【ゲームレビュー79】Momodora: 月下のレクイエム

レビュー一覧

ジャンル メトロイドヴァニア+ソウルライク
メーカー/ブランド 開発: Bombservice / 販売: Playism, Dangen Entertainment
発売年 2016
ハード Steam(Win,Linux,mac), Switch, PS4, XboxOne
お気に入り度(0~10) 7+
プレイ状況 Trueエンド到達(Normal) / Steam版

 
私は2017年時点で購入していた作品です。
当時はソウルライクな戦闘に慣れておらず、メトロイドヴァニアというジャンルの事も理解していなかったため、どう遊べばいいのか分からず放り投げてしまいました。

折角のゴールデンウィークなので、軽く遊べるゲームを探そうと思い、本作が目についたので改めてちゃんと遊んでみた次第です。

ちなみに、シリーズ作品は3だけ遊んだことがありました。(昔すぎてあまり覚えていないですが……)

 

 

紹介・レビュー

rdein氏率いるブラジルのインディーゲームディベロッパーBombServiceによって開発されているアクションゲームシリーズMomodoraシリーズの4作目です。

プレイ時間は5時間程。

 

Momodoraはシリーズを通して、美麗なタッチのドット絵グラフィックが特徴となっています。
4作目となる本作は、神秘的で退廃的な雰囲気はそのままに、キャラクターの等身が上がり、全体的にグラフィックが緻密になりました。

神秘的な雰囲気が最高です

本作のゲームシステムは、一般的なメトロイドヴァニアをベースにしています。
全体が繋がっているマップを探索し、新能力を解禁したり、アイテムを集めて行ける範囲を広げていきます。
 

物語は、女王が治めていた街「カルスト」から溢れる闇の力から自分の村を守るため、村の司祭カホが街へ向かうところから始まります。

街の近くまでやってきたところから始まります

街にはたくさんのキャラクターがいて、彼らとのやりとりも攻略の鍵となります。

会話は世界観が溢れ出すハイコンテクストなもの。そのため、ストーリーの微細は最後までよく分かりませんでした。ただ、神秘的な世界観を味わうにはちょうどいい塩梅の「分からなさ」になっていると思います。

カホはルンの村の司祭らしいが、村がどんな状況なのかは謎のまま
詳しく語らないことで世界観の深みを演出しています

街にいるのは友好的な人々ばかりではありません。カホを敵とみなして攻撃してくる人々や、人ではないモノまで。多数のボス戦が待ち受けています。

ボス戦の頻度はメトロイドヴァニア系の中でもかなり高め

戦闘面に言及しましょう。

本作の戦闘は、超高威力の攻撃をしっかりと見切って避け、その隙に攻撃を叩き込む作風になっています。いわゆるソウルライクというやつですね。

ソウルライクは高難易度と思われがちです。本作も確かに高難易度ですが、強烈に難しいシーンはないです。そのため、序盤が普通に遊べたならば最後まで難なくクリアできるバランスに仕上がっていると思います。難易度が選べるので、自分に合った難易度を探してみましょう。個人的には、難しすぎず簡単すぎないバランスでとても楽しかったです。

 

敵への攻撃は、殴り主体の近接アクションと弓を撃つ遠距離アクションの2種類。

近接は3連のコンボ攻撃になっており、3撃目が威力が高いです。如何にして3撃目を叩き込むかが攻略の鍵です。途中でキャンセルもできます。

弓は連射が効きます。高威力の溜め撃ちも出来ます。溜めながら攻撃を避け、隙が来たら溜め撃ちを当て、連射で追撃するのが強いです。

攻撃時のヒット音とヒットストップ演出が良く出来ていて、戦闘の爽快感は非常に高いものとなっています。

本作程にヒット時の爽快感のある弓はゲーム界を見渡してもほぼ無いでしょう

移動アクションは、ジャンプの他にローリングがあります。無敵時間が付いているので、回避アクションとして使えます。正面からの攻撃を受け付けない敵には、ローリングで背後に回りましょう。

