ジャンル | 探索アクションRPG |
メーカー/ブランド | HeartMachine |
発売年 | 2016 |
ハード | PC(PS4/Switch/XBoxOne) |
お気に入り度(0~10) | 7 |
プレイ状況 | エンディング回収(隠し要素全収集無し)/Epic版 |
HYPER LIGHT DRIFTER
— SPD (@SPD_9X2) 2021年5月9日
ゼル伝系の探索アクションゲーム
敵の熾烈な攻撃をダッシュで回避し剣で攻撃を叩き込む爽快なアクション性と、マップの隅々まで探索したくなる充実した隠し要素が魅力的な作品でした
文字情報を一切排除して、全てを美麗なドット絵で表現した圧倒的な世界観も素晴らしかったです pic.twitter.com/Iu4pyfeupx
前々からSteamでウィッシュリストに入れていたのですが、Epicで無料配布されていたのをきっかけにプレイしました。
考察の余地はあるのかもしれませんが、分かりやすいストーリーはほぼ無い作品ですので、特にネタバレには気を使わずに書いていこうと思います。
HYPER LIGHT DRIFER とは?
HeartMachineが2016年に発表したインディーの探索アクションRPGです。どこか寂しく、美しい神秘的な世界観、そしてハードコアで高品質なアクションが特徴です。
SteamやEpic等のPCゲームプラットフォームだけでなく、SwitchやPS4などの家庭用ゲーム機にも移植されています。
概要
この作品を"ゼルダの伝説風アクション"と説明しているところが多いですが、実際はゼルダシリーズとはプレイ感覚がかなり異なる作品だと思います。
まず、本作は文字情報を一切排除しており、作中でダイナミックに展開するストーリーはほぼ無いです。時折作中のキャラクターに話しかけることができるのですが、その時は吹き出しの中に絵が表示され、そのキャラクターが話したい内容をそこから読み取る形になっています。その内容も、特にゲームを進めるのに有用というわけではありません。キャラクターとの会話、その他思わせぶりなオブジェクトも、基本的には世界観を表現するための物であり、それらがダイナミックなストーリー展開を生み出したり、謎解きに活用したりするものでは無いということです。
また、本作にはゼルダシリーズに存在する「アイテムを手に入れ、新たなエリアを開拓する」といった要素も一部を除きほぼ存在しません。本作には大きく分けて4つのエリアが存在するのですが、どの順番で攻略しても良いことになっていて、特定のアイテムが無いから進めないといったことは、一部の隠し要素を除き存在しません。
簡単にまとめると、ゼルダシリーズのJRPGっぽい部分がごっそり抜かれている感じでしょうか。
ゼルダシリーズとは趣が大きく異なる作品であることを説明したところで、本作のゲームシステムに関して簡潔に解説します。
・基本操作
まず、基本操作は以下の3つです。
- 剣での攻撃
- 銃での攻撃
- ダッシュ
基本的には、ダッシュで敵の攻撃を回避しつつ敵に攻撃を叩き込むゲーム性になっています。ダッシュにも無敵はないため、しっかり攻撃は避ける必要があります。
銃には弾数制限があります。敵に攻撃したり、フィールド上のオブジェクトを破壊すると弾数が回復します。遠距離にいる邪魔な敵を片付けてしまったり、近距離戦のリスクが高い敵を倒したりするのに便利です。
他にもフィールドで拾った回復キットを使ったり、弾数制限のあるグレネードなどもあります。
・ゲームフロー
本作では、スタート地点の街の東西南北のエリアに1つづつ存在する巨大なモジュールを全て起動することが目的となります。先述した通り、4つのエリアの攻略順は自由です。巨大なモジュールの前にはボス部屋が存在し、ボス部屋に入るためにはエリアに隠された小さなモジュールを一定個数起動する必要があります。
つまり、小さなモジュールを探索→一定個数集めたらボスに挑戦→巨大なモジュール起動 がエリア攻略のフローとなります。
