ジャンル | リズムゲーム |
メーカー/ブランド | Half Asleep |
発売年 | 2022 |
ハード | Steam,Switch |
お気に入り度(0~10) | 7+ |
プレイ状況 | 全ステージAmazing評価獲得/Steam版 |
Melatonin
— SPD (@SPD_9X2) 2023年1月11日
Chill, Lo-Fi系の楽曲と紫を基調とした淡いグラフィックが特徴のリズム天国フォロワー
ミニゲーム数は16と少ないが、Hardモードが全てのゲームに実装されていて、リミックスステージやステージエディトも搭載
ゆるく遊ぶのも、パーフェクトコンプを目指すも良しの良質なリズムゲームでした pic.twitter.com/F0utUAJUy2
発売直後にSteamで見つけて衝動的に買いましたが、素直に買って良かったな~と思える作品でした。
こういうノーツを叩くわけではないリズムゲームは現状数が少なく貴重なので、もっと増えて欲しいですね……
Melatonin とは?
www.youtube.com
Half Asleep Games が、2022年12月16日にSteam向けに発売したリズムアクションゲームです。switch版も現在(2023/01/21)開発中らしいので、いずれswitchでも遊べるようになると思います。
操作は非常にシンプルなので、switch版発売後、どちらを購入するかは完全にお好みになりそう(?) と予想しています。
概要・ゲームシステム
本作の内容は、Lo-fi / chillな楽曲で統一されたリズム天国と言えば説明出来てしまします。ですが、一応リズム天国を知らなくても分かるように説明しておきます。
本作には、16種類のミニゲームが収録されています。ミニゲームは、全てリズムに合わせて最大3種類のボタンを叩くことを楽しむゲームになっています。各ミニゲームごとに、固有のビジュアル・楽曲が用意されていて、画面・音を頼りに最適のタイミングで適切なボタンを押します。正しく押せると、画面の左端にあるゲージが増加します。楽曲終了時までに溜めたゲージの量によって、ランクが付きます。なるべく高いランクを取得するのが、各ミニゲームにおける目標となります。
全編通して、することはボタンをリズムに合わせて叩くだけです。しかし、要求されるリズムや、ボタンを押すタイミングを知らせてくれる視覚・聴覚的要素が各ミニゲームごとに大きく異なり、プレイ感覚はミニゲームごとに全く異なるものとなっています。また、一つのミニゲーム中でも複数のリズム・視覚的バリエーションがあり、緩急をつけてダイナミックに展開されます。
具体例で説明した方が分かりやすいかもしれません。例えば、最初に遊ぶ"Food"のミニゲームは、空飛ぶピザボックスが投げてくる食べ物を最適なタイミングでボタンを押して食べるゲームになっています。食べ物の飛んでくるパターンには、山なりに投げてくる場合、画面から飛び出すほど大きく投げてくる場合、溜めた後に水平に高速に投げてくる場合の3つのパターンがあります。この3つのパターンが曲の展開に合わせてどんどんやってくるので、それに合わせてボタンを叩いていきます。曲の前半は穏やかですが、後半になると画面に雲がかかって視覚的情報が削ぎ落とされ、音で判断しなくてはいけなくなります。
2つ目のミニゲーム"Shopping"は、棚に商品が出現するリズムを覚えて、同じリズムでカードをスキャンするゲームです。"Food"では要求されなかった、長いリズムフレーズを暗記する能力が要求されます。このミニゲームでは、後半になると2倍の長さのフレーズを暗記しなくてはいけなくなり、難易度が上がるようになっています。
このような感じのミニゲームが、本作には16個搭載されていて、4個ずつセットになっています。最初は4個だけミニゲームを遊ぶことができるのですが、これらのゲームで一定以上のノルマを達成すると、リミックスステージが解放されます。リミックスステージは、4つのゲームが曲の中で交互に入れ替わるように登場するステージです。リミックスステージをクリアすると、次の4つのミニゲームが解放されます。
本作には、全てのミニゲームに "Practice" , "Scored" , "Hard" の3種類のモードが用意されています。"Practice" はその名の通り練習用のモードで、そのゲームで要求されるリズム要素を説明してくれます。"Scored"はメインのモードで、成績に応じてランクが記録されます。"Hard"は、"Scored"をより難しくしたモードです。単に判定を厳しくしたり、速度を速くしたようなものではなく、完全に"Scored"とは別物になっています。こちらもランクが"Scored"とは別に記録されます。
