【ゲームレビュー17】Duke Nukem 3D: 20th Anniversary World Tour

レビュー一覧

ジャンル シングルFPS(CERO:Z)
メーカー/ブランド 開発:3D Realms 販売:Gearbox Publishing
発売年 2016(オリジナル:1996)
ハード PC,PS4,Switch etc...
お気に入り度(0~10+) 8+
プレイ状況 全キャンペーンクリア(シングル)/Steam版

 

 

クラシックなシングルFPSが結構好きかもしれないと気が付いてきた今日この頃です。

half-lifeをプレイしたときの興奮を思い出せた気がします。

ネタバレになるような要素もないので、特に配慮もせず書いていこうと思います。

 

Duke Nukem 3D: 20th Anniversary World Tour とは?

store.steampowered.com

 
3D Realmsが1996年に発売した2.5D FPSの「Duke Nukem 3D」を3Dリメイクし、追加要素を加えた作品です。オリジナル版は本作の流れをくむ3作品と共にBuildエンジン四天王と呼ばれているようです。

オリジナル版は3つのエピソードが含まれていましたが、本リメイクではアトミックエディションで追加されたエピソード4と、完全新作のエピソード5が収録されています。

Steamで購入できるほか、Switch、PS4版(海外限定?)も販売されているようです。Steam版はセール時に200円を切るので、気軽に購入してプレイできる作品だと思います。

 

ゲームシステム・概要

本作の特徴は、絶妙にふざけた世界観でしょう。敵となる宇宙人はどう見ても豚の見た目をしていたり、トイレに籠って用を足していたり…… いわゆる宇宙生命体らしさは全然なく、愛着すら覚えるかもしれないデザインになっています。

シナリオも、地球にやってきた宇宙人が美女たちをさらってしまったので、Dukeおじさんがキレて宇宙人をぶちのめす…というこれまた雑なストーリーになっています。

ゲームで登場するステージにも変なものが多く、最初のステージからしてR18な映画館、エピソード2では何故か宇宙ステーションに行き、エピソード3では月面を模した映画のセットで宇宙人と戦い、エピソード4では明らかにミッ○ーマウスの偽物が出て来る遊園地、エピソード5では基地に魔改造されたピラミッドなどなど、変なロケーションが次々登場します。

Dukeの使う武器やアイテムも中々ぶっ飛んでいます。普通の武器(ピストル,ショットガン,RPG等)もちろんありますが、敵に当てると敵が縮んで足で踏みつぶせるようになる「シュリンカー」や、自由に空を飛べるようになる「ジェットパック」等々リアル志向のFPSでは絶対出せないようなものが登場します。特にジェットパックは、想定された進路を飛ばして進むことができ、攻略の自由度を大幅向上させています。

 
本作は、シングルプレイヤーモードとマルチプレイヤーモードがあります。後者は遊んでいないのでわかりませんが、対戦・Coop両方のモードが用意されているようです。

シングルプレイヤーモードは、5つのエピソードから1つを選んでプレイするキャンペーン方式のゲームモードとなっています。各エピソードは5~10個程度のステージで構成されており、好きなステージからゲームを始めることができます。各ステージは隠された3色のカードキーを探し、それを使って扉を開けていくことで進行します。最後に置かれているボタンを押すことでクリアとなり、持っている武器やアイテム、体力などが引き継がれて次のステージへ進みます。各エピソードの最後のステージには巨大なボスが待ち構えていて、それを倒すことでエピソードクリアとなります。エピソード間は武器などを引き継げないので、好きなエピソードからプレイするのもありかもしれません。

本作にはたくさんの隠し要素が仕込まれており、これを探すのがゲームの醍醐味一つとなっています。壁にあるヒビを爆破することで隠しアイテムを手に入れられたり、ステージが丸々一つ隠されているなんてこともあります。どれだけの隠し要素を見つけたかはステージクリア時に表示されるので、頑張ってすべて見つけるのも楽しいと思います。

