ジャンル | 探索ADV |
メーカー/ブランド | Studio Sott |
発売年 | 2019 |
ハード | Switch , Steam(Win,Mac) |
お気に入り度(0~10) | 7+ |
プレイ状況 | 全エンド回収 & 全実績解除/Steam版 |
HOTEL SOWLS
— SPD (@SPD_9X2) 2023年8月20日
不思議なホテルを舞台にした2時間程度の短編探索アドベンチャーゲーム
変なキャラクターたちが描き出す変な世界観と、点画の淡いグラフィックが魅力。
変なだけのゲームかと思いきや、実は骨太なシナリオが隠れているのも良。
見かけによらず王道を行く良さのある作品でした。 pic.twitter.com/BDR3C24ANA
52円でセールをしていたので購入。いい買い物でした。
普段はセールでもそこまで値引いていないので、大幅に値引きして注目度を上げる意図があったのかもしれませんね。
短いわりに充実度が高く、いい作品でした。
致命的なネタバレは避けて紹介します。
HOTEL SOWLS とは?
韓国のインディーゲームディベロッパの Studio Sott が2019年に発売した探索アドベンチャーゲームです。開発は2人で行っているようです。
Steamで購入できる他、Switch版もあります。両者ともセール時には400円より少し高い程度で購入可能です。ただ、2023年に行われたビジュアルノベルフェスにおいて、Steam版が90% OFFの52円で購入できたので、今後も大規模割引があるかもしれないですね。
訳はしっかりとしていて、違和感のない日本語で楽しむことができます。
以下で日本語版翻訳者による作品・開発者の紹介が公開されています。気になった方は読んでみるといいかもしれません。
概要・ゲームシステム
王道の見下ろし型2D探索アドベンチャーゲームです。
主人公を操作し、不思議なホテルの中を探索、キャラクターと会話をしたり、アイテムを探したり、時には謎解きをしたり…… スクリーンショットから想像できるゲームシステムそのままです。
キャラに話しかけたり、気になる場所を調べる操作を、マウスによるポイント & クリックで行う点はちょっと独特かも。(多くの作品では、調べる箇所の前に行って決定ボタンを押すという操作が主流ですよね)
主人公は学者。長い旅の末、追い求めていた石を入手し、帰宅の途中でHOTEL SOWLSに立ち寄ります。休息のために立ち寄ったこのホテルでしたが、何かが普通ではないようで、主人公は事件に巻き込まれていくこととなります。
キャラクターや世界観がちょっと変なのが本作最大の魅力。
ホテルの従業員・客たちは癖が強いキャラ付けがされていて、ホテル中によくわからないオブジェクトが配置されています。
点画のようなグラフィックも大きな特徴です。
マップだけでなく、カットインやアイテムのデザイン、ロード画面に至るまで全編を通しこのデザインのグラフィックで統一されています。
シナリオは基本的に一本道で、途中にバッドエンドが配置されているスタイル。
True格のエンディングが2つあり、どちらも見つけるのは難しくないです。
物語はホテル内で聞き込みを行い、事件の解決を目指すことを軸に進んでいきます。情報収集が重要な作風になっていて、雰囲気は探偵ものに近いです。ただ、物語の真相は本格派推理物ではないです。
謎解きを補助するシステムとして、作中で得た情報が日記帳に記録されていくようになっていて、過去の出来事や聞き込みの内容を忘れてしまっても読み返せば思い出せるようになっています。
ネタバレになるので詳しくは書けませんが、中盤以降はちょっとしたホラー要素もあります。ジャンプスケア要素は無いです。
他には、たくさんの小ネタとそれに関連付けられた実績が用意されていることも特筆に値するでしょう。例えば、2階の床に落ちている卵。これは踏むと割れてしまうのですが、割れた後も執拗に踏み続けることで卵に怒られます。この時に実績「怒りの卵」が解除されます。
ちなみに、Switch版ではゲーム内に実績一覧が用意されていて、Steam版と同様に実績集めを楽しめるようです。
良かった点
- 濃密に描かれる不思議な世界観
本作売りの世界観に関しては、とても良かったです。
何よりも世界観の不思議さ・ヘンさを演出するちょっとしたフレーバーテキストやオブジェクトが作中の至る所に散りばめられているのが素晴らしく、作中を通して濃密な不思議世界観体験をすることができます。
プレイ時間はこちらの方が短いですが、濃密さの点ではUndertaleに匹敵すると思います。
- 骨のあるストーリー
一見すると雰囲気・世界観を楽しむことがメインのゲームかと思いきや、骨のあるしっかりとしたストーリーがあるのも意外でした。プレイを進めるにしたがって、ホテルに対して抱くイメージが段々と変わっていくのが良かったです。
ストーリーの核となる部分はこういった探索ADVにおいてはよくある王道な物ですが、Trueエンドのラストに関しては、味と示唆のある演出が用意されています。多くを語らない唐突なラストシーンで、終了直後はやや困惑しましたが、その意味を理解するとじわじわと沁みてくる良さがあります。
- 素晴らしいグラフィックとBGM
グラフィック表現に関しては非常に強い拘りを感じさせる完成度で、不思議な世界観の演出に非常に大きく貢献しています。
また、作中前半に流れる落ち着いたチップチューンのBGMは、作中の世界観表現としても、曲単体としてもクオリティの高いものになっています。
気になった点
- 作業感の強い一部実績
小ネタとそれに関連した実績がたくさんあり、実績を集めるのは基本的に楽しいのですが、一部作業感の強い実績があります。
特に、お金をあつめる実績は完全に作業で大変でした…… - セーブが1つしかない
複数個セーブできず、尚且つ後戻りできない箇所があるので、人によっては何回か一番最初からやり直すことになると思います。
ただ、謎解きの答えが分かっている状態なら10分程度で最後まで行ける作品なので、そこまで気にはなりませんでした。
総評
強烈なインパクトはありませんでしたが、丁寧に作られた高品質な探索ADVでした。
Undertaleのようなちょっと不思議な世界観が好きな方にはおすすめです。
短いので、少し遊ぶ作品を探している方は手に取ってみてはいかがでしょうか?
もしまた52円で購入できる機会があったらマストバイです。
ゲーム音楽ピックアップ
本作のサウンドトラックは、Steamで購入可能です。
store.steampowered.com
また、youtubeで公式に公開されています。