ジャンル | 縦スクロール弾幕STG |
メーカー/ブランド | あうとさいど |
発売年 | 2020 |
ハード |
Steam |
お気に入り度(0~10) | 8 |
プレイ状況 |
Nightmare9面までクリア,TrialでExpert8面までクリア, Extraクリア/Steam版 |
コスモドリーマー
— SPD (@SPD_9X2) 2022年9月2日
Nightmareで9面までクリア!!
8面+隠し面、別でExtraまで用意されている作者の熱量が凄すぎる高品質な弾幕STG
面ごとに遊べるので、少しずつ遊ぶのに最適。何度も失敗すると残機が増えていく仕様のおかげで、最高難易度もしっかり楽しめるのが素晴らしい!
通しモードも有るよ pic.twitter.com/BVmSFslkUr
クオリティが高そうな作品だな~と思っていたら思った以上に素晴らしかった例
実を言うと、低難易度で最初に通したときは「クオリティ高めだけど少し地味かも…」と思っていましたが、高難易度に触れてこの作品の真価に気が付いてしまいました。
コスモドリーマー とは?
ゲーム制作サークル あうとさいど が2020年に配信開始した弾幕系STGです。どうやら1人で制作しているらしく、そのこと念頭に遊ぶと凄まじい熱量で作られているなぁと感心させられます。見習いたい!
現在Steamで配信されています。続編の「ライクドリーマー」がこれまたSteamで配信されています。こっちも遊んでみたいですね。
概要・ゲームシステム
一般的な残機+ボムの縦スクロール弾幕STGです。Cave作品の道中に東方のボス戦を足したような構成になっており、道中は小型敵と大型の敵が次々に出てきて誘導とパターン化が重要になり、ボスではスペカのような弾幕にガチ避けで挑む構成になっています。
メインモードは、ステージを1面ずつ攻略していく比較的珍しいシステムになっています。何度もゲームオーバーになると残機が増えるシステムになっており、遊び続ければいつかはクリアできるようになっています。
また、メインモードとは別にアーケード方式で通しクリアを目指すTrialモードが搭載されており、一般的なシューティングのように遊ぶこともできます。Caveシューフォロワー恒例の真ボスに加え、東方リスペクトっぽいExtraステージも搭載されています。両方やっているのはかなり珍しいかも!
難易度は4段階。下から3番目のExpertまでは比較的簡単で、STG慣れした人ならすんなりクリアできてしまう難易度です。一方で最高難易度のNightmareはCaveの2周目のような狂った弾幕が押し寄せる過激難易度となっています。
自機兵装は低速・高速時のウェポンを開始時に選択するシステムになっています。加えて、オートボム/武器強化 のどちらかを選択することができます。
良い点
- 溢れ出るSTGへの愛
本作には、過去のSTG作品へのパロディが多分に含まれています。STGをたくさんプレイしてきた人程、にやりとできるパロネタの数々は、多少食傷気味なところはありながらもやっぱり好きなんですよね~
とはいえ、本作ではあからさまなパロディでは無く、分かる人には分かる程度に抑え、ゲームの中に違和感なく忍び込ませているのが素敵です。
こういったパロネタは、プレイヤーと作者がコンテクストを共有していることの確認になるので、プレイヤー側からすると結構安心するんですよね。コアプレイヤーが多いSTGだからこそ成り立つ面白い文化(?)だと思います。 - 溢れ出る作品への情熱
本作、純粋に作り込みが凄いです。本編だけで8面まであるのに加え、真ボスの登場する隠し面、別でExtraステージまで用意している大ボリュームの構成、しかも難易度が4段階用意されています。一人で作っていることを考えるとかなり手の込んだ作品だな…という印象。
それでいて、敵配置やボス戦の弾幕、更には細かな演出も抜かりなくハイクオリティに仕上げているのは熱い情熱があるからこそなせる業でしょう。特に道中はかなりCave感を出すことに成功していると思います。
- どんなプレイヤーも楽しめるように、随所に仕込まれた工夫
難易度が非常に簡単なものから、超高難易度まで用意されているのは昨今の高品質な同人STGでは珍しくないかもしれません。しかし、本作はそれだけでなく、より幅広いプレイヤーが楽しめるような工夫がたくさん仕込まれています。
まず1点目としては、メインモードが1ステージごとのクリア制になっていること。他STGならば練習用のステージセレクト機能になってしまうものをメインに据えることにより、「繰り返し短い区間を練習してパターンを組み精度を上げていく」というSTGに必須の技能を初心者が自然と身に着けられるようになっています。何度も失敗すると残機が増えるのでいつかはクリアできる仕様や、ちゃんと玄人向けの通しモードがある仕様も素晴らしいです。
2点目は、オートボムと武器強化が選択制なことです。手動ボムを撃つほどゲームが有利になるシステムは怒首領蜂大復活などでも実装されていましたが、これをこういった形で実現するのはかなりいいアイデアだと思います。具体的には、以下の4つから選択制になっています。- 被弾時ボムを1つ消費
- 被弾時ボムを全て消費、高速時ショット強化
- 被弾時ボムを全て消費、低速時ショット強化
- オートボム無し、低速・高速両方のショット強化
気になった点
- ステージ間の視覚的変化にやや乏しい
ステージごとに特徴を出そうとした努力は見られるものの、特殊なボス戦などもないため、視覚的にやや単調な感じがしてしまいます。弾幕や敵配置は何度も使いまわされることもなく、やり込むと単調には感じないのですが、初プレイ時の第一印象では単調さが目立ってしまっていました。
- キャラクターが会話しない
これは完全な好みの問題な気もしますが……
本作はボス戦は全員人型キャラクターという東方のフォーマットを取っているのですが、いわゆる会話シーンがありません。エンディングでも文字でのストーリー表現はなく、挿絵のみでキャラクターや世界観を表現しています。これ自体は、表現方法として珍しいいい方法だと思います。
ただ、会話がないことでキャラクターの印象が残り辛く、先述した単調なイメージに拍車をかけてしまっていたのが個人的には少し気になりました。
総評
作者のSTG愛と、作品への真摯な向き合い方が垣間見える高品質な弾幕STGに仕上がっています。STGが好きな方はもちろん、遊んだことのない方にもお勧めできる作品に仕上がっていると思います。
唯一気になった視覚的単調さに関しては、続編の「ライクドリーマー」で改善されているっぽいので、こちらを遊ぶのも良いですね。
ゲーム音楽ピックアップ
- Stage 5
曲としては特筆するほどではないですが、曲調の変化と合わせて特徴的な大型敵が出て来る演出が好きです。
- Stage 7 Boss
他の曲に比べるとかなり印象的な曲。ケミカルな音(?)が癖になるかも
- Stage 8
熱いラスト面の曲。難易度Nightmareでクリアするために40回くらい聞きました。