ジャンル | 弾幕アクション+ADV |
メーカー/ブランド | CreSpirit, No Stuck Game Studio |
発売年 | 2022 |
ハード | Win(Steam) , Switch |
お気に入り度(0~10) | 7+ |
プレイ状況 | クリア/Steam版 |
ラストコマンド
— SPD (@SPD_9X2) 2023年4月4日
Rabi-Ribiで有名なCreSpiritとDinaya氏開発の弾幕アクション+アドベンチャーゲーム
プログラムの世界を舞台に、相棒のフェイと旅する物話
弾幕を避けつつアイテムを拾い、アイテムを敵に叩きこむことで攻撃する独特な戦闘が最大の長所で、ギミック満載で緊張感溢れる戦闘が楽しめます pic.twitter.com/fN2Vu9vIbJ
発売直後にギフト爆撃されたのを少しずつプレイ。Rabi-Ribiも積んでいるのでやらないとな……
重大なネタバレについては触れないで紹介します。
ラストコマンド とは?
store-jp.nintendo.com
Rabi-Ribiで有名な台湾のインディーディベロッパCrespiritが、No Stuck Game Studioと共同で開発し、2022年10月から販売している弾幕アクション+アドベンチャーゲームです。
現在(2023/04/05)はSteam版とSwitch版があり、両方日本語対応されています。リリース時は翻訳のクオリティが低かったようなのですが、今は当時に比べると改善されているようです。一部演出がPCという環境の特性を活用しているので、Switch版では置き換えられていると思います(Switch版未プレイなので分かりませんが)。
概要・ゲームシステム
本作のゲームプレイは探索と戦闘の2つのフェーズに分けることができます。
1つ目の探索フェーズでは、見下ろし視点のフィールド上を探索して、NPCと会話したり、アイテムを集めたりします。探索しつつ、イベント(戦闘含む)を進めていくことでゲームが進行していきます。
探索パート中にはイライラ棒のように障害物をよけて進むシーンが多く登場し、分岐の先にアイテムが落ちていたりします。ちなみに拾えるアイテムはモジュールパーツと呼ばれる物で、複数個集めると合体してモジュールになり、戦闘時に使えるスキルとなります。
探索パートの各所で起きるイベントでは戦闘が発生。戦闘フェーズに移行します。本作の戦闘は簡単に言えば、弾幕を回避しつつ、アイテムを集めて敵に攻撃を繰り返すシステムとなっています。雰囲気的にはUndertaleに近い戦闘なのですが、システム面を見ると全然違います。
まず、プレイヤーの移動に関して。高速状態と低速状態があります。低速状態ではプレイヤーは点1つの見た目で、当たり判定も小さいです。高速状態ではプレイヤーはヘビゲームの蛇のような見た目になります。弾に当たるとダメージを受けるのは頭の部分だけなのですが、しっぽの部分に被弾すると集めたデータ(後述)を落としてしまいます。本作はアイテム集めのために画面を縦横無尽に動き回るので、低速と高速の切り替えが非常に重要になっています。
移動以外にプレイヤーのできる基本操作は「ダッシュ」と「解析」です。
ダッシュは時間経過で回復するダッシュゲージを使用して発動します。発動すると現在の進行方向に一定距離瞬間移動します。敵弾をすり抜けたり、早く移動するために使います。0.1秒だけダッシュ後の無敵もあります。
解析は、敵に攻撃をするためのアクションです。発動中は低速状態になり、拾ったデータ(アイテム)を消費して敵に攻撃します。そのため、発動のためにはデータを集める必要があります。データは戦闘中にランダムに出現し、1つ拾うと次のアイテムが出現するようになっています。データを沢山溜め込むとその分だけ高速移動時の蛇のしっぽが長くなっていき、被弾しやすくなります。しかし、一定数以上データを集めると「高効率状態」となり解析時間が短く、なおかつ解析中の移動速度が増加する特典があります。そのため、リスク&リターンのとれたシステムになっています。
敵に攻撃すると、敵のハートにダメージが蓄積していきます。ハートが100%になった時に、近づいてダッシュを当てることで次の形態に移行します。しばらく攻撃を当てないとハート蓄積ダメージが減少していってしまいますが、ハートに触れることによって今までに与えたダメージを確定させ、その時点以下には減少しないようにできます。ただし、ハートの近くに弾源があることも多いので、リスク&リターンのあるシステムですね。
