ジャンル | 見下ろし型アクション |
メーカー/ブランド | Dennaton Games,Devolver Digital |
発売年 | 2012 |
ハード | PC(PS3,PSV,PS4,android,Switch) |
お気に入り度(0~10) | 8 |
プレイ状況 | 通常end & 収集要素回収 & 隠しEnd 回収/Steam版 |
Hotline Miami
— SPD (@SPD_9X2) 2021年5月21日
殺し屋の主人公がマフィアのアジトに忍び込み、敵を全滅させていく見下ろし視点のバイオレンスでダークな世界観のアクションゲーム
5秒隠れて0.5秒で決着をつけるようなゲーム性で、敵も自分も一撃死の中、一瞬の判断が明暗を分ける緊張感のある作品に仕上がっていました pic.twitter.com/x5YsSObNx4
バイオレンスで爽快感のある見下ろし型のアクションゲームです。ストーリーに関するネタバレはなるべくしないように書いていこうと思います。
Hotline Miami とは?
「人を傷つけるのは好きか?」
Dennaton Games(なんと開発者は2人!)が制作、2012年にDevolver Digitalから発売された見下ろし型のアクションゲームです。
完成度が高く、多機種に移植されています。続編である「Hotline Miami 2: Wrong Number」も出ています。
プレイ環境には恵まれた作品と言えるでしょう、ただし後述するようにSteam版は環境によっては落ちやすいこと、アクションの操作デバイスへの依存性が高い(機種によって大きく操作が異なる)ことに注意した方がいいかもしれません。
プレイ時間は個人差が大きそうですが、1周クリアまで7時間くらいでしょうか。
――1989年4月3日 フロリダ州マイアミ
留守番電話に残されたメッセージから全ては始まる。『Hotline Miami』では、正体不明の主人公「ジャケット」の物語を追うことになる。メッセージと共に手に入れたマスクをかぶり、マフィアのアジトを血の海にするジャケット。
時折、同じようにマスクをかぶった人物たちと会話する夢を見ながら、マフィアを虐殺する夜を次々と越えていく。徐々に現実と虚構の境界線が曖昧になる中で、彼に待ち受ける全てを見届けよう。
--Switch版ストアページより引用
概要
夢の中に現れる謎のマスクの男たち、彼らから人の殺し方を教わった主人公の元には翌日から、"依頼"の電話が掛かってくるようになります。彼は現場に赴き、そこに巣食うマフィアたちを一人残らず血祭りにあげていきます。そんな日々を過ごすうちに、彼の精神も蝕まれていく…… そんなストーリーの作品です。
ロシア語で書かれた水色とピンクを基調としたサイケデリックな雰囲気のタイトル画面、敵を倒した際の過激な流血表現など、アートワーク面はかなり独特で印象的なものになっています。
ゲームとしては、各アジトが1つのステージとなっているステージクリア型の構成です。アジトにはいくつかのフロアがあり、フロアにいる敵を全滅させると次のフロアに進めるようになります。全てのフロアにいるすべての敵を倒すと、ステージクリアとなります。殺されてしまうと、フロアの最初からになります。1フロアにかかる時間は2~3分、1ステージにつきフロアは3つ程度なので慣れてくるとテンポよく進みます。
ゲーム性は、5秒間様子を見て、0.5秒で決着をつけるという表現がぴったりです。プレイヤーも敵も一撃死で、こちらを見つけた後の敵の動きはかなり素早いため、気づかれないうちに一撃で仕留めるのが基本となっています。パターン性が強く、何度も死んで覚えていくスタイルとなっています。
プレイヤーの攻撃手段は、大きく分けて銃器と近接武器に分けられます。銃器は敵を安全に殺せますが、弾数制限があり、音で周囲の敵に気が付かれてしまいます。一方で近接武器は、何度も使えて静かに殺せますが、気が付かれないように背後から忍び寄る必要があります。敵も基本的には銃器か近接武器を持っており、倒すと武器を落とします。
銃や近接武器は投げつけることができ、当たった敵は一定時間失神します。ドアの近くを敵が通っている時に勢いよくドアを開けたり、素手で殴っても敵は失神します。失神している敵には、とどめを刺すことができ、この方法ならば武器無しでも敵を倒すことができます。
ステージ開始時には、被っていくマスクを選択します。マスクにはプレイヤーが有利になる特殊効果がついています。新しいマスクは、ストーリーを進めたり、特殊な条件を満たすことで入手できます。
