える程に心惹かれる強烈なシーンがあるかと問われるとNOです。それぞれのワンダーはびっくりするし、プレイしている瞬間は楽しいんですけどね・・・
     
  • フラワーコイン集めの効率的方法がない
     
    本作で通貨として扱われる「フラワーコイン」ですが、これを効率的に、なおかつ無限に集める方法がありません。
    「10フラワーコイン」は一度きりですし、フラワーコイン集めのミニゲームも回数制限が有ります。そのため、パネルコンプリートを狙う際にフラワーコインが足りないと、苦行とも言えるフラワーコイン集めをすることになります。
     

総評

完成度の高い2Dマリオシリーズの傑作だと思います。
特にプレイ開始直後の「ワンダー」の衝撃は凄いですよ。
おすすめです。

 

ゲーム音楽ピックアップ

ネタバレになりそうなので、曲名だけにしておきます
 
1.  ワンダー2-パックンマーチ
2.  ワンダー18-メタルマリオ
3.  城クッパエリア