 

他には、セットして使う「スキル」のシステムが用意されています。

ボタンを押して発動する使用スキルと、セットしているだけで効果があるパッシブスキルの2種類があります。ちょっとだけ具体例を紹介しておきます。

使用スキルで一番よく使ったのはHP回復スキルでした。使用回数制限はありますが、セーブポイントに着くと、残り使用回数が最大に戻ります。

パッシブスキルで便利だったのは、隠し要素が近くにある事を教えてくれるスキルです。何の成果も得られずにマップを彷徨うのはメトロイドヴァニアあるあるですが、これを軽減してくれるので非常に快適でした。

 

スキルは基本的に購入で増やしていきます。これは店によって販売内容が違います。
また、ボスをノーダメージ撃破をしても入手できます。こちらは各ボスに固有のスキルが入手できます。コンプリートを狙ってみるのも面白いですね。

店探しも探索のひとつの楽しみです

最後に気になった点をいくつか。

まず1点目として、本作はメトロイドヴァニアとしては探索要素がやや弱めです。
ほとんどの隠し要素は、壁の中にアイテムが隠されているような小規模なもので、大規模なマップがまるまる隠されていることはありません。また、隠し要素がありそう!と思わせる思わせぶりな配置ではなく、ノーヒントで理不尽に感じるような隠し場所もあります。隠し要素が近くにある事を教えてくれるスキルを使うことが前提なのかもしれませんが……
また、アクションが増えることによって新エリアに行ける要素も少なめで、行動範囲が広がる強化は2つしかありません。
 

2点目として、ラストの盛り上がりに欠けます。
ラストダンジョンは、雰囲気が今まで探索してきた街と大差なく、登場する敵も既存のものなので特別感がありません。また、ラスボスも心理的に盛り上がっていないところで登場するので、やや拍子抜けでした。Trueエンドを見るための条件も、思わせぶりな台詞が用意されている割に大した内容ではないのが残念です。

終盤については消化不良な気持ちになる人は多いと思うので、続編と併せてプレイするのがいいでしょう。

 

Momodora: 月下のレクイエム を遊ぶには?

store.steampowered.com

store-jp.nintendo.com 

本作は2016年発売と、インディーゲームの中では比較的早い時期の作品ですが、しっかりと多機種展開されています。

Steam版はWindowsだけでなく、LinuxmacOSも対応。
Switch, PS4, XboxOneなどの家庭用機種でも遊ぶことができます。
コントローラー操作が向いている作品なので、好きな機種で遊ぶのが良いでしょう。

定価は概ね1000円程。セール時には最大で80%OFFになることもあるようなので、待ってみるのも良いかもしれません。
 

シリーズの他作品も軽く紹介しておきます。
1,2はitch.ioで無料でプレイできます。(日本語無し)

rdein.itch.io

rdein.itch.io
3はSteam/ itch.ioで販売中。(日本語無し)

store.steampowered.com本作「月下のレクイエム」と、5作目の「月影のエンドロール」はSteamで販売中です。
こちらはどちらも日本語対応。

store.steampowered.comMomodoraシリーズではありませんが、同じBombserviceが開発したメトロイドヴァニアとして「ミノリア」があり、こちらもSteamで配信中です。

store.steampowered.com 

まとめ

神秘的な世界観と美麗なビジュアルに引き込まれるメトロイドヴァニア作品。

個人的には、ソウルライクで爽快な戦闘がとても楽しい作品でした。

半面、探索要素はもう少し充実して欲しかったかも。

 
セール時には非常に安く手に入り、プレイ時間も5時間程と短めなので、少しでも気になった方にはおすすめです。
 

ゲーム音楽ピックアップ

store.steampowered.com

サントラはSteamで購入可能です。

単曲で強烈に印象に残った曲はありませんでしたが、本作の神秘的な空気感が凝縮されたサウンドトラックとなっています。

通しで聞くBGMとしては良いサウンドトラックだと思います。