【ゲームレビュー34】脱出アドベンチャー 魔女の住む館

レビュー一覧

ジャンル 脱出アドベンチャー
メーカー/ブランド 開発:インテンス/販売:アークシステムワークス
発売年 2012
ハード 3DS DL専用タイトル
お気に入り度(0~10) 7
プレイ状況 全章クリア/3DS DL版

 

 
前作『脱出アドベンチャー 旧校舎の少女』を踏まえた感じで短く書いていきます
 

脱出アドベンチャー 魔女の住む館 とは?

www.arcsystemworks.jp 
アークシステムワークスが、2012/12/19に3DS専用ソフトとして配信開始した脱出アドベンチャーゲームです。開発は、THE 密室からの脱出シリーズなどを手掛けたインテンスです。
 
シリーズ8作品が販売されており、全て3DS専用タイトルで移植無し(2022/10/10現在)となっています。そのため3DSのe-shop終了以降は、入手不可になります。
 

概要・ゲームシステム

基本的には、前作『脱出アドベンチャー 旧校舎の少女』と近いゲームシステムとなっています。
今回の舞台は森に佇む洋館です。1章では、噂を確かめるために向かった洋館に閉じ込められてしまうというベタな展開が繰り広げられます。しかし、2章では街を散策しつつ謎を探究する散策パートがあったり、その後は謎を追う過程で学校の教室に閉じ込められてしまうなど、ストーリーに沿って洋館以外の様々な場所も脱出の舞台となります。
散策パートは、学校や街の中から行きたい場所を選ぶと、そこに主人公たちが向かいイベントが起こる一般的なアドベンチャーゲームによくある感じな仕様になっています。
 
また、4章をクリアした後に前日譚であるExステージが解放されます。そのため、前作よりもボリュームはやや多くなっています。

シナリオ面は前作の直接の続編となっており、前作で謎のまま投げ出されていた点に関連した新情報が登場したり、前作のシナリオ内の出来事が語られたりなど、かなりつながりが強くなっています。まだ3作目以降は未プレイですが、シリーズを通してこの辺は答えを出していくつもりなのでしょう。
 

良い点

  • 前作よりもブラッシュアップされた脱出パート
     
    脱出ゲームとしてのクオリティは、前作よりも少し上がった気がします。
    前作は、有名なパズルをほぼそのまま出してくるなど、オリジナリティにやや欠けることもありましたが、本作はこの点に関してはかなり良くなった気がします。
    また、解体パートも解体したパーツ同士を組み合わせて新しい道具を作る展開の導入によって、前作よりも説得力が増したと思います。(忘れているだけで前作にもあったらすいません)
     
  • 広がった作中世界
     
    前作の舞台は学校の旧校舎のみで、どうしても世界観が狭いような印象がありましたが、本作は舞台である洋館以外における脱出パートや、散策パートの導入によって、作中世界をより広がりと魅力あるものにしています。
     
  • ちゃんと触れられている前作の謎
     
    前作は多数の謎を残したまま終わり、本作もいくつも謎は残るのですが、前作の謎にしっかりと触れています。投げっぱなしにせず、しっかりと謎をシリーズを通して扱っていこうという姿勢がみられるので、残された謎にモヤモヤしたりすることがありません。また、シリーズの次作品を遊ぶモチベーションにもなるのでいいですね。
    また、前作のレビューに気になった点として書いた4章の最初のパズルですが、本作も4章の初めにそっくりのパズルが登場。前作では明らかに浮いていたパートでしたが、継続投入することで前作との繋がりを強く意識させる演出になっており、良い要素に昇華されています。
     

気になった点

  • 前作と比較した際のインパクトの弱さ
     
    前作のストーリーは良くも悪くも一発ネタのような傾向があり、それゆえにかなり衝撃的だったのですが、本作はそれに比べるとどうしてもインパクトが弱く感じてしまいます。
    シリーズを続けていく上での基盤作りといった面が強いシナリオだと思いますので、衝撃的展開よりも世界観やキャラクターの掘り下げに力が入れられているのも理解できるのですが、前作のようなビックリ要素を期待していたので残念でした。
    ビックリ要素もないわけではないですが、やはり前作に比べると弱めです。
     

総評

前作を踏まえて、堅実にクオリティアップが図られた続編という印象の作品でした。前作で気になっていた点は、システム面・シナリオ面共に本作ではほぼ気にならなくなっている点が素晴らしいです。
衝撃展開であった前作を踏まえ、世界観やキャラクターの掘り下げを行い、後続のシリーズ作へバトンを渡すような作品と言えるでしょう。

 

ゲーム音楽ピックアップ

前作同様、本作の曲についての情報がほぼありません