【ゲームレビュー41】ガンスターヒーローズ

レビュー一覧

ジャンル 横スクロールアクションシューティング
メーカー/ブランド 開発:トレジャー/販売:セガ
発売年 1993
ハード MD(MDMini),GG,PS2,WiiVC,XBLA,3DS
お気に入り度(0~10) 9
プレイ状況 ノーマルノーコンティニュークリア/3DS版(復刻アーカイブス3)

 

 
セガ復刻アーカイブス3自体は、ターボアウトラン目当てで買っていました。本作もゲームセレクト画面で視界には入っていたはずですが、キービジュアルにあまり惹かれず、結局一度も起動しないまま放置になっていました……
 
トレジャー作品の一覧を見ていた時、本作の名前を発見。調べていくと面白そう!!と思い、いつかやってみたいな~と思ってました。(既に持っているのには気が付かなかった…)
 
ある日、ターボアウトランをやろうと思ってセガ復刻アーカイブス3を起動したときに本作を発見。突然遊びたい作品が手元に出現したので、大歓喜したのを覚えています。
 
初プレイしたときは、あまりの完成度の高さにかなり衝撃的を受け、これが約30年前の作品って嘘でしょ???という感想でした。今年出たレトロ風なインディーゲームと言われても信じるレベルだな~と思っていました。
その後はゆるく攻略情報なども参考に、Nomalで1CCするところまで遊びました。アーケードスタイルのアクションシューティングをノーコンティニューでクリアしたのはこれが初めてだと思います。
 

ガンスターヒーローズ とは?

sega.jp

www.xbox.com 
トレジャーが1993年にメガドライブ用に発売したアクションシューティングです。トレジャーの最初の作品ですが、メガドライブの傑作ACTと言われています。
遊ぶ手段は色々ありますが、XBLAの移植・メガドラミニが手に取りやすいかもしれません。私は3DSセガ復刻アーカイブス3で遊びましたが、これはプレミアソフトなので中々入手困難です。
 

概要・ゲームシステム

基本的には横スクロールのアクションシューティングです。6面のみ、横スクロールシューティングステージになります。全7面で、最初の4面は好きな順番で攻略できます。各ステージは雑魚戦と中ボス戦の繰り返しになっていて、ステージ最後のボスを倒すとステージクリアです。

ライフ制を採用しており、0になるとゲームオーバーです。落下しても即死ではなく、大幅にHPが削られるだけなのは珍しいシステムだと思います。
独特な武器システムが本作の最大の特徴といってもいいでしょう。まず武器アイテムが4種類あり、ステージ中で拾ったり捨てたりできます。武器アイテムは2つまで拾うことができ、現在持っているアイテムの組み合わせにより何と14種類の武器が存在します。各武器はステージの展開や戦うボスによって割と相性があるため、武器を適宜切り替えて進んでいくことになります。武器以外の攻撃として高威力の投げ技があり、敵に近づくリスクはあれど強い技になっています。

また、本作はステージごとの特徴がはっきりしています。雰囲気だけでなく、ギミックも各ステージ固有のものが存在しています。トロッコに乗って進んでいくステージや、サイコロの出た目によって戦う敵が変わるステージ、シューティングステージなど、もはやステージが違えば別のゲームと言っていいレベルです。

 

良い点

  • もはや異常レベルに作り込まれた超濃密なステージ構成
     
    本作の最も素晴らしい点は、超濃密なステージ構成です。たくさんのゲーム要素を使いまわしなく濃密に詰め込んだ構成は完全に常軌を逸しています。まず、全てのステージはコンセプトがはっきりしていて、ステージに応じたギミックなどが用意されています。ギミックと言っても、ちょっとした新しい要素のようなものでは無く、ゲームプレイを根幹から変えてしまうレベルの物まで登場するのが凄いです。特に、トロッコ面とシューティング面は別ゲーと言っていいレベルです。
    本作はそれだけでなく、ステージ内部の構成も非常に凝ったものとなっていて、印象に残るロケーションやシーンが1ステージ内に何箇所も登場します。各ステージ内に中ボスが何体も登場するのも面白いポイントです。中ボスはどれも強烈な個性を放っていて、攻撃パターンや有効な武器も大きく異なります。
    ステージの最後の大ボス戦は、攻撃パターンが全く異なる形態が複数用意されていて、実質複数の中ボスの連戦みたいな感じになっています。
     
  • クセが強いのにバランスの取れた豊富な武器種
     
    本作には全く性能の異なる武器が14種類も存在しています。どれも中々特徴が強く尖っていて、色々試してみるだけで楽しいです。たくさん武器があるのにバランスがしっかりと取れていて、「これだけ使っていればヨシ!」みたいな武器が無いのが凄いです。
    難易度によっても武器の性能差があるようで、NormalとHardだと強い武器が違うらしいです。
     
  • ずば抜けた演出と美麗なグラフィック
     
    本作は視覚的な部分も非常にクオリティが高いです。背景やキャラクターのドット絵の書き込みが凄く、キャラクターは細かいところまでアニメーションしています。
    また、本当にちょっとした遊び心のある演出が至る所に仕込まれているのが凄いです。例えば、各ステージボスは倒した後に盗んだ宝石を差し出すのですが、あるボスは宝石そっくりの爆弾を投げてきます。爆弾であることを見抜き、武器でボスをチクリと攻撃すると観念して本物の宝石を差し出すといった感じです。
     
  • 絶妙な難易度バランス
     
    全体として難易度の調整が非常によくできています。特にNormalは、難しすぎず簡単すぎない難易度で、何度も遊んでいるうちに自然と到達地点が伸び、いずれクリアできるレベルに収まっています。プレイする度に操作の上達が感じられ、新たな攻略法を発見出来たりと、上質な「攻略体験」が得られる作品です。
     

気になった点

  • ノーコンティニュークリアを目指したときに序盤が少し単調になりがち

     

    不満点はないに等しいです。

    ただ、序盤の安全パターンが確立した後はそれをなぞるプレイになるので少し単調になりがちです。ハイリスクハイリターンなスコア稼ぎ要素を入れる等の工夫でこの点は改善できたと思いますが、この時代にそんなアイデアはまだ一般的に確立されていないのでもはや難癖に近いです。

     

総評

古い作品だからとプレイしないのが勿体ない、現代でもそのまま通用するどころか、今リリースされたとしても圧倒的に高い評価を獲得できるであろう傑作アクションシューティングです。特に、ステージ構成の濃密さは他に類を見ないレベルに達しています。書き尽くせない細かな遊び心がぎっしりと詰まっていて、触っているだけで脳内で楽しさを感じる物質が分泌されているのを感じる作品です。
遊ぶ環境があるのでしたら、ぜひぜひ遊んでみてください。

 

ゲーム音楽ピックアップ

音楽はゲームには良く合っていて高品質なのですが、強烈に印象に残る曲は残念ながらなかった気がします。