ジャンル | パズルプラットフォーマー |
メーカー/ブランド | Playdead |
発売年 | 2016 |
ハード | XB1,PS4,Switch,PC |
お気に入り度(0~10) | 6 |
プレイ状況 | 通常end & 収集要素回収 & 隠しEnd 回収/Epic版 |
INSIDE
— SPD (@SPD_9X2) 2021年6月13日
パズル要素の強い横スクロールアクションADV
森の中で追われている少年が、逃げるうちに闇の研究がおこなわれている施設の奥深くへと進んでいってしまうストーリー
暗い海や謎の生物に追われる展開等、圧倒的な演出力でじわじわと恐怖心・嫌悪感を煽ってくるのが秀逸な作品でした pic.twitter.com/tUbuxnT4E6
ダークな雰囲気が特徴の本作。前作LIMBOを発展させたような作品となっています。
大きなネタバレがある作品ですので、その点には触れずに書いていこうと思います。
INSIDE とは?
2016年に発売されたパズルプラットフォーマーです。パズル要素のある横スクロールアクションといった方がわかりやすいでしょうか。
多機種に移植されていて、プレイ環境は整えやすいタイトルと言えると思います。
クリアまでのボリュームは6時間ほど、小粒な作品ではありますが世間の評価は高いタイトルです。
追われに追われて一人きり、少年はいつのまにか闇のプロジェクトの中枢に引きずり込まれていた。
--Steamストアページより引用
概要
暗い森の中、少年が大人たちに追われているところからゲームは始まります。あなたは少年を操作し、追っ手から逃げ続けます。その内に少年はいつしか闇のプロジェクトの中枢に近づいて行ってしまう、というストーリーでゲームは進行していきます。
色彩に乏しいダークな雰囲気が特徴となっています。文字情報を排除してゲーム中の演出だけでストーリーや世界観を語る形式になっています。生理的嫌悪感を煽る演出や追われる展開がとても多いです。ホラーゲームではないと思います(ホラー的要素もありますが、薄いです)。
ゲームとしては、パズル要素のある小さなチャプターをこなして先に進んでいく形式になっています。死んでしまった場合は、チャプターの最初からスタートになります。チャプター同士はシームレスにつながり、チャプターごとにぶつ切りになっているわけではありません。クリアしたチャプターは、メニューから自由に選んで再プレイができます。
収集要素があり、全て集めることで隠しエンディングを見ることができます。この収集以外一切のゲームシステム的要素は省かれています。文字情報が一切ない件も含め、必要のないものは一切排除したシンプルな構成になっています。
良い点
- 圧倒的な演出力
文字を一切使わない方針であるためか、演出は非常に凝ったものとなっています。光と影の使い方、背景で動く小さな人影や機械の音はもちろん、操作キャラクターの足音や息遣いといった細かい点まで作りこまれた演出は、作中世界に生々しさと深みを与えています。スクリーンショットをたくさん撮ってしまうくらいには美しい場所が多いです。
生理的嫌悪感を煽るような演出もとても多く、完成度が非常に高いです。特に、犬に追われるシーンや、海の中を進むシーンの焦燥感と不快感は中々です。(褒めているのか貶しているのか分かりませんね)
横スクロールアクションでありながら奥行きをうまく使っており、作中世界の広大きさそして恐ろしさをうまく表現しています。
- パズルアクション要素の絶妙な難易度
パズルの難易度は易しすぎず難しすぎずでいい感じです。詰まることもあるかもしれませんが、よく観察すれば見えてくる絶妙な感じに仕上がっています。
LIMBOではシビアなアクションが要求されることもありましたが、本作ではアクションはパズルを解くための手段くらいの扱いになり、解き方が分かっているのに何度もリトライさせられるということは少なかったです。
パズルには独特なギミックが多いので、内容にマンネリ感もなく、最後まで適度に新鮮で楽しいパズルゲームとして遊べます。理不尽さを感じる解放のところも特にありませんでした。
パズルを解くことがストーリーとうまく結びついており、無理やりパズルをさせられてる感が無いのも良かったです。
- 終盤の驚きの展開
詳細は伏せますが、終盤には驚きの展開が待っています。このあたりのシーンをどう捉えるかは個人差有りそうですが、個人的には良い演出だと思いました。
悪い点
- 収集要素
収集要素の存在自体は悪くないのですが、見付けるのがとても大変なものもあり、全て集めるには攻略情報を見ないと厳しいでしょう。隠しEndを見るための条件になっているのも厳しいです。
- エンディングのあっけなさ
普通にプレイしているとたどり着くであろう通常エンドの終わりは、救いがあるような無いような……印象には残り、芸術的ではあるのですが、賛否ありそうな終わり方をします。
隠しEndの方は、かなり衝撃的ではあるのですが、収集要素を全部集めた人へのご褒美としては……こちらも賛否ありそうです。
救いのない絶望とダークな世界観を描き切る、という意味では両方とも良い終わり方と言えるでしょう。
- 遊びの幅が狭い
シンプルな作風ゆえ、隠しEndまで見てしまうともうすることがほぼありません。
これは、演出重視作品では仕方ないことかもしれませんが…
総評
ダークで陰鬱、そして広大で残酷な世界をちっぽけな少年の視点で描き切った完成度の高い作品と言えると思います。
パズルゲームとしてもそこそこ面白く、世界観・雰囲気が気になった方はプレイしてみてもいいかもしれません。
個人的には、終わり方があまりにあっけなく、隠しEndも救いのないものであったのが少し厳しかったです。そもそも生理的嫌悪感を煽られるのが好きではないことに気が付いてしまったため(好きな人、いるのかな…)、お気に入りかと言われると微妙かもしれません。
ゲーム音楽ピックアップ
そもそも、BGMがない作風の作品です。