ジャンル | ポイント&クリックADV |
メーカー/ブランド | Draw Me A Pixel |
発売年 | 2020 |
ハード | PC(Steam),iOS,Android,Switch |
お気に入り度(0~10) | 7 |
プレイ状況 | クリア/Steam版 |
There Is No Game: Wrong Dimension
— SPD (@SPD_9X2) 2023年1月22日
ここにゲームはありません!プログラムを早く終了しろ! と要求してくるポイント&クリックアドベンチャー"非"ゲーム
ユーモアと遊び心に溢れていて、徹底的にユーザを楽しませようとする姿勢に少し感動
返金しないでくれ!!と訴えてくる作品、これしかないでしょ pic.twitter.com/i8yIlGSeui
ネタバレは避けてさくっと書きます。本作との出会いは、以下の Indie World の動画でした。正直、この動画を見ればどんな作品なのかは把握できそうです。
There Is No Game: Wrong Dimension とは?
元々2015年のゲームジャムで発表され、人気を博した「There Is No Game」をアイデアの根幹はそのままに、大規模に拡張したタイトルです。Steam版の他、iOS,Android等スマートフォンや、Switchでも遊ぶことができます。
日本語翻訳は違和感のない完全なものに仕上がっているので、英語に不安があっても問題なく遊べます。
概要・ゲームシステム
ポイント&クリックのアドベンチャーゲームになっています。プレイ時間は7時間ほど。
ゲームをプレイさせたくないナレーターが登場するのが特徴で、ゲームをプレイするのを必死に止めてきます。プレイヤーは画面をクリックして彼にちょっかいを出し、その反応を楽しむ。そんな作品になっています。
ただ、本作は章立てになっていて、章ごとに大きくコンセプトが異なるので、以上の説明は作品全体の一部にしか当てはまらないことに注意して下さい。
本作は知れば知るほど楽しみが減衰するタイプの作品であり、なおかつ細かい要素が多すぎて包括的な説明は不可能に近いので、この辺にしておきます。
良かった点
- 作品から溢れ出す徹底的にプレイヤーを楽しませようとする強い意志
本作は基本的にコメディー調で展開されていきます。ユーモアが、ブラックな物から王道なものまで至る所に詰め込まれています。伏線を張っておいてそれを後に笑いに昇華するコント等で見られるテクニックも活用しており、単なる一発ネタの詰め合わせで終わっていないのもよく研究しているなぁと感じます。
また、多様な驚きのある展開が高密度に配置されているのも素晴らしい点です。直後に何が起こるのか全く想像もつかない展開が続くので、クリックをするという行為自体が、宝箱を開けるようなワクワクに満ちた行動へと昇華されています。
- 充分すぎるボリューム感
こういった手の込んだ作品は、手間がかかるため短い作品になっている事が多いです。本作は7時間程と十分なボリュームになっており、最後まで息切れせず高密度なゲーム体験が配置されています。
気になった点
- シリアスなシーンとコメディの切り分けが上手くいっていない
基本はコメディですが、後半には少しシリアスなシーンが登場します。演出や空気作りなどかなり頑張ってはいるのですが、世界観の根底がコメディに染まりすぎていて、やや滑っているような印象を受けました。Undertaleのようにコメディとシリアスをしっかり切り分けできていれば、終盤の展開の引き込み力がさらに向上したかもしれません。
- 詰まりやすい
普通なら思いつかない意外な操作が次に進むためのトリガーとなっていることがあり、そういった箇所では長時間(数十分以上)詰まってしまいやすいです。一応、注目すべきオブジェクトを教えてくれるヒント機能も付いていますが、ほとんど役に立ちませんでした。長時間詰まると疲れてきて没入度が下がってしまっていたので、もう少ししっかりしたヒントがあれば…!と思いました。
他のレビューなどを見るとヒント機能を褒めている方が多いので疑問に思い、私がヒント機能を正しく使えていなかったのでは?と思い確認しに行ったら、まさにその通りでした……
HELPボタンを押すと、注目すべきオブジェクトの位置に?マークが表示されます。?マークをクリックするとそのオブジェクトに関するヒント一覧が表示され、クリックで開いて内容を読むことができます。私は注目すべきオブジェクトの位置を教えてくれるだけの機能と勘違いしていたので、実質ヒント無しでプレイしていたのでした…
いくつか確認してきたのですが、内容もしっかりしていて、活用すれば大分難易度が下がりそうだと思いました。
総評
プレイヤーを何としても楽しませようという強い意思が溢れ出す非常にクオリティの高い、コメディ調のポイント&クリックアドベンチャーゲームです。
私はヒント機能の使い方に気が付いておらず、やたら難易度を上げて長時間無意味に画面をクリックし続ける虚無な時間を過ごし、没入感を削いでしまったせいで本作の魅力を最大限享受できたとは言い難いです。
そんな私でも中々に楽しめた作品なので、気になった方は是非一度プレイしてみてはいかがでしょうか。
ゲーム音楽ピックアップ
- My Actual Code - GiGi's song
本作をプレイした人が一番印象に残るのはやっぱりこの曲ですよね。ただの演出だと思っていたら曲自体が謎解きの要素になっていて驚きました。