各エリアは、たくさんの小部屋(小さなマップ)に分かれています。各マップでは、敵を全て倒すまで外に出られない戦闘イベントが発生することがあります。この辺はゼルダの伝説シリーズと同じです。
小さなマップでHPが無くなると、マップに入ったところからリトライになります。本作は難しく何度も死ぬので、死に覚えゲーの側面も持っているといえるでしょう。
・隠し要素
本作には隠し要素がたくさん存在します。多くの場合、隠された道やマップが存在し、その先に小さなモジュールやギアビットが隠されています。
小さなモジュールは先述した通り、一定個数起動することでエリアのボスに挑むことができるようになる装置です。ボスに必要な個数以上を集めるのもやりこみ要素となっていて、ご褒美にモジュールを多数起動しないと進めない隠しエリアがあったりします。
ギアビットは、プレイヤーを強化することができる通貨のようなものです。スタート地点の街でギアビット一定個数と、新たなスキルを交換できます。頑張って探索することでプレイヤーが強くなり、攻略が楽になるバランスになっています。
良い点
- 寂寥感漂い、神秘的なデザインと世界観
上のトレーラーを見て頂ければわかると思うのですが、本作は非常にアートワークに力の入った作品になっています。美麗なアートワークが生み出す神秘的で圧倒的な世界観、そして作品全体から漂う寂寥感が素晴らしいです。BGM・サウンドともに世界観にぴったりと合ったものになっています。
- 骨太なアクション
本作はアクションゲームとして見た場合、非常にやりごたえのあるものになっています。特にボス戦はかなり厳しいです。しかし、操作も軽快で、プレイヤーの熟練が最も重視されるバランスのため、理不尽なストレスは少なく遊ぶことができます。難しい場面では何度も屍を重ねることになるでしょうが、それを乗り越えた勝利にはかなりの達成感があります。
- 豊富な探索要素
マップを隅々まで探索するとしっかりそれに応えてくれる豊富な探索要素があります。見つかる物はモジュールかギアビットしかありませんが、どっちもちゃんと役に立つのでせっかく見つけたのに徒労感だけ感じて終わる…ということもありません。
時には「え、これ隠すの?」と思う程広大なマップが隠されていることもあり、見付けた時の感動もひとしおでしょう。
悪い点
- ゲーム展開が単調
最初から最後までモジュールとギアビットを探しつつ、敵と戦うだけで大きなゲームの展開の変化は無いです。インパクトのあるイベントなども特にないので、結局終盤はやや食傷気味になってしまい、隠し要素のコンプリートまではできませんでした。(個人的にはオープニングに出て来る巨人と戦うシーンが無かったのは残念でした…)
本作のゲームプレイの基本がぐっさりと刺さった方には戦闘・探索の要素がたくさんあることは長所だと思います。また、ゲームの要素をつまみ食いするような形でもエンディングまで行けるという点は評価に値するでしょう。
- 一部スキルの操作が非常に難しい
攻撃・ダッシュ系のスキルの一部の操作はタイミングが非常にシビアで、狙って出すには相当の熟練が必要です。特に連続ダッシュのスキルは、隠し要素を取るために必要となるのですが、何度も失敗してしまいややストレスを感じました。
- 地図が分かり辛い
地図表示機能があり、地上と地下の大まかな地形を把握することができるのですが、本作の地下は何層にも分かれている複雑な構造になっていて、地図に含まれない隠し通路なども大量にあるので、地図があまり役に立ちません。
総評
戦闘・探索の2つの要素を余計な要素を省いてシンプルに高いレベルで仕上げた作品と言えると思います。世界観やアートワークは素晴らしいですが、ストーリーに期待するのはやめた方がよさそうだと思いました。
結局、戦闘と探索をどれだけ楽しめるかで個々人の感想が大きく変わりそうな作品だと思いました。最初はとりあえずクリアするぞ~くらいの気持ちでプレイして、ハマりそうだったら100%を目指してみるのが良いでしょう。
ゲーム音楽ピックアップ
- Panacea
www.youtube.com今作の曲はこんな感じの落ち着いたものが多いです。改めて聞くと結構癒されます…