ジャンル | ポイント&クリックADV |
メーカー/ブランド | Lizardry |
発売年 | 2022 |
ハード | Steam,iOS,Android |
お気に入り度(0~10+) | 7 |
プレイ状況 | 全エンディング回収/Booth版 |
7 Days to End with You
— SPD (@SPD_9X2) 2022年2月28日
目を覚ますと、そこは謎の女性が一人で住む家。彼女の話す言語を解読しつつ、失われた記憶と彼女の正体に迫っていくポイント&クリックADV
言語解読の過程が非常に面白く、考え抜いた末に単語の意味をズバリ的中させる独特なアハ体験が味わえるインディーならではの作品でした pic.twitter.com/Wfg11etDFT
最近Twitterで話題になった作品です。
ギフトで頂いたのを複数人で通話しながら楽しみました。
推理が主な楽しみの作品ですので、ネタバレは極力避けて書いていきます。
7 Days to End with You とは?
Lizardry氏が2022年に発表した「未知の言語の意味を推理する」というコンセプトのポイント&クリックアドベンチャーゲームです。
Steamで購入できるほか、iOS,Android版もあるようです。
私はSteam版でプレイしました。
概要・ゲームシステム
本作は、「言語推理アドベンチャーゲーム」です。作中に出て来る言語は、UIや主人公のモノローグを除き全て独自言語になっています。どの単語がどんな意味なのかを推測することで、物語を理解できるようになっています。
本作は基本的には、推理物などによくあるポイント&クリックの探索ADVの形式の形式をとっています。部屋を移動し、気になるところをクリックすると、同行している女性がそれについて話してくれます。もちろん、会話は全て独自言語で進行します。
この独自言語を理解するために、「辞書」システムが搭載されています。このシステムは、見たことのある単語にそれぞれ好きな訳を付けることができるシステムです。訳文には、日本語も利用可能です。一度訳を付けると、以後その単語が登場したときに単語の横にその訳が併記されるようになります。また、単語をクリックするとすぐに辞書に飛ぶことができるので、適宜訳を付けたり、訳を変更したりしながら進めていくことができます。さらに、単語が登場した場面を回想したり、単語に色を付けておく機能も搭載されています。
本作には時間の概念があり、マップ切り替えを行うたびに時間が経過するようです。時間は昼→夕方→夜と進行し、一定時間が過ぎると寝ることになり、7日目にはエンディングを迎えます。それまでの行動でエンディングが変わる要素があります。
時間経過で発生するイベントがいくつか用意されているほか、料理や植物への水やりといった小イベントが用意されています。これらのイベントは、ある程度言語が理解できていないと正解できないため、訳の正しさを検証するよい機会となっています。
良い点
- 言語を解読する唯一無二のゲーム体験
単語の登場する状況や小さなヒントから、ひとつひとつ推理を重ねて言語を理解していく過程が非常に面白いです。特に、ある程度関連するワードに関しては一つ分かった時に芋蔓式にたくさんの単語の意味が分かることがあり、その時の靄が晴れるような感動には凄まじいものがあります。謎解きが好きな人ならば絶対に病みつきになるでしょう。
複数人で挑むのも面白いと思います。
- 使い勝手の良い辞書システム
辞書システムがよくできており、解読の強力なお供となってくれます。本作のコンセプトを初めて知った時、「本当にゲームになるのか…?」と不安に思ったことがありましたが、辞書システムが快適な解読に必要な機能を十分に提供しているおかげで斬新なコンセプトを楽しく遊べるゲームまで昇華しています。
- どこか退廃的な雰囲気と、漂うサスペンス風味
作中にはどこか退廃的で寂しい雰囲気が漂っています。思わせぶりなオブジェクトなども配置されており、言葉がわからないことによる追加効果でサスペンス感が大幅上昇しています。
問題点
- 一部ヒントが少なすぎる単語の存在
登場場面や回数が限られ、単語の意味をズバリ当てるのが困難な単語がいくつか存在します。その内、一部はエンディングを見るためのストーリー理解にも必要になってくるので、全ての登場場面を見てなお理解できないと厳しいです。
一方、解読してもシナリオの本筋に何も関係ない単語もあったるするのがこれも少し残念でした。
- やや要素不足
7日間はちゃんとプレイすれば4~5時間程度の長時間になりますが、その内で起こるイベントが数回とプレイ時間に比べるとかなり少ないと感じました。大半の時間はオブジェクトをクリックして帰ってくる台詞を見ながら、熟考する時間になります。もっとたくさんイベントを詰め込んでくれると、解読もしやすくなりゲームも単調にならず良かったと思うのですが……
舞台背景はなかなか衝撃的でしたが、エンディングはそれを生かした劇的なものが無かったのがやや残念でした。
総評
「言語解読」という斬新なアイデアをしっかりとゲームとして形にした作品です。
その唯一無二のプレイ体験は、推理が好きなプレイヤーを虜にすること間違いなしです。一方で、練り切れていない詰めの甘さを感じる作品でもあります。
シナリオや演出を重視する場合はお勧めできませんが、推理自体が好きな方はぜひ手に取ってほしい作品です。
ゲーム音楽ピックアップ
本作の曲に関するデータがまず見つけられませんでした…