【ゲームレビュー20】interlude 或るファの音眼

レビュー一覧

ジャンル ビジュアルノベル
メーカー/ブランド ねこバナナ
発売年 2012~2017
ハード Win(DLSite,Booth)
お気に入り度(0~10+) 7
プレイ状況 全作エンディング回収/Booth版

 

 

Omegaの視界がとても気に入ったのでプレイ。

例によって重大なネタバレは避けます。

 

或るファの音眼 とは?

booth.pm

www.youtube.com

サークル ねこバナナが2012~2017年にかけて発表した伝奇系ノベルゲームです。

前作「Omegaの視界」の直接的続編となっています。前作プレイは必須だと思います。

以下の4つの章に分かれており、それぞれ別々に発表されました。全て通して1つのシナリオが完結するようになっています。

  • interlude 或るファの音眼 喚起のうた
  • interlude 或るファの音眼 イカリおさめて
  • interlude 或るファの音眼 ワレナいオ
  • interlude 或るファの音眼 ~くいあらシたむ~(F low er)

現在、BoothやDLSiteで販売されているDL版は、これら全てを同梱したものになっています。現在(2022/02/19)、DL版を購入すると番外編短編集、「COLOR ~色々~」が付いてきます。

 

現在(2022/02/19)、さらなる続編の「十四番目のΞ」を開発中のようです。本作は続編への布石みたいなところがあるので、完結を楽しみに待ちたいと思います。

 

<あらすじ>
幕間劇がようやく終わる。

新設の私立校、麗種(れいしゅ)中学に通う少年、因八(よしや)カイリは、
金城華(きんじょうはな)、その友人、真神因(まかみちなみ)の変節に戸惑いを隠せずにいた。
そんな中、いよいよ文化祭が始まるが、そのさなか響き渡る謎の咆哮。
混乱する現場、消える生徒、立ち現れる謎のチカラ。
そして相争う者達が流す赤き鮮血……

ウタは魔法、ねこは朋。

はじまりのオト、
或るファの音眼(おとめ)。

誰かの都合で開演した劇は、誰かの都合によって終演を迎える、
観客がどう足掻こうと、降りる幕は止められぬ、
舞台の上、舞台の下、
その跡に残るは、

悔い改む者か、
喰い荒らされた惨状の虚無か。

いずれせよ、これがすべて、ゼンコウテイ──

 

――Boothストアページより引用

 

ゲームシステム・概要

システムは、一般的なビジュアルノベルとなっています。選択肢は一部を除き基本的にありません。システム面はOmegaの視界と全く同一で、必要なものは揃っています。

 

前作の複雑で理解困難な設定はそのまま続投されていますが、前作の時点で世界観の骨子は全て見せてしまっている感じがあるので、やや理解しやすくなっています。また、人工言語や、筋の通った論説などの重厚なテキストは健在です。

キャラクターの顔ぶれは大きく変わっていますが、一部は続投といった形になってます。特に、Omegaにおいて後半に少しだけ登場したキャラクターが多く登場します。

大きく変化したのは、舞台の雰囲気だと思います。舞台となる地域は距離的には大きくは離れていませんが、前作は田舎町といった雰囲気、一方で本作は完全に自然に覆われた田舎といったイメージになっています。

 

良い点

  • 前作から引き継がれ、深堀りされる難解な設定と重厚なテキスト
     
    前作プレイ前提のため、多少は分かりやすくはなっているとは思いますが、前作の難解さは本作でも健在です。考察好きの方は充分に楽しめるでしょう。
    テキストの重厚さも健在。むしろパワーアップしている気もします。特に、前作以上に多く盛り込まれているゲームに関する評論は、なかなか的確で面白い視点を含んでいると思います。
     
  • 多数の魅力的なキャラクターがなす群像劇
     
    非常に多いキャラクターに対し、しっかりとキャラ付けがされていること、それぞれの視点がはっきり区別されていて、各人の思惑が複雑に交錯するシナリオになっている点は前作譲りです。
    本作のヒロインである金城華にはかなり独特なキャラ付けがされており、主人公の心だけでなく、シナリオ全体を引っ掻き回すいいキャラクターになっています。

 

悪い点

  • シナリオのインパクトの弱さ
     
    前作に比べると、シナリオの緊張感や盛り上がりに欠ける印象があります。これは幕間劇というコンセプトのせいかもしれませんが、序盤~中盤まではややダレてしまっていた記憶があります。
    最終盤は面白かったです。

 

総評

前作はとてつもなく刺さったのですが、本作はあまり気に入りませんでした。それでもちゃんと完走するくらいには楽しめたので、前作をプレイして気に入った人ならばプレイしてみると良いと思います。

 

ゲーム音楽ピックアップ

  1. insania
    OPです。
  2. phantasm

    www.youtube.comエンディングです。本作の終盤の盛り上がりは中々で、流れたときは中々痺れました。好きです。