本作独自の要素として、譜面EDIT要素があります。ゲーム中で使われている要素を自由にいじることができ、Hardモードより難しくして遊ぶことも出来ます。ただ、現時点(2023/01/21)で作った譜面を共有したりは出来なさそうです。
良かった点
- 貴重なリズム天国系リズムゲームであること
一般的にリズムゲームと言うと、譜面を叩くタイプの音ゲーであることがほとんどです。そもそも、リズム天国自体そのような音ゲーへのアンチテーゼとしての側面も持って企画されたと聞いたことがあります。リズム天国系のリズムゲームは、譜面系の音ゲーとはまた違ったプレイ感覚があり、難しい譜面を見切るというよりは楽しくリズムを刻む方に重きが置かれています。
ただ、開発に手間がかかることもあり、あまり数が出ていないのが現状です。そのため、この形式のリズムゲームが出たというだけでもかなり嬉しいですね。
- 高品質で作り込まれたミニゲーム
各ミニゲームは、リズム天国シリーズのノウハウをしっかりと受け継いでいて、充分に高品質なものになっています。
複数のリズムパターンが要求されたり、画面中のオブジェクトがリズムに合わせて動いていたり、聴覚だけでボタンを押すタイミングを判断できたり、ゲーム後半で操作密度を上げてきたり、視覚的情報を削いできたり…… リズム天国シリーズでやっていることは大体実現されています。
リミックスステージも、各リズムゲームが違和感なく組み合わされていて、それまでの4ゲームの集大成としての役割をしっかり果たしています。
- fast/slow表示や、クリアゲージの存在
本作では、ボタンを押したタイミングが適切か否かを明確に表示してくれる機能が付いています。リズム天国シリーズではずれていることは分かっても、前後どちらにずれているかは分からないリズムゲームもありますが、本作では必ず分かるようになっています。終了時にFast/Slowが幾つあったかもしっかり教えてくれます。
また、各評価にどれくらい届いているかを示すゲージもあるので、スコアを詰める際に、目標とする評価にどれくらい足りないのかが明確に分かり、モチベーションを保ちやすくなっています。
- 書き込まれたビジュアル
本作のビジュアル面には非常に力が入っています。雰囲気が統一されているのもそうなのですが、細かいところまでしっかりと書き込まれており、よく動きます。
気になった点
- 印象に残る曲が少ない
楽曲のジャンルがchillということもあり、強烈にインパクトに残る曲があまり多くありません。音楽が重要なゲームとして、これは結構痛い点かもしれません。
ただ、作業用にゆっくり聴くサウンドトラックとしては珠玉の一品だとおもいます。Youtubeに公式音源が上がっているので、気になった方は聴いてみてもいいかもしれません。
- 独自要素の弱さ
本作は割と素直なリズム天国フォロワーであり、本作にしかないと言えるような独自の遊びの要素に欠けています。何か強烈な独特な要素があれば、リズム天国シリーズ未プレイの人にもオススメできたのかもしれません…
- 最終リミックスの長いイントロ&アウトロ
些細な不満点です。
本作ラストには、全ミニゲームが繋がったリミックスステージがあります。このステージ自体は完成度が高く好きなのですが、操作要素がない長いイントロとアウトロが入ります。ラストであることを強調し、集大成的な空気感を演出するのに一役買っていて、もちろん意味のない操作不能時間ではありません。
ただ、スコアを詰めようと思った際にひたすら待たされるためかなり邪魔に感じてしまいました。
せめてハードモードには操作要素を置いてくれてもよかったのに…
総評
珍しいリズム天国フォロワーとして、同シリーズファンの方にはオススメできる作品に仕上がっていると感じました。パーフェクトを目指すとかなり難しいので、詰める気があれば長く遊べそうです。
独特の雰囲気を持っている一方で、ゲームとしては独自要素やインパクトのある要素に欠ける感じはあるのが少し残念なところです。まぁ競合相手が強すぎるだけなんですがね…
全体として自分は楽しく遊べたので、もし続編やDLCなどが出ることがあったらぜひプレイしたいですね。