【ゲームレビュー35】The Stanley Parable

レビュー一覧

ジャンル ウォーキングシミュレーター
メーカー/ブランド Galactic Cafe
発売年 2013
ハード PC(Steam,Epic etc...)
お気に入り度(0~10) 7
プレイ状況 真エンディング回収/Steam版

 

 
これを遊んだのも2年も前ですが、内容をかなり覚えている物ですね。
忘れようにも忘れられないような作品ですが、一応完全に忘れてしまう前に書いておこうと思います。
 

The Stanley Parable とは?

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www.youtube.com

ゲームクリエイターDavey Wreden,William Pughによって構成されるゲームスタジオGalaftic Cafeによって2013年に発売されたウォーキングシミュレーター。

元々、Half-Life2 のmodとして、2011年に配布されていたのを追加要素を加えてスタンドアロン化したソフトです。Steam・Epic で販売されています。

2022年に、「The Stanley Parable: Ultra Deluxe」という更に追加要素を加えたバージョンが発売。こちらは、Steam等のPCプラットフォームの他 XboxOne,S/X や ps4,5 でも遊べるようです。

そこまで大きく値段が変わるわけでもないため、今から遊ぶなら Ultra-Deluxe 一択だと思います。

 

概要・ゲームシステム

この作品を一言で表すのは結構難しいですね。ジャンルとしてはウォーキングシムで、3Dの空間を歩き回り、周囲で起こる様々な現象を楽しむゲームです。
 
この作品の主人公は、謎の施設で働く従業員スタンリー。スタンリーの仕事は、個室に籠ってひたすらキーボードのボタンをモニタの指示に従って押し続けること。一見苦痛そうな仕事ですが、スタンリーはこの仕事を天職に思い、部屋から出ず毎日ずっと幸せそうにこの作業を続けていました……
 
しかし、ある日スタンリーのモニターには一切の指示が届きませんでした。それどころか、部屋の外にも一切に人の気配を感じません。スタンリーはどうしていいか分からず、しばらく部屋の中に留まっていましたが、意を決して外に出てみることにしました…

 
この作品は、スタンリー(あなた)が部屋を出て施設を歩き回るゲームですが、ただ何もなく歩き回るゲームではありません。この作品の最大の特徴として、「ナレーター」の存在があります。ナレーターは、スタンリーの物語の語り手として、あなたの行動の説明をし、時にはやんわりと行動を指示してきます。例えば、2つの扉の前に来たシーンでは、ナレーターは「スタンリーは左の扉に入りました」と言います。あなたは、ナレーターの筋書きに従ってもいいし、無視して右の扉に入っても良いです。ナレーターの指示に従うか、それとも反対の行動をするか、更にはナレーターが全く予想もしていなかった行動をとるか、それらの選択によって物語は様々に分岐していきます。時には、ナレーターが激怒したり、ゲーム自体がめちゃくちゃになってしまったり…… 3D空間表現をフルに使った面白いイベントの数々を見ていくのが本作の主な楽しみです。
 

1プレイは10分程度で短く、繰り返しプレイしてたくさんのエンディングを見つけていくことになります。一応Trueエンドも存在し、到達するとエンディングが流れます。

 

良い点

  • 操作とフィードバック、ゲーム面白さの根本を凝縮したゲームデザイン
     
    ゲームの根本的な面白さの一つに、操作を通して世界に干渉し、フィードバックを得られるというものがあります。本作のゲーム性は、まさにそれを凝縮したようなものになっており、プレイヤーが行った様々なアクションに対し、しっかりと異なる反応を返してくれます。
    行った行動により、展開が非常に幅広く変化するので、最後まで飽きることなく、次はどんな行動をとってみようかとワクワクしながらゲームを進めることができます。
     
  • 3Dである事をフルに活用した演出の数々
     
    本作は、3Dである事を活用し、様々な意外な演出を行っています。例えば、空間が崩壊しているような演出を行ったり、ありえない空間の繋ぎ方を行うことでプレイヤーを混乱させたり……
    人間の認識に最も近い3次元1人称視点で、人間が体験することの無いような演出を行うことで本作でしか味わえない独特な体験を生み出しています。
     
  • センスあふれるユーモアの数々
     
    作品全体がユーモアで溢れており、特にナレーターを困らせたり、怒らせたりすると面白い台詞がたくさん聞けます。やはり、人を困らせてうろたえている様子を見るのは人間の根源的な喜びの一つなんですね……
     
  • たくさん仕込まれた隠し要素
     
    本作には普通にプレイした場合まず気が付かないであろう隠し要素がたくさん仕組まれており、その内いくつかはかなり手の込んだ隠しエンディングになっています。
    一通りプレイした後、ネット情報を見て隠し要素を見て回ると良いでしょう。
     

気になった点

  • 深い世界設定の無さ
     
    最初の内は、施設の謎やナレーターの正体など深い世界設定が実は存在しているのではないか……?と期待していたのですが、実のところ本作に深い世界設定などはなく、大きな謎が解明されるといった展開はありません。折角かなりミステリアスな雰囲気を演出できているのに、少し残念です。
     
  • エンディングリストがない

     

    本作には非常に多くのエンディングがありますが、エンディングリストが無いのでどれくらい見たか分かりません。一部自分では絶対発見できないだろうエンディングもあるので、エンディングリストとヒント等があればよりエンディング集めを楽しめたと思うのですが……

総評

プレイヤーの行動で世界に影響を与え、フィードバックを得られるというゲームの根本的な面白さの一つを凝縮したような作風で、プレイすれば誰もが今まで味わったことの無いような強烈なゲーム体験を得ることができるであろう作品です。プレイする価値は絶対にあると言えるでしょう。

一方で、物語や深みのある世界設定等は殆どないに等しく、感情に訴えかけてくるようなことは無いので注意です。

少し変わったゲームを遊びたい、本作の作風に興味を持った方は是非プレイしてみてはいかがでしょうか。

 

ゲーム音楽ピックアップ

本作は没入感を高めるため、恐らくわざとBGMがカットされています。そのため、曲自体殆ど流れません。

 

 

 

 

 

 

 

さて、あなたは文章を読み終え、以下のSteamページを開き『The Stanley Parable: Ultra Deluxe』を購入しました。そして、ゲームをインストールし、すぐにプレイを始めました。

store.steampowered.com