【ゲームレビュー56】Keplerth

レビュー一覧

ジャンル 2Dサンドボックスサバイバル
メーカー/ブランド 開発: TARO / 販売: GameraGames
発売年 2022
ハード Win(Steam)
お気に入り度(0~10) 6
プレイ状況 ラスボス撃破(Easy) / Steam版

 

 

ラスボスが難しすぎてギブアップ……しそうだったのですが、難易度をEasyに落としたらクリアできました。
 

Keplerth とは?

store.steampowered.com

「TARO」によって開発、上海のパブリッシャ「Gamera Games」から発売されている2D見下ろし型のサンドボックスサバイバルゲームです。
現在(2023/06/06) SteamでWindows版が入手できます。言語は、英語・中国語のみで日本語非対応ですが、有志の制作した、ある程度のクオリティの日本語化modがworkshopにて公開されているので、日本語化して遊ぶことができます。

 

概要・ゲームシステム

世界は全て正方形のタイルで構成されていて、ブロックを置いたり壊したりすることができます。アイテムを集め、拠点を建築し、様々な道具や施設を作り、農作物を生産し、鉱石を採掘し、敵と戦いゲームを進めていく。王道なサンドボックスサバイバルゲームです。

まぁ簡単に言ってしまえば、見下ろし型のTerrariaのような作品です。ゲームシステムもTerrariaを大分踏襲しています。そのため、Terrariaについて知っていることを前提として、差分を中心に書いていきたいと思います。

 
マップは見下ろし型で、水平方向に無限(?)に広がる世界が舞台です。縦方向にも世界は広がっていて、ゲームが進行すると地下階層に行けるようになります。中盤以降はより深い階層へ潜っていくのが進行のメインとなります。
基本のゲーム進行は、装備を揃えてボスを倒す → 新たな階層に行けるようになる → 新たな階層で再び装備を整える。といったことの繰り返しです。各階層には固有の複数のバイオームがあり、ダンジョンなんかも配置されているので探索の甲斐があります。深く潜るたびに新しい敵や、新鉱石なども登場します。ダンジョンにいるボスは、倒すと次の階層に行くために必要なキーアイテムに加え、アクセサリや武器をドロップします。ドロップ品は複数あるので、何回もボスを倒すことになります。
その他に、村や町が生成されることがあります。村・街では買い物ができる他、後述する複製人間用の遺伝子を購入することができます。
 

プレイヤーの強化要素はTerrariaにも存在する防具や武器、アクセサリが存在しています。Minecraftのようなツールのエンチャントシステムもあります。その他で独特なものに、遺伝子モジュールがあります。敵を倒したり、特定のブロックを破壊した際に低確率でドロップする特別なアイテムを集めると、遺伝子モジュールを解禁できます。解禁したモジュールはパズルのピースの形をしていて、ヘックスパズルのマス目に上手く配置することで、パッシブ効果を発動することができます。
強化要素には遺伝子モジュールの他に、アクティブスキルが存在します。これは、マップ上に時々配置されているダンジョン(?)を攻略することで入手できます。2つまでセットでき、スキルボタンを押すことで効果を発動できます。

ダンジョン(?)の奥でスキルを入手

 
Terrariaと同様、NPCが拠点に住み着く拠点運営要素があります。本作のNPCは、各地で救助をすることで拠点にやってきます。居住しているNPCは昼間は拠点の家具や娯楽施設を利用し、夜になるとベッドで寝ます。快適な拠点を提供すると、NPCの満足度が上がっていきます。一定まで満足度が上がると、プレイヤーに施設利用料を支払ってきます。Terrariaと違い、NPCが物を売ってくれることはありませんが、あちこち動き回り様々な施設を利用するので、建築をする意義を生み出す要素になっています。後、純粋にNPCが増えると賑やかで楽しいです。
 
連れ歩けるサブ戦闘要員として、「ペット」と「複製人間」があります。

ペットの入手方法は2つあり、1つはスキルダンジョンの報酬としての入手。2つ目の方法は、その辺にいる野生動物や敵に対して首輪を使用することで確率でペットになる入手法です。後者に関しては、ペットにできる生物が多いので収集要素としても楽しめると思います。ペットは騎乗して足の速い移動手段として使う他、連れ歩いてサブの戦闘能力として使用することも出来ます。倒れても一定時間後に復活するので、ロストすることはありません。

