【ゲームレビュー74】アクスレイ

レビュー一覧

ジャンル 縦&横スクロールSTG
メーカー/ブランド コナミ
発売年 1992
ハード SFC, WiiVC, WiiUVC
お気に入り度(0~10) 7+
プレイ状況 Normalノーコンティニュークリア / WiiVC版

 

 

アクスレイ とは?

www.nintendo.co.jp 

コナミが1992年に発売したスーパーファミコン向けの2Dスクロールシューティングゲームです。縦スクロールステージと、横スクロールステージが交互にやってくるのが特徴的。
WiiWiiUバーチャルコンソールに移植されていましたが、今では配信が終了しています。現在(2024/03/02)、オリジナルのSFC版以外に新規に入手してプレイする方法はありません。
 

概要・ゲームシステム

 
基本的には、一般的な2Dスクロールシューティングゲームです。
全6面構成で、1,3,5面は縦スクロール・2,4,6面は横スクロールなのが特徴です。
各ステージ道中+ボスという構成になっており、ボスを倒せばステージクリアです。
 

1面「雲の惑星」 巨大浮遊岩石群の間を抜ける縦スクロール面です

2面「コロニー」 青い惑星をバックに展開する横スクロール面です

3面「都市惑星」 都市上空の要塞を進んでいく縦スクロール面です

ステージの最後には巨大なボスが待ち受けている

家庭用オリジナルタイトルではありますが、硬派でクラシックなアーケードゲームライクな構成になっています。セーブは無く、途中のステージから遊ぶことも出来ません。
残機が無くなるとコンティニュー画面に移行し、クレジットを消費してコンティニューができます(3回まで)。クレジットが無くなるとゲームオーバーです。
再プレイ時には、1面から遊ぶ必要があります。
引き継がれるのは己の経験だけなので、ノーコンティニューでクリアを目指したり、ハイスコアを目指すのが基本の遊び方となるでしょう。
 
自機の兵装は、メインウェポンであるショットと、サブウェポンであるミサイルの2種。それぞれショットボタンと、ミサイルボタンを押すことで発射できます。どちらもオート連射です。
 
自機には、3つの強化武装(POD/SIDE/BAY)が搭載されており、ステージ中で好きなタイミングで切り替えることができます。(LRボタンを押すと切り替わる) 

  • POD: ショットがレーザーへと強化される武装
  • SIDE: ショットが特殊なバルカンへと強化される武装
  • BAY: ミサイルが強化される武装

また、POD/SIDE/BAY それぞれについて「どのように強化するか」の選択肢が用意されています。これは、各ステージ開始時に選択することができます。ステージが進むごとに、選択肢の数は増えていきます。

強化武装の選択肢が全て揃った状態

なお、強化武装装備中に被弾すると、その強化武装が壊れる代わりにミスを免れることができます。強化武装はシールドの役割も果たしているということですね。ちなみに、地形や敵に接触すると即ミスなので注意する必要があります。
 
強化武装がシールドになるおかげで、残機1つあたり最大3回まで被弾が許容されることになり、ミスへの許容度の高いゲームバランスになっています。スコアエクステンドで、残機がどんどん増えるのもあり、クリアまでに20回以上は被弾が許容されます。
 
ゲームのオプションとして、操作ボタンの変更や、連射速度調整、輝度調整などが付いています。

オプション画面

オプションには難易度変更があり、「Easy」「Normal」「Hard」「VeryHard」の4段階を選ぶことができます。Hard以上は最初は隠されており、1つ下の難易度でエンディングを見ることで解禁されます。
難易度を変えると、敵の撃つ弾が増えるだけではなく、敵のアクションが変化したり、配置数も増えます。
 

良かった点

  • 重厚で硬派なハードSF的雰囲気
     
    コナミSTGは、明るくポップな作品が多い印象があります。「ツインビー」シリーズや「パロディウス」シリーズが明るいのは当たり前なのですが、硬派路線の「グラディウス」シリーズも、STG全体で見るとポップで取っつきやすいイメージの方が多いのではないでしょうか。一方で、本作はシリアスなハードSF的な雰囲気作りに力が入れられており、コナミの他作品とは異なる空気感が演出されています。
     
    ビジュアル面では、縦スクロール面の歪んだ俯瞰視点はこの空気作りに大きく貢献していると思います。特に3面の都市上空ステージでは、独特の浮遊感を生み出しており、本当に街の上を飛んでいるかのような印象を残してくれます。
    更に、敵のデザインや攻撃パターンもどこか奇妙なものが多く、深遠な世界観が背景に広がっているではないか? と想像が捗るようになっています。
     
    ビジュアル以上に雰囲気作りに大きく貢献しているのが音響面です。
    各ステージの楽曲は静謐で重厚なイントロから、ステージの展開に合わせ劇的に展開し、ステージ終盤には壮大でヒロイックな曲調へと変化します。
    また、ショットの音やシステムサウンドも、重みのあるサウンドが採用されているのも良いですね。ゲームの効果音というよりは機械の発する音というイメージを与えてくれます。
     
  • 強化武器を切り替えて進むシステムの面白さ
     
    個人的には、3つの強化武装(POD/SIDE/BAY)を切り替えて進んでいくシステムが好きでした。シーンによって有効な武装が大きく異なるので、色々な武装を試してより良いパターンを組んでいく楽しみがあります。

    時には被弾して使いたい武装が使用不可になっていることもあり、その際にはアドリブで何とかする必要があります。
    パターンとアドリブのバランスは、STGの面白さの肝。
    本作では、この強化武器切り替えのシステムによって絶妙なバランスを実現しています。
     
  • 攻略が楽しい優れた難易度曲線
     
    Normalをプレイした限りにおいて、本作の難易度曲線はかなり優れていると感じました。
    始めた頃は1面をクリアするだけで精一杯でしたが、プレイしているうちにどんどん最高到達点が伸びて行って、すんなりとクリアできました。
    初見殺しで対処法さえ見つければ安定して抜けられるシーンが多く、安定が難しい箇所も豊富な残機である程度ごり押しが効くので、同じ箇所で苦しみ続けることもなく、終始ストレスフリーで遊べました。
     

気になった点

  • ネームエントリーが無い
     
    当時のアーケードゲームには当然のように搭載されているネームエントリー要素ですが、本作には何故かありません。
    家庭用作品だから不要というのも理解できるのですが、クリア後に即座にタイトルに戻ってしまうのはやや味気ない感じがしてしまいます。
     
  • 使いどころのない一部強化武装
     
    終盤ステージで解禁できる強化武装に関しては、性能がピーキーすぎて結局一度も使用しない物もありました。
    初期から使用できる強化武装が強すぎるのもありますが、メインで使用していた強化武装が壊れた際にピーキーな物を使用しなくてはいけないデメリットが大きいのも一因です。もし、そのピーキーさが大いに生きるステージ構成になっていたら、様々な武装がより生きたのではないかと思います。
     

総評

久しぶりに真面目にレトロSTGをプレイしましたが、とても楽しかったです。

SFC実機でしか遊べないのが難点ですが、独特のダークSFな雰囲気に興味がそそられる方にはおすすめです。
 

ゲーム音楽ピックアップ

www.youtube.comyoutube musicに公式でサントラが上がっています。
どの曲も素晴らしいのでぜひ一度聴いてみてください。

個人的おすすめは、 Colony, Mothor, Burning, Cosmos です。