ジャンル | ウォーキングシム+パズル |
メーカー/ブランド | Pillow Castle |
発売年 | 2019 |
ハード | Win(Steam,Epic,GOG), PS4, XB1, Switch |
お気に入り度(0~10) | 7+ |
プレイ状況 | 通常クリア/Steam版 |
Superliminal
— SPD (@SPD_9X2) 2023年2月27日
夢の世界を舞台にしたウォーキングシム(+少しパズル)
近くの物を掴み、遠景を背景にして手放すと巨大化するシステムを活用して道を切り開いていく
遠近法や錯視、思い込みなど、多様な要素フルに活用した不思議で意外な現象が畳みかけるようにやって来て、翻弄されるのが楽しい作品です pic.twitter.com/TWKcJoF2dF
一時期多くのゲーム実況者が遊んでいたタイトルのようで、動画のサムネイルに出て来るのを何回か見たことがありました。小粒で新鮮な作品を遊びたい気分だった時、本作のセールがおこなっわれているのを発見し購入、半日かけてクリアしました。
Superliminal とは?
Pillow Castleが2019年に配信開始した、遠近法や錯視をテーマにしたウォーキングシムです。Steamで配信されているほか、Epic Game StoreやGOG.comでも配信されているようです。コンシューマー版としてPS4, Xbox One,Switchにも配信されています。恐らくプラットフォーム間での内容の差異は無いと思います。
概要・ゲームシステム
夢の世界を探索することで心理カウンセリングを受けるという設定で、様々な不思議体験を楽しむウォーキングシムです。1人称3Dパズル要素も少しあります。
本作の最大の特徴ともいえるのが、遠近法を利用してアイテムのサイズを変えるシステムです。掴んだアイテムを遠景をバックにして手放すと、遠景に巨大化してアイテムが出現し、一方で遠景にあるものを近距離の壁や床を背景に手放すと小さくなります。イメージが掴みにくいとは思いますが、上記掲載のPS4版の紹介映像を見て頂くのが分かりやすいと思います。
このシステムを活用にして、ゲーム中のオブジェクトに働きかけ、時にはパズルを解いて進んでいくのが本作のゲームプレイです。最初こそ、ただアイテムを拡大縮小して進んでいくだけですが、途中からは単なる拡大縮小に留まらない多様な反応をするオブジェクトがどんどん登場します。多様なアイデアに富んだオブジェクトの挙動には、誰もが驚かされることでしょう。
オブジェクトだけでなく、作中のシーンにも面白いものが多々登場します。おかしな繋がりの空間、大小関係が明らかに狂った空間など、3Dだからこそ出来る不思議なシーンが多く用意されています。
多くの実況プレイが上がっているように、プレイヤーの反応も含めて面白い作品だと思いますので、配信等をしつつ、複数人で一緒に考えながら遊ぶのもおすすめです。
作品全体は章立てになっていて、到達した章から再プレイができます。途中に分岐エンディングが存在し、シークレットも多数仕込まれているのでクリア後に回収してみるのも良いと思います。クリア後にはタイムアタックモードが解放されるので、リプレイ性も多少はあります。
良かった点
- 驚きに溢れた濃密な体験
本作のゲームプレイには最初から最後まで新鮮で驚き溢れる体験が詰まっています。物体を大小させて解くパズルシステムは本作の一部でしかなく、メインはプレイヤーの周囲で起こる不思議現象の数々です。
Loadning画面にまで仕込まれた、プレイヤーを楽しませるためのアイデアの数々を短い時間でがっつりと摂取できるのが本作の最大の魅力だと思います。
似たような作品として「The Stanley Parable」がありますが、体験の密度の観点で言うと本作に軍配が上がると思います。
- 美しく、どこか不穏な世界観描写
本作は夢の世界が舞台という事もあり、雰囲気ゲームとしても優れています。特に、liminal spaceが好きな人には刺さると思います。
- リプレイ性
ウォーキングシム系のゲームはリプレイ性が全くない物も少なくありませんが、本作はシークレットやタイムアタックモードの存在によりリプレイ性があります。
気になった点
- パズル要素は弱い
本作のパズル要素はおまけ程度で、全て思い付き一発で解けるものです。Portalのように、与えられた条件下で頭を悩ませて解くようなシーンは存在しないので、パズルを期待するのはやめた方がよさそうです。
- 目的が無いので冗長に感じやすい
作中で明確な目的が提示されないので、進行にメリハリがありません。特に、中盤は詰まりやすいシーンも多く、ロケーションも限られているので冗長に感じてしまうかもしれません。
一方で終盤は不思議体験が一気に加速し、終盤であることが分かりやすく提示されるため楽しく遊べました。
総評
不思議体験ゲームとしてとても良く出来た作品です。世の中にトリックアートや錯視をメインに据えたコンテンツは溢れていますが、その中において本作は群を抜いた完成度・充実度であると言えるでしょう。
パズルゲームを求めている方にはお勧めできませんが、トレーラーを見て興味を持った方にはお勧めです。
ゲーム音楽ピックアップ
本作の楽曲はヒーリングミュージック感のあるアンビエントが揃っています。