複製人間は、村人との交易で入手できる遺伝子を集めることで作成することができます。使用する遺伝子によってさまざまな特性を持ち、組み合わせ次第では非常に強力になります。サブの戦力として使用できます。

マルチプレイヤー対応です。

 

良かった点

  • 見下ろし型サンドボックスとしての利点が生かされている
     
    2Dサンドボックスの代表的作品であるTerrariaは、横視点であるため世界が窮屈に感じられます。一方で、本作は平面の広がりを持っているので、地上世界だけでも広大な世界が広がっています。一方で深い地下世界も用意されているので、窮屈さを感じることは全くありませんでした。
    建築要素も、見下ろし型だからこそ機能的かつ美的な建築を行う意欲が湧き、良かったです。(個人的にはTerrariaでは建築意欲がわかなかったので…)
     
  • 遊びの要素は十分に揃っている
     
    ゲームの本筋の流れはもちろん、アイテムやペットの収集やハクスラ的要素、スキルの解禁など、サブで進める遊びの要素も十分揃っていて、やることが無くなってしまうことはありませんでした。
     
  • 拠点運営要素
     
    NPCが住み着く拠点運営要素に関しては、利益こそ大したものではありませんが、拠点が賑やかになるのが良かったです。置いた家具を使ってくれるのはすごくいいですね。
     

気になった点

  • 演出が弱い
     
    本作にはストーリー要素があります。ゲーム開始時やボス戦後に多少のイベントがあります。しかし、キャラの立ち絵と少しの会話があるだけで、印象に残るようなものではありません。致命的なのがラスボス戦のイベントで、作中の集大成ともなるシーンにもかかわらず、演出が弱すぎて全く盛り上がりません。ラスボス撃破後もスタッフロールすら流れることなく、後味の悪い会話イベントの後にストーリーが終了します。この消化不良さが作品のイメージを悪くしているので、バージョンアップで何とか改善してほしいものです。
    アクション面の演出に関しても、敵の攻撃に迫力が全く無いためボス戦は盛り上がるイベントにはなっていません。特に、ラスボスの1つ前のボスに関しては静止しているオブジェを殴り続けるだけなのでボス戦というよりは作業をしている気分でした。

  • 独自性のある面白いアイテムが少ない
     
    Terarriaでは多種多様で独自性の強い特殊効果を持ったアクセサリや武器の数々が、アイテム収集の楽しみになっていました。本作も特殊なアイテム自体はありますが、絶対数が少ないためアイテム集めの楽しさになっているかと問われると微妙です。
     
  • Normalの難易度が高い
     
    Normal以上の難易度は非常に高難易度に設定されています。難易度は主に敵の攻撃力に大きく影響します。攻撃パターンが変化したりすることはないので、この難易度の上げ方自体望ましいとは思えませんが、問題なのは攻撃力の上昇幅です。Normal以上の難易度において後半のボスは、作中のプレイヤーの強化要素をフルに活用してやっと倒せるレベルに設定されています。
    敵の攻撃よけるのが困難で、パラメータを上げて押し切るゲームなので、強化要素が生きる難易度が用意されていることはいいと思いますが、Normal難易度に関してはやりすぎな気がします。
     
  • 最初以外はほぼ地下での探索
     
    序盤は地上での探索がメインですが、中盤以降は地上でやることはほぼなくなり、地下での探索がメインとなります。ずっと暗い場所での行動が続くため、息苦しさを覚えてしまいました。
     
  • 鉱石の判別が困難
     
    他のサンドボックス系ゲーム同様、本作においても鉱石は重要アイテムです。しかし、一部鉱石のデザインがほぼ一緒で、見分けがつきません。特に、鉄と銀、銅と金の見分けは困難で、並んでいても分からない程です。
     
  • グラフィック
     
    本作のグラフィックは、解像度が高いことが裏目に出てチープな印象になってしまっています。特に最初はびっくりしました。もっとゲームらしいドット絵でも良かったかもしれませんね。
     

総評

要素は揃っていて十分遊ぶことはできますが、現時点でおすすめできるかと問われると微妙です。Terrariaが同系統のジャンルのハードルを上げ過ぎてしまったので、明確なフォロワーであり、突き抜けた点を持たない本作が微妙に感じてしまうという一面もあると思います。
 

ゲーム音楽ピックアップ

特に印象に残る曲は無かったです