ジャンル | 3D箱庭探索アクション |
メーカー/ブランド | 開発: Exit Plan Games パブリッシュ: Untold Tales,CouchPlay Interactive |
発売年 | 2023 |
ハード | Switch, PS4, Xbox One/X/S, Win(Steam) |
お気に入り度(0~10) | 9 |
プレイ状況 | ラスボス撃破, 檻&テープ全回収, 全実績解除/ Steam版 |
Bang-On Balls: Chronicles
— SPD (@SPD_9X2) 2024年2月12日
ポーランドボールが題材の、マリオ64風箱庭アクション
ヴァイキングの海賊や、宇宙開発競争、日本の観光地など世界中を題材とした個性豊かで高い完成度のマップに、途轍もない量のシークレット
作り込みが常軌を逸していて、マイナーなのが非常に惜しまれる傑作でした pic.twitter.com/tBzazAyivZ
ノリと勢いで購入した作品ですが、とんでもなく面白かったです
2023年のインディーゲームのトップを取れてもおかしくない完成度なのに、絶妙にマイナー寄りなのが本当にもったいないです
Bang-On Balls: Chronicles とは?
インディーゲーム開発会社, Exit Plan Gamesが2023年10月に正式リリースした3D箱庭探索型のアクションゲームです。
Switch, PS4, XboxOne, Xbox Series X/S, Windows(Steam) でプレイできます。
日本語は非対応ですが、そもそも文字を読む必要がほとんど無いです。
UIに表示される多少の単語さえ分かれば全く問題なく遊べます。
4人までのオンラインCoop, 画面分割による2人までのローカルCoopに対応しています。
概要・ゲームシステム
恐らくマリオ64を意識しているであろう構成の3D箱庭アクションゲームです。
登場するキャラクターがポーランドボールなのが最大の特徴です。
ポーランドボールという名前はネットミームなので容易には使えなかったのか、作中では一貫して「Bang-On Balls」と表記されています。なお、過激な現代政治ネタは無いのでどなたでも安心して遊べます。どちらかというと歴史・文化ネタが多いです。
主人公は、Bang-On Ballの「BOB」です。BOBは映画スタジオ「Bang-On Pictures Studio」のインターン生として、4本の映画撮影に参加します。
ゲームは、映画スタジオのオフィスから始まります。映画スタジオにはたくさんのNPCがいて、非常に楽しげな雰囲気。
そして、スタジオにはBOBの参加する4つの映画のセットが設営されています。
それぞれのセットの奥にはテレビが設置してあり、これに飛び込むことでその映画の世界を冒険することができます。
折角なので映画の紹介をしましょう。映画は以下の4本。好きな映画からプレイすることができます。また、途中で攻略を放り出して他の映画をプレイしてもOKです。
- Viking Invasion
北欧の武装集団「ヴァイキング」が西欧へ侵略を行っていた10世紀頃を題材としたワールド。堅牢な砦や、ローマの地下迷宮が印象的。侵略者を倒し、ヴァイキングの親玉と決闘をしよう!!
アーリーアクセス時に最初に追加された世界なので、他のワールドに比べるとやや規模は小さめ。最初に遊ぶのにオススメかも?
- Cold Race To Space
米国とソ連が宇宙開発競争を行っていた冷戦期を題材にしたワールド。
両陣営のロケット打ち上げを手伝い、月に旅立とう!!
宇宙人が一般人に擬態してその辺を歩いています。そんな無茶苦茶さが魅力です
- Kraken's Lost Coins
大航海時代とカリブの海賊を題材としたワールド。広大な海を船に乗って旅し、島々に隠された金貨を集め、伝説の怪物クラーケンを復活させよう!!
題材となった国が非常に多く、島ごとに雰囲気が全く異なるのが良かったです。
- Time Trouble on Kaiju Island
平安時代から世紀末の東京まで!! 様々な時代の日本を旅し、サムライと対決し、富士山の中の秘密基地からロボットに乗って出撃、怪獣を倒そう!!