セーブ・ロードはいつでも行えるシステムになっており10個セーブデータを保存できます。死んだときには、ステージが始まってから死ぬまでの好きな時間に巻き戻して再開できるシステムが搭載されています。このシステムの存在によって、どんな人でも何度も繰り返せばクリアできるようになっています。もちろんオフにすることもできます。

 

良い点

  • 見て楽しい、探索して楽しいマップ構成
     
    各ステージ明確なテーマを持ってマップが構成されており、ステージ独自の仕掛けなども豊富なので、次はどんな場所が待っているんだろう?とワクワクしながらゲームを進めることができます。特に、新規追加のエピソード5のステージは非常に力が入っていて素晴らしい出来になっています。
    また、隠し要素が非常に多く仕込まれているので、隅から隅まで探索するとそれにしっかり応えてくれる仕様になっています。隠しステージも結構な数あるので、周回プレイをするのも楽しいでしょう。
    先述したジェットパックの存在もあり、攻略の自由度が高くなっています。隠し通路を見つけるとカードキーがいらない、なんてこともよくあります。
     
  • 爽快感溢れるゲーム性
     
    FPSとしてのゲーム性は、敵の射線を障害物を使って避けつつ、一気に打ち込んで仕留めるようなゲーム性になっています。敵から隠れるというよりは、敵が打つタイミングにひょいと壁の裏に隠れるみたいな戦法が有効です。
    一撃のダメージが大きいのに、大量の敵の中に飛び込んで一瞬の判断で効率よく敵をなぎ倒していくのを強いられるゲーム性は緊張感と爽快感のバランスが良く、ずっと遊び続けてしまう中毒性があります。敵はワープして湧いてくることがあるので、全滅させた場所でも気が抜けません。
    武器も中々派手で、特にショットガンとRPGの爽快感は凄まじいです。オートエイム機能がデフォルトでオンになっているので、ついつい遠くの敵にRPGを打ち込みたくなってしまいます。
     
  • ステージリザルト機能
     
    各ステージをクリアするごとに、プレイ時間や倒した敵の数、見付けた隠し要素の数などが表示されます。ステージで見ていない要素がどれくらいあるかわかるので、やり込み心を刺激されます。
     
  • 巻き戻し機能
     
    先述の通り、死んだときに好きなところまで巻き戻してプレイできる機能が搭載されています。本作は元々難易度が結構高いですが、この機能のおかげで非常に遊びやすくなっています。

 

悪い点

  • 詰まってしまいやすい
     
    正規ルートでも隠し要素の発見を強いられることがあるので、見つからず詰まってしまうことが頻発します。攻略動画が検索すると出て来るので、これを見ると良いでしょう。私もこれにはかなりお世話になりました。
    また、硬い敵(ボスや中ボス)が出てくる場所では大量の弾薬を消費させられますが、ここで弾薬が足りないとほぼ詰んでしまいます。また、水中ステージで酸素ボンベが無くなって詰むことも結構ありました。セーブは各ステージ最初に取っておくことをお勧めします。
     
  • 屋外ステージの窮屈さ
     
    屋外を舞台にしたステージは、そのほとんどが高い壁で周囲を囲まれ、遠くが見えないという構成になっています。これが非常に窮屈な印象を与えてしまい、屋外ステージなのに閉じ込められているような感覚に陥ります。
    新録のエピソード5ではこの問題が解決され、広々とした開放感あふれるステージが多くなっています。
     
  • シナリオ・それに準ずる演出の薄さ
     
    一応シナリオはありますが、おまけ程度です。特に終盤に向けて盛り上がることもないため、クリアした際に 「え?これで終わり?」 と感じてしまうかもしれません。特に、各エピソードのボスは何の前置きもなく突然現れるため倒した後に「あ、これただの硬い敵じゃなくてボスだったんだ」と思うこともありました。
     

総評

FPSの世界に大きな影響を与えた作品と言われるだけのことはあり、今遊んでも非常に面白い作品でした。探索・撃ち合いの楽しさというシングルFPSの一番基本的な部分をハイレベルに仕上げた傑作と言えそうです。

シングルFPSが好きな人ならばぜひ手に取ってほしい作品です。

 

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