ステージ間には、ストーリーに関するイベントが挿入されます。最初こそステージとイベントが交互にやってきますが、ストーリーが核心に近づくにつれ突然ステージ中にイベントが挟まれたりなど演出が強化されていきます。
収集要素(かなり単純なものです)、それを集めることによるTrueエンドも用意されています。
良い点
- アクションゲームとしての面白さ
シンプルにアクションゲームとして質が良く、とても面白いです。しっかりと敵の動きを観察し、一瞬で蹴りをつけるメリハリの付いた緊張感あふれるゲーム性は一度その面白さに気が付いてしまうと最後までぶっ続けでプレイしてしまう程の魅力を持っています。敵を倒したときの音やスプラッタな演出との相乗効果もあり、トリップ感のある中毒性のあるゲーム性となっています。
- 攻略の懐の深さ
死に覚えゲーでありながら、攻略の幅が広く、詰まった時は思い切って方針を変えてみると簡単にクリアできることもあります。ステージごとにランクがつくため、高いランクを目指してプレイするとまた違った攻略が求められます。
難しい場面はかなり難しいですが、それでも試行錯誤を繰り返すとだんだんクリアが見えてくる。そんな絶妙な難易度調整になっています。
- テンポの良さ
死に覚えが重要なゲームではリトライのテンポは重要ですが、本作もボタン一つで即リトライになっており、ストレスを感じさせません。
1つのステージにかかる時間は、どれくらい死ぬかにもよりますが概ね初見でも30分以下程度には収まると思います。そのためちょっとした時間に少しずつ進めることもできるでしょう。
- アートワーク・音響面の高い完成度
スプラッタなゲーム内容とどこか食い違った狂気を感じるポップなデザインのユーザインタフェース、過剰なほどに暴力性を強調した演出、ノリノリなテクノミュージックなどが上手く組み合わさり、独特な「Hotline Miami」ワールドを展開しています。
悪い点
- よくクラッシュする
環境依存ではあると思いますが、私の環境ではよくゲームが落ちました。ステージをクリアするまでセーブはされないので、後半の長めのチャプターでは前半のフロアを何度もやり直すことになり辛かったです。心配な人はコンシューマー版を買うのもいいかもしれません。
- アクションのハードルがやや高い点
先述した通り、アクションゲームとしてとても完成度が高いです。しかし、操作に慣れてプレイヤーキャラクターを自在に操れるようになるまではあまり楽しくはないかもしれません。
最初はただただ難しいだけの作品だと感じるかもしれませんが、ぐっと耐えてプレイしてほしい作品です。
- 収集要素
本作にはゲームのステージの背景に隠れたアルファベットを探すという収集要素があり、隠しエンドを見るための条件になっています。しかし、画面をじっくり見てアルファベットを探す探索自体があまり面白いとは言えません。
私の場合は、1周目をクリアした時点でそのような収集要素が存在していることにすら気が付かず、2周目を最初からやることになりました。
- 消化不良気味なストーリー
ストーリーは最初の引き込みは素晴らしく、何度も驚きの展開がありプレイ中は個人的に期待値がどんどん上がっていましたが、最後はかなり消化不良なものになってしまっています。
上記の収集要素を集めきることでエンディングが変化し、Trueエンドを見ることができますが、そこまで大きな変化があるわけでもなくやや残念な気持ちになりました。
考察が盛んな作品なので、考察の余地がかなり残されていると見れば悪くない終わり方なのかもしれません。
総評
アクションゲームとして見た場合、素晴らしい作品となっています。一方でストーリー面は魅力的ではありますが、あまり期待しすぎない方がいいかもしれません。
個人的には、純粋に楽しいアクションゲームとしてかなりお気に入りの作品です。価格も控えめで、多機種でプレイできますから、死に覚え系のアクションゲームが好きな人、作品の放つ狂気に惹かれた方はぜひプレイしてみてください。
ゲーム音楽ピックアップ
- Hydrogen
この作品を知ったきっかけの曲です。無機質で主張の激しい耳をつんざくような音が特徴的で、トリップ感のあるミニマルテクノとなっています。この曲がゲーム中で流れるとテンションが上がります。 - Miami Disco
クラブハウスのステージで流れる曲です。ステージの中心で輝くミラーボールと次々に色を変える床のライトにピッタリの曲です。