開発者、絶対日本旅行に来たでしょ!と思わせるような構成になっており、海外から見た日本の魅力が抽出されているのが面白かったです。
各ワールドには、上で紹介したようなメインの目標が設定してあります。
目標となる中ボスやアイテムを探してワールドを冒険し、敵と戦い、最後にボスを倒すのが攻略の流れです。要所で特殊な演出が挟まれることはありますが、基本的に言葉での説明はありません。
上で紹介したようなメインの目標以外に「コスメティック」「テープ」「檻」の収集要素が用意されています。
「コスメティック」は、その名の通りBOBに付けることができる装飾品です。BOBの色合いを変えるだけに留まらず、服や帽子、手に持つアイテムなども存在。一部のコスメティックには特殊な効果が付いている物もあり、探索や戦闘に役立ちます。
途方もない量が隠されているので、普通にプレイしていると全回収は困難です。
いくつ集めたかも表示されないので、恐らく全回収は想定していないのだと思います。逆に言えば、最もやり込み度の高い収集要素と言えるでしょう。
「テープ」は、回収すると映画スタジオの中がどんどん豪華になっていくというお楽しみのある収集要素です。メインの収集要素となっており、全て集めきると特別なコスメティックがもらえます。
「檻」の中にはBang-On Ballが幽閉されています。これを解放するのも一つの収集要素になっています。解放したBang-On Ballは、ワールドの中で最も不思議な力を放つ場所に集います。そして、全ての檻を解放すると……?
ここまで述べた3種類の収集要素をメインの目的と併せて進めていくのが基本となるでしょう。コスメティック以外は、全回収を想定しているのか、ボス撃破後に概ねの位置が分かるようになります。
操作はシンプルで、よく使うのはダッシュとジャンプ、ヒップドロップのみ。
敵はダッシュで体当たりして倒すか、ヒップドロップで踏みつけて攻撃します。
操作が単純で、アクションの難易度も決して高くはないので、アクションが苦手な人でも楽しめるバランスになっています。
ちなみに、メインのゲームモード以外にハイスコアを競うミニゲームも存在。ロビーに置いてあるアーケードゲーム筐体に飛び込むことでプレイできます。一定上の得点で特別なコスメティックがもらえます。
良かった点
- 常軌を逸した作り込みのマップ
探索アクションの要であるマップの作り込みが本当に常軌を逸しています。
ビジュアル面においては、フレーバとなるようなオブジェクトやNPCが余すところなく配置され、マップのどこを切り取っても賑やかで楽しげな印象を与えてくれます。ロケーションのバリエーションも豊かで、同じような印象の場所がずっと続くといったこともありません。単純にデザインのセンスも良く、ネオン街やゲームセンターのサイバーパンク感は本当に大好きです。
レベルデザインの面で見ても素晴らしいです。特に、プレイヤーの攻略の導線管理が上手い印象です。例えば、重要なアイテムやボスのいる場所には大きくて目立つ建物が建っていて、直感的に何処が目的地なのか分かるようになっています。そして、目的地までの道中を埋めるようにちょっとした探索要素やシークレットが点在するように配置されています。そのため、探索をしつつ大きな目標に向かうという進行が自然とできるようになっています。
また、探索要素は多重構成になっていて、隠された洞窟の中に更に隠し部屋が!!みたいな事もよくあります。これにより、近くにアイテムがあったとしても注意深くマップを観察する必要が生まれるので、常に緊張感を持って探索を楽しめます。
- 凄まじいボリュームの探索要素
気になる箇所には必ず何かしらのシークレットがあると言っても過言ではない程に、探索要素のボリュームが多く、濃密です。例として日本ワールドには、15個のフィルム、18個の檻、そして76個(!?)のコスメティックが隠されています。
- シンプルな操作と、軽快な操作性
操作はシンプル。難易度も低いのでどなたでも楽しめます。
操作性もすこぶる良く、3Dゲーム故の操作のもどかしさを感じるシーンはありませんでした。
- 丸くて愛らしいキャラクター
本作の元ネタであるポーランドボールは、政治への皮肉などの文脈で使われることも多いです。しかし、本作においては愛らしく、表情たっぷりでよく動くコミカルなキャラクター像に終始しています。
開発者のキャラクターへの愛情が感じられるのも本作の素敵な点です。
- 複数人でも楽しく遊べる
本作は、箱庭系アクションでは珍しくマルチプレイに対応しています。
檻以外の収集要素はプレイヤー別で取らないといけないので、バラバラではなく一緒に探索をする意義は大きいです。
私もフレンドと一緒に遊んだのですが、とても楽しくコミュニケーションしながら遊べたので良かったです。
気になった点
- 無し!!
特にないです。強いて言えばラスボスが少し地味なくらいでしょうか……
総評
とても面白い3D箱庭探索アクションです。
兎に角、マップの作り込みがとんでもないです。
もっと流行ってほしいです。おすすめ。
迷っている方が居ましたら、日本ワールドのプレイ動画を見てみてください。
ゲーム音楽ピックアップ
1. Tokyo City Nights
東京1999のライブ会場の曲。やはりこれが一番印象的です。