ジャンル | 短編adv+パズルアクション |
メーカー/ブランド | 開発: YO FUJII / 発売: Flyhigh Works, IndieArk |
発売年 | 2022 |
ハード | Steam(Win), Switch, PS4, PS5, XBOX X/S |
お気に入り度(0~10) | 7 |
プレイ状況 | 本編クリア, おまけ3-3まで / Steam版 |
GOODBYE WORLD
— SPD (@SPD_9X2) 2023年9月13日
専門学校を卒業して、インディーゲーム制作で生きていくことを決めた二人を描いた短編ADV
advパートと、アクションパズル「blocks」を交互に遊んで進行します
好きなことで生きていくことの魅力と世知辛さ、物を作ることへの情熱と葛藤
最後にはエネルギーを貰えるいい作品でした pic.twitter.com/xYNQrTySsT
ギフトで頂いたのでプレイ。ネタバレは避けます。
GOODBYE WORLD とは?
インディーゲーム制作者の YO FUJII氏が開発した、短編のナラティブなアドベンチャー+アクションパズルゲームです。
SteamでWin版が購入可能な他、各種コンソール版もあります。
あらすじ
プログラマーの蟹井(かにい)とグラフィッカーの熊手(くまで)は、専門学校時代に出会った。
卒業後、インディーゲームを作るため、就職をしない道を選んだ二人だったが、待っていたのは厳しい現実だった。
ゲームは売れず、バイトの勤務時間ばかりが増えていく…
もっと売れるゲームを作らなければと焦る蟹井に対し、熊手はある決断を下す。
―― Steam版ストアページより引用
概要・短評
インディーゲーム開発をテーマにしたアドベンチャーゲームです。
専門学校を卒業した後、インディーゲーム制作で生きていこうと決めた二人が辿る苦難の道を綴るアドベンチャーパートと、ゲームボーイ風のアクションパズルゲーム「blocks」を交互に遊んで進行していきます。
アドベンチャーパートには基本的に選択肢による分岐や操作をする要素はなく、ナラティブに進んでいきます。内容に関しては後述。
アクションパズルは、ブロックの破壊 & 設置をメインに据えたゲーム性となっています。ステージ中には破壊可能なブロックが設置されていて、破壊することでアイテムとして入手できます。ブロックアイテムは好きな位置に再設置することができ、足場として使ったり、敵を潰すのに使ったりしつつ、ゴールを目指します。
イメージとしては、ファミコンの名作「ソロモンの鍵」が一番近いかもしれません。
本編中においては、少しアドベンチャーパートを進めるごとに「blocks」を1ステージずつ遊ぶことになります。この時、ステージクリアすれば当然次のアドベンチャーパートへ進みますが、クリアできなくても残機を3つ失えば自動的に次のアドベンチャーパートに進むことになっています。
特に、後半のステージは難しいので初見時に残機3以内でクリアは困難でしょう。詰まることが無いようにするための仕様だと思いますが、個人的にはちゃんとアクションパートをクリアしてから先に進むという選択肢も与えて欲しかったと思います……
本編をクリアすると、おまけとして「blocks」を1-1から通しで遊べるようになります。3-3が難しすぎて投げましたが、クリア後に一度遊ぶ分には面白いと思います。進めていくうちに、ブロックの積み方に関して色々なテクニックがある事に気が付く構成になっていて、短いアクションパズルパートの中でそれらを活用するシーンをしっかりと詰め込んでいます。パズル要素が強いためリプレイ性は低いですが、本編クリア後にやらずに終えてしまうのはもったいないと思います。
さて、ここからは本作の核であるアドベンチャーパートについて触れていきたいと思います。
ストーリーはストアページのあらすじにもある通り、インディーゲーム開発で生きていくことを決めた2人がぶつかる厳しい現実が中心に描かれます。なぜゲームを作るのか、本当に自分は好きなことをしているのか。そして現実とどう向き合うのか。劇的に何かが起こるわけではないからこそ、リアリティのある苦痛と絶望が上手く表現されています。
美麗でよく動くドット絵風グラフィックの高い表現力、そして高い演出力で魅せる構成は見事。特に、終盤の展開にはグッと来ました。
ただし、本作は「ゲームの話」として見た場合は描写が弱いと思います。主人公は専門学校に行ってしまうくらいのゲーム好きの筈なのに、ゲームに対する哲学や拘りの描写がほぼありません。そのため、「ゲームの話」としてはリアリティが感じられない作品になってしまっているのが残念だなぁと思いました。
具体的には、何故「そのゲーム」を作りたかったのかという描写がほぼ無いので「作りたいものを作る」という言葉に説得力が無くなってしまっています。更に、普段遊んでいるゲームの内容や、何が好きで遊んでいるのかという描写も無いので、主人公のゲーマーとしての人柄も分からないんですよね。この点がしっかり描かれれば、プレイヤーが同じゲーム好きとして共感できるポイントになったのになぁと思います。
そんなわけで、主人公達が苦痛を乗り越える青春を描く作品としては楽しめましたが、「ゲームの話」としては楽しめなかったというのが率直な感想です。
ただ、作中の主人公たちのゲーム作りに対する姿勢に関しては、確かにエネルギーは貰えました。人によっては人生を前に進める起爆剤となりうる作品になるかもしれません。
ゲーム音楽ピックアップ
アンビエント以外には、lofiな曲が揃っていて素晴らしいです。
ただ、曲に関する情報がどこにも無い…!
www.youtube.com
こんなものが上がっていました。この動画は何…? (公式だとは思います)