【ゲームレビュー22】Ori and the Will of the Wisps

レビュー一覧

ジャンル メトロイドヴァニア
メーカー/ブランド Moon Studios
発売年 2020
ハード Win(Steam etc...)/Switch/XBOXOne/XBOX XS
お気に入り度(0~10) 8+
プレイ状況 エンディング回収/Steam版

 

 

前作「Ori and the Blind Forest」がとても好きだったので、発売直後から買っていたのですが、PC性能的に厳しく積んでいました。当時よりPC性能が改善し、やっとまともに遊べるようになったので遊んだ感じです。

 

Ori and the Will of the Wisps とは?

store.steampowered.com

Moon Studiosが開発、Microsoftが2020年に発売した探索アクションゲーム(メトロイドヴァニア)です。Win(Steam等)、Switch、One以降のXbox系列ハードでプレイすることができます。

本作は「Ori and the Blind Forest」の直接的な続編となっています。Blind Forestの方はSteam版が常時セール時価格になっており、528円で購入できます(2022/03/31時点)。アクション・演出・ストーリー全ての面で前作のプレイをしていた方が楽しめると思いますので、ぜひ前作をプレイしてからをお勧めします。

また、L,Rボタンが2個ずつ付いたコントローラーが操作にほぼ必須ですのでご注意ください。Xbox系のコントローラーの使用が想定されて開発されてると思います。

 

概要・ゲームシステム

基本のゲームシステムは、一般的なメトロイドヴァニアに準じます。
物語の舞台となるニゥエンの広大なマップを探索し、各地にある長老樹から「能力」を獲得することで行動範囲が増えていきます。
一部の能力は、3つのボタンに一つずつ割り当てて使用し、随時切り替えながら進んでいくスタイルになっています。

また、至る所に隠しアイテムが配置されていて、集めることでOriが強化されていきます。隠しアイテムとしては、HPが増える「ライフセル」やエナジー(MP)が増える「エナジーセル」の他に、「精霊のかけら」があります。
この「精霊のかけら」は、スロット(初期は3つ)にはめることでパッシブスキルを得ることができるアイテムです。パラメータ強化系の他にも、三段ジャンプのような機動力強化系のかけらもあります。

時にはボス戦があります。ボス戦は、よくある作品のようにボスに攻撃を叩き込んでHPを0にすれば勝利の物の他に、前作の脱出ステージを継承したものもあります。後者は、敵に追いかけられるタイプのボス戦で、崩れていくステージの最後までたどり着けばクリアとなります。両者を混合した、戦闘と逃走を交互に繰り返すボス戦もあります。

他に、敵と連戦を潜り抜けると精霊のかけらのスロット数が増える「精霊の殿堂」や、ステージを駆け抜けてタイムを競う「スピリットトライアル」などの新しい遊びも追加されています。特に後者はオンラインランキング対応で、speedrun.com でRTAのカテゴリの対象にもなっているようです。

ゲーム中には、前作と異なりたくさんのNPCが登場します。それに合わせて、クエスト要素が追加されました。クエストは受注数制限などはなく、ゲームを進めていくとある程度はいつの間にかこなせているくらいのバランスになっています。また、「湧き水の森の空き地」にはたくさんのNPCがいて、この空き地を住みやすい場所に変えるためにたくさんのクエストがあり、拠点のような扱いになっています。

その他、前作からの大きな変更点としては死亡時の復活仕様があります。前作はセーブポイントエナジーを使用して作成する独特のシステムでしたが、今作ではそれは廃止され、既定のポイントを通った際に自動セーブされるようになりました
また、前作ではマップストーンを復元することで周囲のマップが解禁されましたが、本作ではルポというNPCを見つけて購入することでマップを獲得できます。

良い点

  • 前作からさらにパワーアップした超美麗なグラフィック
     
    グラフィックの素晴らしさはシリーズ一作目からのウリでしたが、本作ではそれがさらにパワーアップしており、どこを切り取っても画になります。特にルマの緑地エリアのグラフィックは細部まで凄まじい作り込みを感じてとても好きです。
     
  • 多彩で機動性の増したアクション
     
    Oriの機動力は前作よりも遥かにインフレしていて、前作で中盤で手に入った能力がかなり最初の方から使えるようになり、中盤~終盤にはさらに自由度の高いアクションが追加されます。
    そして、高い機動力を生かすボス戦なども多数追加されており、スピード感溢れるアクションの魅力を存分に味わうことができます
    Oriの攻撃手段も多数追加され、特に近接攻撃は打撃の爽快感があり好きです。
     
  • 前作以上に増したロケーションとギミック
     
    今作は前作より各エリアのテーマがはっきりしており、雪山や砂漠・サンゴの海など独特なエリアが多いです。各エリアにはしっかり固有のギミックが用意されています。
    ギミックの仕様を理解して、適切なアクションと組み合わせることでやっと回収できるアイテムなどもあり、探索要素とギミックがうまく融合し、探索要素の中に謎解きっぽさを生み出しています。
     
  • パワーアップした脱出ステージ
     
    前作であった脱出ステージは数・バリエーション・演出がパワーアップして今作にも登場。巨大な敵が追いかけてくる中、Oriのアクションをフルに活用して全速力で駆け抜ける構成になっています。
    プレイ動画はもはや映像作品のよう。この脱出ステージをまた遊ぶために周回したくなる魅力を持っている要素だと思います。
     

気になった点

  • 増えすぎた操作
     
    前作の時点でもそうでしたが、使用するボタンの数が非常に多く、LRがそれぞれ2つずつあるXbox系コントローラーが無いと操作は厳しいものになっています。
    また、ボタンが足りず一つのボタンに複数の操作が割り当てられていることもあり、意図しないアクションが出て困惑することが多々ありました。
    アクションは一つ一つ増えていくので、操作が複雑すぎてついていけないという事はないと思いますが、途中で長期間プレイが空いてしまうと、忘れてしまって苦労するかもしれません。
     

総評

美麗なグラフィックと卓越したセンスの演出力は、メトロイドヴァニアというジャンルの中でも突出した完成度を誇っていると思います。演出に力を入れながらも、ゲーム性の面も素晴らしい完成度の完璧な作品と言えるのではないでしょうか。
総じて、前作「Ori and the blind forest」を純粋にパワーアップさせたような続編になっていると思います。まず前作をプレイし、気に入ったら是非こちらも遊んでほしいです。
 

ゲーム音楽ピックアップ

本作の曲は、全てYoutube( Ori and the Will of the Wisps (Original Soundtrack Recording) - YouTube )で聞くことができます(公式)。嬉しいですね。



1. Escaping a Foul Presence
最初の脱出ステージの曲です。前作のテーマが使用されており、ロケーションも相まって前作既プレイならピンとくること間違いなしです。

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2. Luma Pools
ルマの緑地です。この爽やかさが素晴らしいです。

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3. Escaping the Sandworm

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4. Shriek and Ori

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