戦闘中にはチェックポイントがあり、一度到達すれば以降はゲームオーバーになっても祖にチェックポイントから再開となります。ただし、復活回数制限があり、一定回数を超えてしまうと最初からになります。
本作の戦闘は全てイベント戦であり、所謂ランダムエンカウントは存在しません。そのため、ボス戦の比率が非常に大きく、中盤以降はほぼ全てボス戦と言っても過言ではないです。
ボス戦では7~9程度の形態が用意されていて、各ボスのイメージに合わせた様々な攻撃を放ってきます。特殊なギミックを持ったボスも多く、ゲーム全体で見たときのレパートリーはとても豊富です。
ボス戦は難しく骨が折れるものも多いですが、難易度選択がストーリーの途中でも可能なので、難しければ難易度を下げてプレイすることも出来ます。また、付けているモジュール(スキル)によっても難易度が大きく変化するので、色々試してみるうちに突破できることも多いです。
ストーリーは相棒(ヒロイン?)のフェイと共に、プログラムで構成された世界を旅するもの。序盤の展開のネタバレになりそうなのであまり踏み込まないでおきます。主人公の名前がPYTHONなのは苦笑してしまいました。
良かった点
- 緊張感溢れ、視覚的にも楽しい戦闘
本作は戦闘に関してはとても良く出来ていると思います。システムは、リスク&リターンのバランスの取れているため、アクション性・戦略性がどちらも試され、緊張感あふれるものになっています。只細々と弾を避けるのではなく、時には大胆に弾幕を掻い潜りアイテムを拾いに行く必要が出て来るため、メリハリの効いたプレイ感覚になっています。
敵の攻撃のバリエーションも豊富で、思わずツッコミを入れたくなる荒唐無稽な攻撃をしてくる敵もおり、プレイしていて飽きることが無く最後まで楽しめました。
- アドベンチャーパートと戦闘パートのリンク
本作の戦闘はほとんど全てがイベント戦であり、確りとシナリオ中での意味を持っています。戦闘中にストーリーが進むこともしばしば。
そのため、エンカウントしたからと仕方なくこなすような戦闘がなく、戦闘パートにしっかりと特別感があります。Undertaleの戦闘のような特別感を想像してもらえばいいかもしれません。
気になった点
- ストーリー/世界観面
ストーリーや世界観に関してですが、可もなく不可もなくといった感じの内容になっています。人それぞれ好みの問題もあるでしょうから、一概には言えないと思いますが、少なくとも個人的には刺さりませんでした。
世界観はSF的ではありますが、細部まで緻密に設定が詰まっている感じがせず、最低限シナリオ進行に必要なものを出している感じが否めませんでした。登場キャラクター間の関係も単純なため、世界設定に説得力が足りず、入り込めない感じがしました。シナリオに関しては良く出来ていると思いますが、私は世界観に入り込めないと楽しめないタイプの人間だったので……
また、あるキャラクターの扱いが悪すぎるのも気になりました。
終盤の展開と演出に関しては割と好きです。後、知っていると笑えるメタなネタが入っているのも好きです。
- 探索パートのシンプル過ぎるビジュアルとマップ
プログラムの世界が舞台という事で、探索パートのマップは直方体で構成された透明感あるシンプルなデザインになっています。そのためかマップが色彩や変化に乏しく、作中のどの場所も同じようなイメージになってしまっています。
イライラ棒のような障害物回避シーンも最初から最後まで登場しますが、ギミックが少ないためずっと同じことをさせられているような感覚に陥ります。
探索パートが単調な分、戦闘パートの特別感が増しているので必ずしも悪くはないかもしれませんが……
総評
戦闘パートは面白いです。特に、Undertaleの戦闘が好きだった人にはかなりお勧めできると思います。戦闘の分量も多いので、戦闘だけ楽しむつもりで始めてもいいと思います。
一方で、シナリオ面や探索パートは私は余り楽しめませんでした。シナリオに関しては、決してクオリティが低いわけではないので人によってはそちらも楽しめると思います。
長短ある作品だと考えていますが、私の意見はあくまで一意見にすぎません。Steamでは1000件以上のレビューがあり、圧倒的に好評(96%好評)になっている作品です。気になった方は是非プレイしてみてください。
ゲーム音楽ピックアップ
本作の音楽は、Youtubeに公式音源が上がっています。
- Hime.exe
youtu.be
プレイしていて印象に残っているのはこの曲です。純和風戦闘bgmで好き。